著者 : 横山信義
日本軍は多大な犠牲を払いグアム島を攻略し、米軍の攻撃先鋒を潰すことに成功した。これを機に日本政府は英国を通じて講和を打診するのだが、米国政府からは一顧だにされない。米軍は強大な戦力を続々と前線に投入しつつあり、次こそは勝利を得られると確信していたからだ。日本には、圧倒的な勝利をもって米国の戦闘続行を断念させるしか残された道はなくー。トラックに拠る米海軍主力を撃滅せよ、という難題を課せられた連合艦隊は乾坤一擲の大作戦を開始した。
米艦隊による、硫黄島、サイパン島奇襲攻撃の裏で密かに計画されていたグアム島への増援。日米は互いに敵飛行場の破壊と再建の妨害を繰り返す泥沼の状態に。それでも、機械化された米軍設営部隊の能力は日本軍を凌駕し、グアム島飛行場再建を阻止し続けることは不可能であった。本格稼働する前に、一気にグアム島そのものを占領するため、連合艦隊はグアムに向け出撃した。しかし米海軍も太平洋艦隊の主力戦艦部隊を繰り出し、鉄壁の布陣をもって待ち受けていた。
航空主兵主義に活路を求め、初戦の劣勢を押し返した連合艦隊はついにフィリピンの米国アジア艦隊を撃退。さらに太平洋艦隊に対抗するため、日本が最後に建造した高速戦艦「赤城」をも投入して空母機動部隊の大増強をおこなう。対する米軍は艦隊の再編と同時にトラック諸島の要塞化を進め、B17大型爆撃機によるマリアナ、パラオの日本軍航空基地への空爆を継続。連合艦隊は太平洋艦隊が再び攻勢に出てくることを確信し、総力を挙げて南洋に向け出撃した。その時、思いもかけない方面から米軍来襲の一報が…。
航空主兵主義に転じた連合艦隊は、辛くも米戦艦の撃退に成功する。しかし、アジア艦隊を撃滅するには至らず、また米極東陸軍はバターン半島とコレヒドール要塞で死守の構えを見せている。資源の多くを輸入に頼る日本としては、フィリピンを抑えて南シナ海の制海権を握り、通商路を再開させることは不可欠である。ついに、アジア艦隊殲滅のための新鋭空母を加えた機動部隊に出撃命令が下される。しかし、米太平洋艦隊もアジア艦隊を援護するべく機動部隊を繰り出すのであった。
昭和一六年におこなわれた満州国を巡る日米間交渉は、互いの主張が平行線をたどったまま打ち切られた。米国はダニエルズ・プランのもとに建造された四〇センチ砲装備の戦艦一〇隻、巡洋戦艦六隻をハワイとフィリピンに配備した。日本はこのとき、戦艦の建造を断念、海軍の主力を空母と航空機に切り替えていたが、航空機が戦艦に対抗できるとの確証は得られていない。日米戦争が勃発すれば、敵大艦隊が日本へ迫ることは必至である。連合艦隊はこれを食い止めることができるのか。
英本土奪還に王手をかけた日英連合軍。だがヒトラー総統の死守命令を受けたドイツ軍は、ロンドン周辺地域を固め徹底抗戦の構えを崩さない。市街戦を避けたい英国政府は、兵糧攻めにして降伏に追い込むしかないと決断。周辺海域において、互いの援軍と補給を断たんとする激しい海空戦が繰り返されることに。ドイツ軍は次々と新兵器を繰り出し、これまで温存してきたドイツ大海艦隊をも出撃させた。必勝を期し、日英連合軍艦隊に最後の決戦を挑んだのである!
日本海軍遣欧艦隊は枢軸国艦隊との決戦に勝利し、地中海の制海権を握る。この事態に、イタリアでは政変が勃発。新政権は連合軍との休戦交渉に入り、ムッソリーニ派は親ドイツを標榜する政府の樹立という混乱状態に陥る。日英連合軍はアメリカから購入した最新鋭兵器を装備し、悲願の英本土奪還作戦を開始。ドイツも海軍に編入した英国製戦艦を出撃させる。かくして、英国艦艇同士が争う前代未聞の英本土奪還作戦が開始されたー。
ドイツ・イタリア枢軸軍を打ち破り、紅海からスエズへと攻め上る日英連合軍。次の目標は地中海の制圧とイタリアの打倒である。まずはシチリア島を占領すべく日英の上陸船団が進出するが、枢軸軍がそれを座視するはずがなかった。イタリア海軍に加え、ドイツ海軍も強力な艦隊を差し向けてきたのだ。対する連合艦隊もついに切り札である戦艦大和・武蔵が地中海に進出した。果たして、地中海の覇権を握るものとはー!?
