著者 : 山本翔子
スカーレットは今月も妊娠していないことを知り、涙に暮れていた。30歳をとうに過ぎても運命の人には巡り会えず、せめて子供が欲しくて人工授精を受け続けているところなのだ。でも、今日は海外から戻る幼なじみのジョンの家でのパーティがある。みんなの前ではせいぜい明るくふるまわなくては。気を取り直し、ジョンを迎えに行ったスカーレットは、久々に会う彼のあまりにすてきな姿に驚いた。彼にいじめられてばかりいた昔が嘘のよう……。今や感じよく話も聞いてくれるジョンに、つい口を滑らせてしまうと、スカーレットは彼の口から出た言葉にさらに驚いた。「僕が君の子供の父親になろう。ただし人工授精ではなく」■セクシーなストーリーと純粋でかわいいヒロインを描くのが得意なミランダ・リーの久々の新作をお届けします。好きなのになかなか素直になれない二人の恋はどうなるのでしょうか。
家政婦の娘はシンデレラになれない。 たとえ、王子様の子を宿しても。 貧しい家族の窮地を救うため、ポピーは夢をあきらめて、 母の奉公先の領主館で家政婦として働いていた。 だがある日、金目当てに母が領主館の醜聞を売り、 激怒した主のガエタノから、即刻立ち退きを命じられる。 ポピーは初恋の彼に許しを請うが、取りつく島もなかった。 すると翌日、ガエタノに呼び出され奇妙な要求を突きつけられる。 「きみの家族を救う代わりに、ぼくの偽の花嫁になるんだ」 そんな……。でも、これは期限付き。長くは続かない。 ポピーはやむにやまれずうなずくが、新婚初夜に純潔を捧げ……。 言わずと知れたハーレクイン・ロマンスの最重鎮リン・グレアムの作品をお贈りします。さえない容姿が原因で、御曹司ガエタノに淡い初恋の想いを打ち砕かれた過去を持つポピー。いま、美しく成長した醜いあひるの子を前にし、求婚してきたガエタノの思惑は……。
どんなに大金を積まれても、息子は渡せない! 断れば、愛なき結婚に甘んじるほかなく……。 誕生日の夜、コルテスと名乗る黒髪の男性にひと目で惹かれ、 純潔を捧げたエリン。だが翌朝、彼は消えていた。 1年後、養父が亡くなり無一文になったエリンのもとに、 コルテスが現れ、裕福なスペインの銀行家だと明かす。 黒髪に黒い目、そして瞳には金色の斑点ーー 彼が消えたあと、必死に産み育ててきた息子ハリーと同じ。 「あなたの子よ」溢れる想いとともに告げたエリンの言葉を、 コルテスは信じないばかりか、彼女を金目当てと決めつけた。 だが後日、DNA鑑定でハリーが我が子だと知るや彼は言った。 「1000万ポンドで、息子の監護権を買いたい」 大人気のシークレットベビー物語をお贈りします。USAトゥデイのベストセラー作家シャンテル・ショーが描く、無垢なヒロインの恋心を翻弄する傲慢なスペイン富豪ヒーローが登場する今作は、大スター作家ダイアナ・パーマー好きなあなたに特におすすめです!
