完全版 土地(03)
崔致修殺害事件は関わった者たちの処刑で幕を下ろした。
平穏を取り戻そうとしていた平沙里は干ばつに襲われ、崔参判家の財産を狙う没落両班の趙俊九は妻子を連れて乗り込んできた。
災厄は続く。コレラの流行が多くの死者を出し、参判家の跡取り娘・西姫は後ろ盾となる人々を失った。翌年には麦が大凶作となり、趙俊九はこの機に乗じて参判家の実権を握るべく卑劣な手段で攻勢に出た。幼いながらも西姫は当主として果敢に立ち向かい、寿童、吉祥、鳳順、俊九に反発する一部の農民と共に、大胆な反撃に出た。誇り高き西姫の戦いがここから始まる。
第一部 第三篇 終わりと芽生え
十一章 救われた魂
十二章 荷車に乗った少年
十三章 レンギョウを摘んで
十四章 斜陽の挽歌
十五章 帰ってきた任の母
十六章 李府使家の坊ちゃん
十七章 西姫の外出
十八章 襲撃
十九章 欲情のいけにえ
二十章 金書房の女房
二十一章 底なし沼
第四篇 疫病と凶作
一章 ソウルから来た客たち
二章 発病
三章 私刑
四章 至る所に死に神が
五章 生と死
六章 ポソンを照らす日差し
七章 酒幕で会った老人
八章 帰郷
九章 世論
十章 浮雲のような幸福
十一章 牛観の下山
十二章 騒動
十三章 凶作
十四章 生ける屍しかばね
十五章 わが友、カラスよ
訳注
崔参判邸の見取り図
訳者解説
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崔参判家の実権を握った趙俊九は、法外な小作料を取り立てるなど、その横暴さは目に余るものとなった。日露戦争に勝利した日本が朝鮮の主権を侵食し、日本の有力者につながる俊九の勢いは増すばかりだ。 崔参判家の跡取り娘の西姫は、俊九に反撃できない鬱憤から吉祥、鳳順にしばしば八つ当たりする。 鳳順は吉祥への思いを募らせるが、吉祥はその思いを受け入れられない。幼い頃から固い絆で結ばれていた三人の間には、微妙な亀裂が広がる。 祖国存亡の危機に重なる西姫の窮状に、彼女を支えてきた人たちは俊九に反旗を翻した。追われる身となった彼らと共に、西姫は新天地を目指す覚悟を決める。 第一部 第四篇 疫病と凶作 十六章 情が多過ぎても狂うのだろうか 十七章 愚かな反骨と邪悪な理性 十八章 蟷螂の斧だと言っていたけれど 十九章 酒宴の風景 二十章 旅立つ人々 第一部 第五篇 去る者、残る者 一章 黄泉の三途の川 二章 花靴 三章 脚の取れたたんす 四章 乱行 五章 過客 六章 乙巳保護条約 七章 日陰に差す日光 八章 春の草と冬の木 九章 乞食が伝えた言葉 十章 往年の東学将軍 十一章 対面 十二章 あばら屋の歌い手 十三章 夜に泣く女 十四章 帰ってきた潤保 十五章 義挙 十六章 悪は悪を忌避する 十七章 かすかな希望がぶらんこに乗る 十八章 故国の山河を捨てる人たち 訳注 イラスト図版 崔参判邸の見取り図 訳者解説 監修、訳者略歴 2017/11/25 発売