英本土奪回を目指す日本・イギリス連合軍はスエズ運河を押さえ地中海への航路を確保する必要があった。だがドイツ海軍との激戦を経て紅海を突破した連合軍の前に、北アフリカを堅守するドイツ・イタリア枢軸軍が立ち塞がり、欧州を席巻したドイツ装甲師団を相手に苦戦を強いられてしまう。強敵のさらなる増援阻止のためには、海上輸送路を断たねばならず、地中海を制するイタリア艦隊との激突は必至であった。連合艦隊はついに戦艦長門・陸奥の地中海派遣を決定ー。
亡命イギリス政府を保護したことでドイツ第三帝国と敵対することになった日本。第二次日英同盟のもとインド洋に進出した連合艦隊は、Uボートの襲撃により主力空母二隻喪失という危機に。さらなる被害拡大を阻止するには、紅海を封鎖しUボートの侵入路を塞ぐしかない。マンデブ海峡を扼する要衝ジブチに向け、航空戦力を結集した日英連合軍の機動部隊が出撃する。ドイツ海軍はフランス製の最新鋭戦艦を繰り出して迎え撃つ。想定外の強敵に、立ち向かう日英連合軍に勝機は…。
昭和一四年八月、ドイツはソ連との不可侵条約を締結し、日本が進めていた独伊との同盟は頓挫する。そこに接近してきたのはドイツと対峙するイギリス、フランスであった。やがて日英仏同盟が締結されるが、大陸を席捲したドイツ軍は英本土へ上陸。首都ロンドンは陥落した。英艦隊は東アジアに逃れ日本に亡命したため、ヒトラーの怒りは日本に波及、英仏政府の要請を受けた連合艦隊は、第一航空艦隊をセイロン島トリンコマリーへ派遣するが、インド洋海面下には牙を研いだ狼の群れが…!
トラック沖における連合艦隊の総力を挙げた海戦は、米海軍の撃退に成功するも被害は甚大であった。艦隊の主力を担ってきた空母「赤城」「加賀」、戦艦「長門」他、多数の艦艇や航空機が失われてしまったのだ。これにより勢力は完全に逆転した。連日の空襲に晒されるトラックの防衛は限界に達する。逼迫する戦況の中、ついに連合艦隊は苦渋の決断を下す。トラックを放棄し、マリアナに全軍を集中、米海軍との最終決戦に挑む。この戦いの先に、講和の道は残っているだろうかー。
ラバウルを巡る日米新鋭戦艦の激突に、連合艦隊は辛くも勝利する。これで根拠地トラックへの脅威を排除できたはずだった。だが、米国はニューギニア方面に進出。新たな航空基地を建設し再びトラックを脅かし始める。海戦を制するも戦況は好転せず、講和への道筋もまったく見えない。米軍の戦略目標は間違いなくマリアナ諸島だ。連合艦隊はトラックを死守すべきか?連合艦隊の総力を結集した第一機動艦隊が出撃する先はー
欧州で始まった戦争は日本を巻き込み、アメリカの参戦を誘い、ついに昭和一五年七月、日米間に戦端が開かれた。苦闘の末に米太平洋艦隊を撃破した連合艦隊は西太平洋を制圧、ニューギニア、ラバウルへと前進する。海上戦力が激減した米軍は航空兵力を集中し対抗。連合艦隊は新型航空機による飛行場攻撃および補給線寸断作戦を実施、戦線は膠着状態となった。反撃を目論む米艦隊の攻撃目標はラバウルかニューギニアか?山本五十六は新鋭戦艦「大和」「武蔵」の投入を決断する。
英仏との戦争に突入した日本に、米国も宣戦を布告する。マリアナ諸島において米太平洋艦隊と連合艦隊は激突、講和への道筋は遠のくばかりであった。戦線の拡大を望まぬ山本五十六はトラック諸島を根拠地として守りを固めるも、米国は長距離爆撃機を繰り出し攻撃を続ける。空爆を封じるためラバウル進攻命令が軍令部より下り、主力戦艦を欠いた連合艦隊は空母を結集した機動部隊を編成。米太平洋艦隊も空母を中心とした艦隊を送り出した。ここに、史上最大の海空戦が開始される!
昭和一四年、日本陸軍はノモンハンにてソ連軍に押されていた。このまま全面戦争に発展することを恐れた日本は、急ぎドイツ・イタリアとの同盟を締結。日独伊は、さらにソ連との相互不可侵条約を成立させた。だがドイツはポーランドを攻撃、イギリス・フランスと戦争状態に陥ってしまう。三国同盟の約定により参戦することとなった日本は、マレー・シンガポール・ビルマなどを占領、連合艦隊はインド洋へと進出した。だが、そこにはイギリス海軍の最強戦艦が待ち構えていたのであるー。新シリーズの開幕!
フィリピンへ来寇した敵上陸部隊を撃滅すべく、連合艦隊の全戦力を盗じる捷号作戦が開始された。開戦以来の連戦により、戦力の大半を失った機動部隊は囮となり、米海軍空母部隊を戦場から引き離す作戦を実行、甚大な損害を被りつつも成功に導く。一方、大和、武蔵ら水上砲戦部隊はレイテ湾を目指し進撃を開始。だがそれは、米海軍の新鋭戦艦が待ち構える阻止線の正面突破を意味していたー。前衛隊として突き進む防空巡洋艦「青葉」の前に、米海軍の防空巡洋艦「アトランタ」が立ち塞がる!
マリアナをめぐる決戦に勝利を得られなかった連合艦隊は中部太平洋最大の根拠地であるトラックを失った。環礁を占領した米軍は大航空兵力を送り込み、難攻不落の航空要塞を建設する。次の戦場はマリアナかフィリピンか。おそらく、この戦闘で日本の命運は決する。だが歴戦の空母は撃ち減らされ、艦上機搭乗員の補充もままならない連合艦隊には米艦隊と正面から戦う力はすでに失われていた。新司令長官小沢は、わずかな勝機に賭けて、機動部隊を囮として砲戦部隊を突入させるという作戦を命じたー。