これは一夜かぎりの夢ーー明日になれば、 愛しいボスはまた、氷の仮面をつける。 大切な書類を忘れるなんて、ボスらしくないわ。 ルーカスの忠実な秘書エマは不思議に思いながら、 吹雪のなか、ボスが滞在する古城へと車を走らせた。 だが、そこにはアルコールに溺れる彼の姿があった。 「すぐにここから出ていけ」罵声を浴びて胸騒ぎを覚えた。 そういえば、去年の同じ日もボスはオフィスで泥酔して……。 これは偶然なの? それとも何か理由があってのこと? エマは放っておけなくなり、彼に付き添うことに決めた。 ボスと秘書ーーその一線を越えることになるとは夢にも思わず。 スター作家サラ・モーガンのボス&秘書もの! 幼い弟を育てるヒロインはボスへの想いを隠してきましたが、ある夜、ボスの傲慢な仮面が剥がれて……? 品位あるロマンスが得意な大スター作家、レベッカ・ウインターズが好きなあなたに特におすすめします。
愛の一夜が明けた朝、絶望のどん底へ。 授かった命だけが、わたしの宝物……。 知らなかった、彼に婚約者がいたなんて……。 ずっと憧れていたベンと結ばれ、幸せいっぱいで迎えた朝、 リリーは彼が別の女性と婚約したという記事を読んで愕然とした。 由緒ある領主館の跡取りベンと、使用人の娘のわたし。 もともと叶わぬ恋だったのだ……。 リリーは彼がまだ眠っている間に、部屋から逃げだした。 そして3年後。国外にいたリリーの前に、突然ベンが現れた。 「ぼくたちの娘をほったらかしてバカンスか?」 なぜ娘の存在を? 父親の名前を誰にも告げずに産み育ててきたのに! まさか、わたしの最愛の娘を奪いに? リリーは恐怖に凍りついた。 恋い焦がれたベンと結ばれて幸せの絶頂を極めた直後、絶望のどん底に突き落とされたリリー。ベンに妊娠を告げなかったのは、彼が子供はいらないという考えだと雑誌で知ったからでした。けれども、ベンは秘密にしていた彼女を責め、今後は娘に関わると宣言し……。
大富豪の彼は知りもしない。 私がまだ清純なままだと。 「弟を破滅させた君と、僕は結婚しようと考えている」 義兄クルスの蔑むような眼差しに、トリニティは凍りついた。 2年前、スペイン大富豪クルスのメイドだったトリニティは、 彼の弟リオから息子たちの世話をしてくれと頼まれた。 母のない双子があまりにも哀れでリオと名ばかりの結婚をしたが、 いま奔放な夫は急逝し、彼女が子供たちの後見人に指名された。 クルスは信じているーー悪女の私が弟をたぶらかして死なせたと! 愛する双子を奪われたくない一心で、彼女はクルスの言葉に従った。 乱れる胸の奥で、いまだにうずく彼への想いをもてあましながら。 双子もクルスも愛するがゆえ、果てしない苦しみを背負ったトリニティ。スペインの古城で積年の想いが溢れ出し、ついにクルスと夢の一夜を過ごしたものの……。数奇な運命に弄ばれた孤独なヒロインの初恋を甘美に描いたアビー・グリーンの名作をお見逃しなく!
もしも夫を愛してしまったら、 偽りの妻は去るしかない。 亡父の借金のせいでギャングに追われているクレアは、 女性の噂が絶えない大富豪デーヴの豪華クルーザーに逃げこみ、 彼のキャビンのクローゼットに身を隠した。 数時間後、眠りこんでしまったクレアは、激怒したデーヴに 叩き起こされ、追いだされそうになって、涙ながらに懇願した。 見捨てられたら、お金だけでなく命の危険もあるのだ、と。 考えを巡らせたデーヴが持ちかけたのは契約結婚だった。 「きみの安全は保障され、僕は放蕩者の汚名を返上できる」 彼を愛さなければ問題ないはず。だがなぜかクレアの心は揺れた。 話題作の続くタラ・パミーが渾身の情熱で描く、契約結婚から始まるスリリングなロマンス! プレイボーイで知られるヒーローの思いがけない素顔を知り、どんどん惹かれていくヒロイン。しかし無情にも結婚契約の期限は刻一刻と近づいてきて……。
このシチリアの古城で何度抱かれても、 彼の優しさにまやかしを感じるのはなぜ? 認知症を患う祖父の世話に明け暮れていた図書館司書のアナは、 突如一大スキャンダルに巻きこまれ、警察へ連れていかれた。 祖父は希代の詐欺師で、アナも容疑者の一人だという。 だがなぜか急に帰宅を許され、外に出るとソレンが待っていた。 美貌の大企業CEOで、昨日祖父の療養室で会ったばかりだった。 「きみを助けたい。シチリアのぼくの家を隠れ家にすればいい」 隠れる必要なんかないわ! 祖父もわたしも無実なのだから。 一度は断ったが、アナはマスコミに怯え、厚意にすがった。 ソレンの美しいブルーの瞳に宿る、暗い陰に気づきもせずーー。 嵐の夜、舞踏室でソレンと結ばれたアナ。なのに、身も心も捧げ尽くしたあと、この世で唯一の味方と思っていた恋人が、亡父の無念をはらすために近づいてきたと知って……。シチリアを舞台に、魅惑の傲慢ラテンヒーローを描くのは、鬼才キム・ローレンス!
