《ドラキュラ紀元》われはドラキュラーージョニー・アルカード(上)
実在・架空の人物・事件が入り乱れて展開する、壮大な物語!
《ドラキュラ紀元》シリーズ完全版第4弾、本邦初訳の中短編集!
時は70年代、コッポラがマーロン・ブランドを迎えて、
ブラム・ストーカーの“歴史改変”小説『吸血鬼ドラキュラ』を映画化しようとしていたーー
ドラキュラにより転化した少年、ジョニーが、コッポラやウォーホルらと繰り広げる、めくるめく物語!
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貢ぎ物として送り出され、
ドラキュラにより転化された少年、イオン。
コッポラの映画『ドラキュラ』のルーマニア撮影現場において
彼はケイトに、ジョンと名を変えてアメリカ人となる野心を語る。
「アメリカは若い国で、生命にあふれてるじゃないか。血だって新しいし。
あそこに行けば、なんだって自分の選んだものになれるんだ。
ヴァンパイアが生きていける国ってアメリカだけだろ」
ドラキュラが実在し支配力をふるった世界において
“歴史改変”映画『ドラキュラ』制作の行方は?
そしてその渦中でジョニーは何を企むのかーー?
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◎目次
プロローグ 契約ーードラキュラ紀元 一九四四
第一部 コッポラのドラキュラーードラキュラ紀元 一九七六ー七七
インタールード 砂漠の城ーードラキュラ紀元 一九七七
第二部 アンディ・ウォーホルのドラキュラーードラキュラ紀元 一九七八ー七九
インタールード 挑みし者に勝利ありーードラキュラ紀元 一九八〇
第三部 真夜中の向こうへーードラキュラ紀元 一九八一
インタールード 愛は翼にのってーードラキュラ紀元 一九八六
訳者あとがき
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ドラキュラが支配をふるう世界を、マニアックな遊びを満載して物語った《ドラキュラ紀元》完全版シリーズ第4弾! 時はいよいよ90年代。ジョニー・アルカードのゆく末は? そしてジュヌヴィエーヴ、ケイト、ペネロピのヴァンパイア三人娘は、この時代をどう生きるのかーー ====== 本書収録の全12話を俯瞰してみたとき、 浮かびあがってくる裏テーマともいうべきものがある。 それが、「われはドラキュラ」だ。 シリーズ第1巻『ドラキュラ紀元一八八八』最後の登場シーンにおいて、 ドラキュラは、「われはドラキュラなり」と名のりをあげた。 本書においては、プロローグで、 ドラキュラはふたたび少年にむかって同じ台詞を告げている。 そしてその後も、ドラキュラ本人によるものではないけれども、 さまざま場面でこの台詞がくり返し使われている。 最後にこの言葉を口にする者はーー。 そしてその場面はーー。 (訳者あとがきより) ====== 裏設定を綴った補遺2編と、訳者による詳細な登場人物事典も収録! ◎目次 第四部 この町ではもう二度と血を吸わないーードラキュラ紀元 一九九〇 インタールード ミス・ボルティモア・クラブズーードラキュラ紀元 一九九〇 第五部 コンサート・フォー・トランシルヴァニアーードラキュラ紀元 一九九〇 インタールード ドクター・プレトリアスとミスタ・ハイドーードラキュラ紀元 一九九一 第六部 チャールズの天使たちーードラキュラ紀元 一九九一 補遺1 ドレラを滅ぼす キャスリーン・コンクリン著 補遺2 ウェルズの失われたドラキュラ ジョナサン・ゲイツ著 著者おぼえがき、および謝辞 登場人物事典 訳者あとがき 2021/08/30 発売