第二部に入った物語の舞台は朝鮮から豆満江を越えた満州の地、間島(カンド)だ。 趙俊九の支配から逃れて移住した西姫(ソヒ)は、この地で商売をする月仙の叔父・孔の助力を得て財を成していた。奪われた崔参判家の土地と財産を取り戻すことだけを考える西姫と、平沙里から同行してきた吉祥、龍らの間には微妙な距離が生まれる。幼い頃から続く李相鉉との愛憎も、西姫にとっては自らを奮い立たせる力の源となった。利己的な愛ゆえに孤独感にさいなまれる西姫は結婚相手を決めようとしていたが、それすらもまた、自分の目指すところに向かうための手段でしかないのか。 第二部 第一篇 北国の風雨 一章 火災 二章 会英楼で 三章 教師の宋章煥 四章 夢 五章 寡婦 六章 黒いトゥルマギの男 七章 引っ越し 八章 走狗と売春婦 九章 新築工事 十章 廷晧の質問 十一章 夜の雨 十二章 小鳥の死 十三章 法会 十四章 過ぎたこと 十五章 帰郷 十六章 火を吹く夏の夜のチョウ 十七章 孔老人の良識 第二部 第二篇 夢の中の帰馬洞 一章 蛇は殺さねば 二章 南道の男 三章 砂ぼこり 四章 海辺で 五章 任の母の作戦 六章 情を断って行こうと 七章 労働者たち 訳注 イラスト図版 第一部のあらすじ、登場人物 平沙里の地図 訳者解説 2017/11/25 発売
<6巻あらすじ> 西姫は吉祥と結婚することを考えていた。しかし吉祥は、会寧にいる子連れの若い寡婦と結婚するつもりだと言う。真偽を確かめるため、西姫は吉祥と会寧に行ってその寡婦に会い、帰りに事故で負傷する。一方、西姫に完膚なきまでに拒絶された相鉉は朝鮮に戻り、妓生になった鳳順(紀花)と再会する。 平沙里を出た村人たちのその後は、いずれも楽ではない。九泉(環)、恵観和尚、吉祥と親しかった寛洙は独立運動に身を投じている。苦難の時代に、それぞれ自らの道を切り開こうとする人々の姿が、壮大なスケールで描かれる。 第二部 第二篇 夢の中の帰馬洞 八章 心臓を裂いて捧げましょうか 九章 九万里長天に舞う鳥よ 十章 風雲 十一章 履物は足に合わなければ 十二章 会寧訪問 十三章 流れ者 十四章 襟巻き 十五章 夢の中の帰馬洞 十六章 走狗の輩 十七章 わなにかかる 第二部 第三篇 夜に働く人々 一章 乞食坊主 二章 舟 三章 山清市場の殺人 四章 開化党の反開化論 五章 帰郷 六章 チョカニ家 七章 後家と妓生 八章 出発 九章 情炎 訳注 第一部のあらすじ・主な登場人物 訳者解説 2018/07/25 発売
<7巻あらすじ> 周囲の冷たい視線を退けて吉祥を夫にした西姫は、故郷に帰るためなら親日派と見られても平気だ。 しかし、独立運動に憧れる吉祥の気持ちが離れていくことに苦しむ。 朝鮮では九泉も関わって、東学の残党を糾合した独立運動が画策されるが、先行きは見えない。 恵観和尚は、技生・紀花となった鳳順を伴い、独立運動の現状を確かめるために間島にやってきた。懐かしい人々と再会した鳳順は、流れた歳月を思い心乱れる。 一方、吉祥は金頭洙と名乗る密偵が巨福であると確信し、ついに直接対面する。 ソウルでは趙俊九の財産を巻き上げる策略に、西姫の意を受けた龍井の孔老人も加わっていた。 第二部 第三篇 夜に働く人々 十章 男たち 十一章 元の住みか 十二章 白丁の家族 十三章 常奴に生まれて 十四章 同行 第二部 第四篇 龍井とソウル 一章 妙香山の北辺の墓 二章 夫婦 三章 襟巻きの女 四章 彼らの再会 五章 日は暮れて 六章 執念は西姫の孤独 七章 会いたかった人たち 八章 うろたえた周甲 九章 発病 十章 父と子 十一章 廃屋のごとく 十二章 夜道で 十三章 情 十四章 通り雨の恋 十五章 対面 訳注 第一部のあらすじ・主な登場人物 平沙里周辺の地図 訳者解説 2018/11/30 発売