あなたがすべてを思い出したとき、 わたしの恋は終わってしまうの? ジョセリンは父に言われるがまま、金の瞳の美貌のイタリア富豪 チェンツォと結婚した。そして彼の所有するシチリアの古城で 衝撃的な話を聞かされる。 「きみと結婚したのは、きみの父親に仕返しするためだ」 夫はわたしを手籠めにするつもり? だが城に着いたその日に、 チェンツォは石段を踏み外して頭を打ち、記憶喪失に陥る。 これは天の恵みよ。ジョセリンはいたずら心から彼に告げた。 「チェンツォ、あなたはわたしが雇った“召使い”なの」 かくして、彼女と大富豪の花婿との奇妙な結婚生活は始まった。 やがてヒーローは“奥様”が気になりだして、こんなところに彼女を放っておく“夫”とはどんな男なのか? 身分の壁を越えて奥様を手に入れたいと思うようになり……。ユニークな設定で読者を虜にする、大人気作家ケイトリン・クルーズの筆が冴える1作です!
夫にとって“本物の結婚”は、 愛はなくてもベッドを共にすること。 アレクシスには、1年前から形だけの夫がいた。 上司である弁護士クリストスの願いで契約結婚に応じたのだ。 彼が祖父の財産を相続するための事務的な結婚だったが、 二人はある夜、ふとしたきっかけで熱く体を重ねてしまう。 互いに過ちと認めて結婚を続けることにするも、アレクシスは、 あの情熱を忘れられないのは私だけなのかと苦しむ。 そんな折、祖父に結婚が本物だと証明する必要に迫られる。 祖父の前では熱々の夫婦を演じ、寝室ではよそよそしい夫が、 ふいに彼女に言った。「この結婚を、本当のものにしないか?」 愛なのか、欲望なのか……互いに悶々とするヒーローとヒロインの心の内を鮮やかに描き出して魅せる人気実力派作家マヤ・ブレイク。心に傷を持つ二人は、書類上の結婚から、夫婦として夜を共にする結婚へと駒を進めますが、愛を認めることだけはできなくて……。
2500分の1の奇跡で生まれた赤ちゃん── 何があっても、この子だけは守りたい。 ある日猛烈な腹痛に襲われ、病院に運びこまれたジョージーは、 そこで初めて妊娠していると知らされ、そのまま男児を産んだ。 我が子と対面しても、彼女はただただ呆然とするばかりだった。 毎日仕事漬けだった私に、こんな奇跡が起こるなんて……。 だが、体調を崩し、会社から解雇されてしまったジョージーは たちまち困窮する。もう頼れるのはフィンしかいない── たった一度だけ熱い夜を共にした、この子の父親である大富豪。 病み上がりの体で彼を捜しだし、すべてを打ち明けた彼女に、 フィンは冷たく言い放った。「僕の子だって? ありえない」 もしもある日突然、心構えもなく赤ちゃんを産み、母親になったとしたら……。医学的には2500人に1人の割合で起こると言われている奇跡的な妊娠・出産を迎えたヒロインのドラマティックなロマンスです。ルーシー・キングの鮮烈なデビュー作をお楽しみください。
