幸せの記憶
幼くして父親を亡くし母と二人暮らしのエミリーは、年上の隣人、セバスチャンのことをずっと慕っていた。やがて、病に倒れ余命幾ばくもない母の願いで、エミリーは16歳のとき彼と婚約し、初恋を実らせたかに見えたーセバスチャンが別の女性を愛していると知るまでは。ほかの男性と結婚しようとするその人を彼が必死で止めるのを、偶然にも立ち聞きしてしまったのだった。ショックを受けつつも、彼のためを思うなら自分が譲るほかないと考え、彼女は断腸の思いで婚約解消を申し出た。それから5年。エミリーの前に、男爵となったセバスチャンが現れる。
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アリデベルチ・ローマ、両親を殺され、財産を横取りされた薄幸の少女は失意の中でローマを去る。四年後、復讐心を胸に、街に戻った彼女を待っていたのは予想もしていなかった事態だった。“王女”なるが故の過酷な運命。パリで、ニューヨークで、サンフランシスコで、美貌が巻き起こす魔法の出来事。意外な展開の連続に、九百ページがあっという間に過ぎて行く。 1996/06/01 発売