宰相の象の物語
旧ユーゴスラヴィアを代表する作家イヴォ・アンドリッチの作品集。
表題作「宰相の象の物語」は、権力者の横暴を耐え忍び、それに抵抗する民衆の姿を描いた中編。恐怖政治を布く強大な権力者が、ふとした気まぐれから一頭の仔象を飼いはじめる。街中を無邪気に暴れまわる象は、人々の憎悪を集めーー
ほかに、アンドリッチが自らの「小祖国」ボスニアを舞台に紡いだ3作品、「シナンの僧院に死す」「絨毯」「アニカの時代」を収録。
宰相の象の物語
シナンの僧院に死す
絨毯
アニカの時代
解説 イヴォ・アンドリッチ─作家と作品─ (栗原成郎)