アメリカの悲劇(下)
「おれはほんとに救われたのだろうか。人生ってこんなにもあっけないものなのか」
実際の事件をもとに、ドライサーが描き出した〈ゆがんだ社会構造〉と〈人間のこころの弱さ〉。刊行から100年が経つ今、快楽を追い求め倫理を失いゆく青年の物語は、わたしたちに何を語りかけるのか。
資本主義社会の欺瞞を描く、不朽の名作
(あらすじ)
ついにロバータが湖で溺死した。
上流階級のソンドラとの恋とその名声に目がくらみ、意図せずとはいえ女工ロバータを見殺しにした、青年クラウド。事件発覚を契機に、水面下では政治、メディア、法廷が動き出す。そして、ついにその審判の時がきたーー
実際におきた事件をモデルに、近代アメリカ社会の闇を克明に描き出す、アメリカ自然主義文学の先駆的傑作。
第二部(続き)
第三部
訳者あとがき