小説むすび | ビッグY戦艦「大和」の戦後史(2)

ビッグY戦艦「大和」の戦後史(2)

ビッグY戦艦「大和」の戦後史(2)

昭和20年8月15日、「大和」は夕日の中にその姿をとどめていた。降伏文書の調印を終えた2週間後、呉にも進駐軍が大挙して押し寄せ、旧海軍艦艇の接収作業が開始された。むろん「大和」も例外ではなかった。ミッドウェーをはじめ重要な戦局で常に勝利を収めた名将レイモンド・スプルアンスが太平洋艦隊への編入を強く望んだのである。米海軍は、「大和」を改修するとともに、操艦技術を習得させるために、旧乗組員たちを軍属扱いで乗艦させた。日米の乗員たちが手を携える、ようやく訪れた平和であった。が、安息の日々は長くは続かなかった。昭和25年6月25日未明、北朝鮮軍が韓国へ侵攻したのである。それは、新たなる「大和」の旅立ちとなった。

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