小説むすび | マナリング将校物語(1)

マナリング将校物語(1)

マナリング将校物語(1)

マーサズ・ビンヤード島で生まれたエドワード・マナリングは、この島に生を亨けた者のならわしどおり船乗りとなった。今はマサチューセッツ州議会所属の沿岸航路定期船アシーナ号の船長をしている。そこに“ジェンキンズの耳の戦争”という奇妙な名前の戦争が勃発した。乗組員はそのままに、アシーナ号はイギリス海軍の購入するところとなり、マナリングは正規のイギリス海軍将校となった。アシーナ号はただちにジャマイカ島南岸の、カリブ海のイギリス海軍の基地ポート・ロイアルに向かった。1739年10月のことである。泊地にはすでに戦列艦が勢揃いしていたル

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