孤高の不良公爵
幻ではない。目の前にいるのは、本当にジオだわ!酔っぱらいに襲われたイシーを助けてくれたのは、たしかにあのジオージョバンニ・ハミルトンだった。子供のころ、イシーの母が家政婦をしていた公爵家の御曹司だ。高貴でありながら、不良っぽい陰のある彼はイシーを夢中にさせたが、17歳の誕生日の夜、幼い恋心は粉々に打ち砕かれた。君の純潔など重たいだけだと、冷たく拒まれてしまったのだ。再会に戸惑う彼女を、彼は10年前よりセクシーになった瞳で見つめた。「大人になったな、イシー。そろそろ仲直りしないか?」そう言うと、彼は口もきけずに立ちすくむイシーの唇をふさいだ。