分解する
言葉と自在に戯れる、小説の可能性
「アメリカ文学の静かな巨人」のデビュー短編集。言葉と自在に戯れるデイヴィスの作風はすでに顕在。小説、伝記、詩、寓話、回想録、エッセイ……長さもスタイルも雰囲気も多様、つねに意識的で批評的な全34編。
ある女との短命に終わった情事を、男が費用対効果という観点から総括しようとする表題作「分解する」。救いのない不動産に全財産をつぎ込んだ男が、理想の家屋の設計の幻想を若い猟師と共有していくさまを描いて不思議に美しい「設計図」。語学講座のテキストの裏で不穏な自体が進行していく「フランス語講座その1--Le Meutre」。人生で何ひとつ成しえない男のオブローモフ的生活を描く「ワシーリィの生涯のためのスケッチ」。〈夫〉の喉にひっかかった小骨をめぐるどこかほのぼのとした「骨」や、長編『話の終わり』の原型とおぼしきファン必読の短編も。
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リディア・デイヴィスの記念すべき処女作品集! 「アメリカ文学の静かな巨人」のユニークな小説世界はここから始まった。 話 オーランド夫人の恐れ 意識と無意識のあいだーー小さな男 分解する バードフ氏、ドイツに行く 彼女が知っていること 魚 ミルドレッドとオーボエ 鼠 手紙 ある人生(抄) 設計図 義理の兄 W・H・オーデン、知人宅で一夜を過ごす 母親たち 完全に包囲された家 夫を訪ねる 秋のゴキブリ 骨 私に関するいくつかの好ましくない点 ワシーリィの生涯のためのスケッチ 街の仕事 姉と妹 母親 セラピー フランス語講座 その1-- Le Meurtre 昔、とても愚かな男が メイド コテージ 安全な恋 問題 年寄り女の着るもの 靴下 情緒不安定の五つの徴候 訳者あとがき 2016/06/20 発売