ある日裁判所から届いた召喚状を読み、貧しいマヤは驚愕した。借金をすぐに清算しなければ、家が没収されるという。両親の代理で出向いたマヤに、債権者の富豪ラッファエーレは、彫刻のように美しい顔で驚くべき解決策を持ちかける。「ぼくと結婚して後継ぎをもうければ、借金は棒引きにする」見知らぬ人と愛のない結婚をして子供を産むなんて、無理よ!でも断れば、障害のある弟をはじめ、一家は路頭に迷う…。悩んだ末、両親に高給の仕事が見つかったと嘘をつき、マヤは偽りの花嫁になるために、イタリアへと旅立った。大スター作家リン・グレアムが描く、胸に響く珠玉のシンデレラロマンス。一見、傲慢で冷酷に見えたヒーローの隠された優しさに気づき、しだいに心惹かれていくヒロイン。待望の妊娠がわかったとき、喜びと同時に悲しみも湧きあがり…。
わたしは名ばかりの海運王の花嫁。 ナニー兼愛人だとは、誰にも言えない。 ギリシア富豪ドラコンの突然の来訪に、ルーシーは驚いた。 彼の別荘で夢のような3日間を楽しみ、純潔を捧げたものの、 その後いっさいの連絡が途絶え、遊びだったと諦めていたのだ。 「ぼくと結婚して、兄の遺児の母親になってくれないか」 ルーシーは耳を疑った。なぜわたしなの? 彼が求めているのは妻ではなく、無償の愛を注ぐナニーだった。 その点、元助産師のルーシーはうってつけだという。 愛のない結婚なんていや。でも家族を持つという夢は叶う……。 病気で子を望めぬ体であることを隠し、彼女は求婚を受け入れた。 大人気作家S・ケンドリックがクリスマスに贈る、珠玉の感動作!愛されていないと知りながら、憧れの人と、その甥の赤ちゃんと家族になりたくて、クリスマスに花嫁となったヒロイン。彼への想いは日に日につのり、やがて抑えきれなくなった彼女は……。
籠の外に羽ばたいて、 あなたの胸に飛びこめたなら……。 パーティで出会った男性ルークと夢のような一夜を共にした翌朝、 ターリアは父の会社が破綻し、父本人も失踪したと知った。 屋敷を追われ、病弱の母を連れてようやく別荘に身を寄せるが、 そこもすでにギリシア富豪の手にわたっていた。 しばらくの間でいい、ここで母をゆっくり休ませてあげたい。 直談判するため、富豪を訪ねたターリアは仰天した。 ルーク! まさか彼が父を破滅させた張本人だったなんて……。 「2週間、僕と一緒にカリブに行くなら、別荘に住まわせてやる」 あの夜とは別人のような冷たい要求に、彼女は頷くしかなかった。 ジュリア・ジェイムズらしい、母親思いの純粋で愛らしいヒロインから目が離せません! その癒しのパワーが冷酷なヒーローを変えていきます。なお、今作の邦題はハーレクイン公式ツイッターの一般投票で第1位に輝いたものを採用させていただきました。
わたしは文字どおり彼に囚われた。 この身も運命も、そして心も。 愛に恵まれず、かつて路上生活をしていたナタリーは、 里親の元にいる弟を引き取るため、必死にお金を貯める日々。 そんなとき、知り合ったセクシーなイタリアのIT企業社長、 マッシモ・ブルネッティに彼の恋人役を演じてほしいと言われる。 破格の報酬額を聞いて、承諾したナタリーは、別世界のように 豪奢で美しいコモ湖畔のマッシモの邸宅へいざなわれた。 パーティ会場に集う人々の注目のなか、婚約者と紹介され、 マッシモに熱く唇を奪われてしまうーー彼にとっては遊びのキス。 でもナタリーにとって、それは初めてのキスで……。 祖母の勧める相手との結婚を断る口実にしたくて、出会ったばかりのヒロインを誘拐同然に連れ去ったヒーロー。人気急上昇中のT・パミーがハラハラどきどきの設定でミラノの富豪たちの恋を描く〈ブルネッティ家の恋模様〉です。2話目もお楽しみに!
