小説むすび | 憎まれても君が欲しくて

憎まれても君が欲しくて

憎まれても君が欲しくて

ヴァレンティーナは、幼いころからずっと、兄の親友でシチリア名家の御曹司、ジオ・コレッティに夢中だった。彼の所有する馬から落ちた兄が、不慮の死を遂げるまでは…。ジオへの愛と、兄を失った深い悲しみに引き裂かれ、心のやり場を失くしたヴァレンティーナは、ひたすらジオを憎悪した。7年後。ヴァレンティーナはコレッティ家主催のパーティーで、年齢を重ね、いちだんとゴージャスさを増したジオと再会する。「あなたの顔なんか見たくもないわ!」震える声で突き放したが、ジオはふたりの間に飛び散る火花を見て見ぬふりはしなかった。「ぼくに惹かれる自分を恨むな。憎むなら、ぼくを憎め」そう言うと、ジオはヴァレンティーナに激しく口づけた。豪華作家競作8部作。第3話。最愛の人の死を境に、互いへの想いを封じたふたり。思いがけず再会したあとの、切なく狂おしい愛の軌跡。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP