十二時の鐘が鳴っても
大富豪との期限付きの結婚。
不安はただ一つーー彼を愛してしまうこと。
ロザリーは、清掃員をしながら病弱な母との生活を支えてきた。
ところが母亡きあと、サンドロスと名乗る魅惑的な男性が現れ、
故国ギリシアで成功した彼女の父親に頼まれ迎えに来たと告げた。
驚きと喜びに舞いあがるロザリー。だが、初めて対面した父親は
娘を温かく抱擁することもなく、サンドロスと結婚しろと命じた。
彼の名家の血が欲しいからと。打ちのめされるロザリーだったが、
父親の会社との合併を望むサンドロスは便宜結婚を提案してきた。
半年だけ結婚すれば、離婚時に相応の手当を出す、と。
ロザリーは抗えなかった。すでに彼に心を奪われていたから。
ジュリア・ジェイムズによる切ないシンデレラ・ストーリーです。結婚すれば、極貧にあえぐ生活から抜け出せるーー。でも、それはロザリーが便宜結婚を承諾した理由ではありませんでした。お金や同情ではなく、愛を求めたロザリーの願いは叶うのでしょうか。