アラビアンナイトの誘惑
藁にまみれた貧しい厩務員が、
ある日突然、王妃になるなんて……。
恋人に裏切られ、深く傷ついたマギーは、
冷たい雨の中をずぶ濡れでさまよっていた。
ふと気づくと高級車が傍らに近づき、カリードと名乗る
目も覚めるようなハンサムな男性が声をかけてきた。
マギーはその黒い瞳に射貫かれ、彼の滞在する屋敷へ同行し、
温かいもてなしのあとで、あろうことかベッドを共にしてしまう。
同情を愛と勘違いするなんて……。恥じたマギーは姿を消した。
1カ月後、カリードが異国の王だと知った彼女は愕然とした。
じつは彼女のおなかには彼の世継ぎが宿っていたのだ!
だが、待ちわびたカリードの求婚に、あの日の情熱はなくて……。
夫が今もなお、亡き前妻に想いを残していることを知り、行き場のない孤独に苦悩したヒロインは……。大スター作家レベッカ・ウインターズの系譜を受け継ぐ作家のひとり、スター作家アニー・ウエストが描く、胸に迫るエキゾティック・ロマンスです。