フラッシュ
19世紀の英国詩人エリザベス・バレット・ブラウニングの日常模様が、愛犬フラッシュの目を通して語られる、ユーモア溢れる伝記小説。英国版「吾輩は犬である」。
ヴァージニア・ウルフが飼い犬に寄せたエッセイ「忠実なる友について」、エリザベス・バレットの詩「わが忠犬、フラッシュに寄す」も収録。
第一章 スリー・マイル・クロス村
第二章 奥の寝室
第三章 覆面の男
第四章 ホワイトチャペル
第五章 イタリア
第六章 最期
原註
典拠
附録 ヴァージニア・ウルフ「忠実なる友について」
エリザベス・バレット「わが忠犬、フラッシュに寄す」
ヴァージニア・ウルフ[1882–1941]年譜
エリザベス・バレット・ブラウニング[1806–61]年譜
訳者解題
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フラッシュフラッシュ
犬と彼女。よく似たふたりーー イングランド南部の村で生まれた由緒正しきコッカー・スパニエルのフラッシュは、著名な女性詩人エリザベス・バレットへの贈り物として、ロンドンへやってきた。病弱でひきこもりがちな主人の家で、やんちゃで自由を愛する犬フラッシュは少しずつ都会の生活になじんでいくが、やがてエリザベスの前にひとりの男が現れる。年下の詩人ロバート・ブラウニングとの恋愛、家庭における父親の支配、突如降りかかった犬泥棒事件とスラム街訪問、イタリアへの駆け落ち……。犬の目を通して、19世紀英国の詩人エリザベス・バレット・ブラウニングの日常と冒険を温かいユーモアと時に辛辣なウィットをこめて描いた、モダニズム作家ウルフの愛すべき小品。「犬好きによって書かれた本というより、むしろ犬になりたいと思う人によって書かれた本」。実姉ヴァネッサ・ベルの挿絵を収録。 2020/06/09 発売