小説むすび | ビッグY戦艦「大和」の戦後史(1)

ビッグY戦艦「大和」の戦後史(1)

ビッグY戦艦「大和」の戦後史(1)

敗色迫る昭和19年末-母港呉に向かってひた走る巨艦があった。日本海軍に残された最後の切り札、不沈空母「信濃」である。追いすがる米潜水艦の魔手からどうにか逃げのびた乗組員たちだったが、このとき成し遂げた偉業にまだ気づかずにいた。彼らは海軍の希望を守り通すことで、呉で待つもう一艦に奇跡とも呼ぶべき幸運をもたらしたのである。翌20年4月、連合艦隊最後の水上部隊に出撃命令が下された。もはや生還の望みなどない第二艦隊死出の旅立ちであった。しかし二艦隊旗艦、帝国海軍いや日本が誇った世界最大で最強の戦艦の行く末を、神のほかに何人が知りえたであろうか…。誰も知らない「大和」の新たなる歴史が始まろうとしていた。

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