小説むすび | 【POD】ある時はスティルナー、ある時はポー、またある時は島崎藤村

【POD】ある時はスティルナー、ある時はポー、またある時は島崎藤村

【POD】ある時はスティルナー、ある時はポー、またある時は島崎藤村

「あるときは片目の運転手、あるときはマドロス、またあるときはインドの魔術師・・・・・・」という片岡千恵蔵演ずる多羅尾伴内の名セリフのように、私はある時は【唯一者とその所有】をマックス・スティルナーの、ある時は【アッシャー家の崩壊】、【ウィリアム・ウィルソン】をエドガー・アラン・ポーの、またある時は【夜明け前】を島崎藤村の身になって考えてみた。
 スティルナーとポーは横浜市立大学教養部の頃、出遭った。島崎藤村との出会いはずっと後のことである。三者は直接的な関連性は持っていないが、私の読書遍歴の中で強烈な印象を与えた、哲学者、怪奇小説作家、小説家であり、今以て彼らの作品は私の脳裡に巣くっている。私は精神病理学を基盤として三者を即興的に絡ませることで、何か新しい世界が拓けるのではないかと試みた訳である。

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