小説むすび | 幸せの記憶

幸せの記憶

幸せの記憶

幼くして父親を亡くし母と二人暮らしのエミリーは、年上の隣人、セバスチャンのことをずっと慕っていた。やがて、病に倒れ余命幾ばくもない母の願いで、エミリーは16歳のとき彼と婚約し、初恋を実らせたかに見えたーセバスチャンが別の女性を愛していると知るまでは。ほかの男性と結婚しようとするその人を彼が必死で止めるのを、偶然にも立ち聞きしてしまったのだった。ショックを受けつつも、彼のためを思うなら自分が譲るほかないと考え、彼女は断腸の思いで婚約解消を申し出た。それから5年。エミリーの前に、男爵となったセバスチャンが現れる。

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