偽のシンデレラでもかまわない。 あなたのそばにいられるなら……。 ある嵐の夜、苦学生のアリーは仕事で訪問した豪邸で、 思いがけず初恋の人ドミニクと再会した。 長年秘めてきた想いが溢れだし、アリーは誘惑されるまま 純潔を捧げてしまうが、翌朝、すべては彼の計略だったと知る。 「半年間ぼくと結婚してほしい。仕事上、“妻”が必要なんだ」 学費は肩代わりしてくれるという。何より、短い間だけれど、 ドミニクと一緒に過ごせる──愚かにも、アリーはうなずいた。 数日後、簡素な式が執り行われ、新婚生活が始まるが、 あの甘い一夜が嘘のようにドミニクは冷淡になって……。 人気急上昇中のハイディ・ライスが描く、せつないシンデレラ・ロマンスをお楽しみください。富豪となった初恋の人と12年ぶりに再会して結ばれ、プロポーズを受けて幸せに酔いしれるヒロイン。皮肉にも、愛なき結婚から本物の愛を知ることになります。
シングルマザーのクリスティンは、これ以上ないほど困窮していた。 働きづめのせいで、3歳の息子ニコから笑顔も消えてしまった。 もうどうしようもない。私のプライドなど捨てて、 ニコの父親に会いに行き、あなたには息子がいると伝えよう。 かつての恋人、シチリアの大富豪セルジオは子どもを望まなかったが、 すこしの間だけでもいい、息子への援助をお願いしなければ……。 けれどそう決意した矢先、新聞でセルジオが婚約間近だと知る。 いてもたってもいられず、彼女は婚約発表のパーティ会場に駆けつけた。 彼は伯爵令嬢と結婚しようとしているーー息子の存在も知らないまま。 クリスティンは、思わずセルジオに駆け寄っていた。 なんとかセルジオと話すことができたクリスティンでしたが、あの頃よりさらに魅力を増した彼に翻弄され、再び身を任せてしまいます。息子の存在を知った彼は、便宜的に結婚しようと言いだしますが、そこに愛がないのは明らかで……。
王子の子を産んでも、妻にはなれない。 名もなき庶民の私は。 イギリスの片田舎でひっそりと暮らすジャスミンのもとに、 かつて恋仲にあった砂漠の王子ズハールが突然現れた。 2年前、身分違いを理由に私を追い払った人が今さらなぜ? 訝りながらも、秘密を抱えている彼女は内心びくびくしていた。 そのときだ。奥で赤ん坊──ズハールの息子が泣きだしたのは。 ジャスミンを愛人のように弄ぶつもりだった彼は驚き、 妊娠も、出産していたことも知らせなかったと激高する。 「この子は王家の血を引く王子として、我が国で育てる」 息子を奪わないで! ジャスミンは狼狽し、許しを乞うが……。 リン・グレアム作品がお好きな方は必読! 傲慢でセクシーなヒーローと、純粋なヒロインが織りなすドラマティックなロマンスを描き続けるスター作家、シャロン・ケンドリックの登場です。ひとりで産み育ててきた我が子のためにヒロインが下した決断とは?
きみを守ると言いながら、彼は奪った。 わたしの心も純潔も夢も。 空虚な船上パーティーの翌朝、頭痛に苦しむアリアンナの前に 驚くほど傲慢でセクシーなイタリア人男性が現れた。 「ぼくはサンティノ・ヴァザーリ。あなたの新しい護衛です」 また父が、厄介者の愚かな娘の監視役を雇ったのねーー ようやく父の愛を諦め、自立への一歩を踏み出したところなのに。 アリアンナは辟易したが、誘拐されかけたところを助けられ、 シチリアに逃れて寝食を共にするうち、サンティノに恋心を抱く。 だが、そのときのアリアンナには知るよしもなかった。 彼が人を愛することなどできない、冷徹な大富豪だということを。 父をふり向かせたい一心で社交界の花となり、“世界で最も恵まれ、最も価値のない娘”と呼ばれるようになったアリアンナ。サンティノもまた彼女の素顔を見ようとせず、心ない誘惑のゲームを仕掛けてきて……。愛を知らない哀しき乙女の、切なくも鮮烈な初恋物語。