小説むすび | ギリシアの小さな奇跡

ギリシアの小さな奇跡

ギリシアの小さな奇跡

“妊娠”を示す検査薬の結果を見て、ステファニーは呆然とした。相手は、3カ月前に旅先で出逢った、カリスマ性漂う男性ーたちまち彼の虜になり、生涯忘れられない一夜を経験した。だが翌日、別れのメッセージを残し、彼は忽然と消を消したのだった。父親を知らずに育った彼女は、わが子に同じ思いをさせたくなかった。あらゆる手を尽くし、ギリシアの地でようやく再会を果たすが、そこにいた彼は、まるでステファニーの知る彼ではなかった。彼女が愛した男の正体は、富豪一族の御曹司、ニコス・ヴァサロス。驚きも冷めやらぬなか、辛辣な言葉がステファニーの胸に突き刺さった。「金持ちと寝て妊娠するのが狙いだったのか?」。

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