マ-カム家の海の物語(7)
すべての帆を揚げて走りに走り、ファビアンはついにニューオーリンズにたどりついた。この地の司令官パターソンは、階級は下だが思慮深く、現地の事情に精通していた。信頼できる男だ、ファビアンはこの男と協力してイギリス軍を要撃しようと思った。力強い味方がもう一人いた。いとこのギデオンである。一方つらい役目もあった-。
関連小説
マ-カム家の海の物語(6)マ-カム家の海の物語(6)
1812年10月25日、ディケーター艦長の指揮する合衆国フリゲート艦ユナイテッド・ステーツ号はイギリスのフリゲート艦マシドニアン号を激戦の末、捕獲した。その功績でファビアン・マーカム1席将校はブリッグ艦の将校艦長に昇進する。イクスペリメント号艦長ファビアンにあたえられた命令は大西洋岸をセント・ローレンス湾まで巡航し、敵の私掠船を捕獲あるいは破壊してアメリカ商船を保護せよというものであった。その作戦に従事していたある日、イクスペリメント号はバナナの皮などのごみが数海里の幅に広がって流れていくのにぶつかった。大船団がとおった跡だ。ファビアンは追跡を決意する。 1991/06/01 発売