伯爵と一夜の恋のから騒ぎ
人違いの誘拐劇ーー
その顛末は、傲慢伯爵との結婚?
ドロシーは家庭教師として働くため、遠いエジンバラに向かっていた。
両親亡きあと4人の弟妹を養っていくには、それしか方法がないのだ。
道中立ち寄った宿で、彼女は駆け落ち途中の若いカップルに出会う。
体調を崩した女性を介抱してやると、相手の若者は何度も礼を言ったーー
ドロシーの手を握りしめて。怒りの形相で男が乱入したのはそのときだ。
「伯爵家を継ぐ、僕の被後見人をたぶらかした女は君だな!」
彼はいきなりドロシーを肩に担ぎ上げたかと思うと、馬車に放り込んだ。
公衆の面前で醜態をさらされ、エジンバラ行きも逃したドロシーに、
翌朝やっと勘違いに気づいた男性は、すべての責任を取ると言った。
「僕はワースレイ伯爵、トビアス・スペンロウだ。君を妻に迎える」
ヒストリカルの人気作家アニー・バロウズが、またも舞台喜劇を彷彿とさせるような傑作を描きました! ハンサムだが頑固で不器用なヒーローと、弟妹の世話に明け暮れ、結婚を諦めていたヒロイン。そんな二人の結婚生活は、もちろん順風満帆にはいかず……?