宿敵の趙俊九を追い詰め 西姫は帰郷に向けて大きく踏み出す 波乱含みの旅たちで第二部が完結 <08巻あらすじ> 二人の息子の母親になった西姫は、穏やかさを得たようにも見えるが、内に秘める生来の激しさと誇り高さゆえに、吉祥との間の溝は埋まらない。 崔参判家奪還のため、趙俊九を丸裸にする策謀を西姫に託された孔老人は、この仕事にのめり込む。そこには九泉(環)も一枚かんでいた。 その九泉が龍井に現れ、西姫は母を奪った男の素性を知る。独立運動で重要な役割を担う九泉との再会は、吉祥にも大きな影響を与え、ある行動に導く。彼らの周辺には、密偵・金頭洙の怪しい影が見え隠れしていた。 一方、龍の息子・弘を育ててきた月仙は不治の病の床にあり、龍との長く切ない関係も終わりを告げようとしている。 第二部 第四篇 龍井とソウル 十六章 江原道の人参商 十七章 恵観の見聞 十八章 英雄の息子 第二部 第五篇 歳月を越えて 一章 荒れ果てているということ 二章 思春期 三章 貧しい人たち 四章 予感 五章 ハルビン行き 六章 最終報告 七章 きこり小屋 八章 愛 九章 餓鬼地獄 十章 訪ねてきた人 十一章 似た顔の記憶 十二章 追跡 十三章 金頭洙 十四章 老いた虎と若いオオカミ 十五章 矢のごとく 訳注 第一部のあらすじ・主な登場人物 訳者解説 2018/12/31 発売
三・一運動を経て 第三部は幕を開ける <09巻あらすじ> 朝鮮全土を覆った三・一独立運動のうねりは、日本の官憲に鎮圧されて収束したが、西姫と縁のある任明彬や、平沙里出身の錫らがデモに関連して拘束された。 晋州に居を構えた西姫は、平沙里の屋敷を取り戻すために趙俊九と対面し、目的を果たす。病に倒れた龍は、その屋敷の管理人として帰郷したが、息子の弘は抱えきれない葛藤から他人を傷つけるなど、心がすさんでいた。 平沙里で細々と暮らす金平山の次男・漢福は、寛洙の計らいで間島に向かった。そして、日本の密偵・金頭洙として暗躍する兄・巨福と再会する。頭洙はその直前、長きにわたって追い続けてきた琴女を、ついにハルビンで捕らえていた。 2019/10/25 発売
若い世代に軸を移し、物語は進行していく <10巻あらすじ> 崔参判家の屋敷を取り戻した西姫は、つらい思い出ばかりだった平沙里に、ようやく姿を現した。その秋夕の日、チャングや鉦の音は往時を思わせたものの、かつて祭の中心だった村人たちは老い、あるいは既に世を去っていた。 中学校の入学準備のため長男・環国について上京した西姫は、ソウルの街角に吉祥の面影を追い求めたが、ついに再会はかなわない。 龍は身分の差を乗り越えて、息子の弘を金訓長の孫娘と結婚させる。 妓生・紀花(鳳順)は、誰にも告げずに相鉉の子を産んでいた。 一方、任明彬の妹・明姫のように新教育を受けた「新女性」たちも自らの生き方を模索し、それぞれに思い悩んでいた。 2019/10/25 発売
独立運動への圧力は、西姫と周囲の人々にも暗い影を落とす 複雑に絡まる運命が物語を導いていく 【11巻あらすじ】 日本の官憲による執拗な独立運動弾圧は、西姫と縁のある人々をさまざまな形で窮地に追い込む。 環(九泉)は、かつての仲間に裏切られて投獄される。その壮絶な最期は、崔参判家の悲劇の終わりを意味した。 しかし、独立運動に関連して夫の吉祥も拘束されてしまう。 西姫と吉祥の長男・還国は、思春期の悩みを抱え進路の選択に迷う一方で、間島で別れたきりになっている父親に会いたいという思いを強くしている。 西姫と姉妹のように成長して妓生・紀花となった鳳順は、心身共に病んで、平沙里の崔参判家に保護されていた。 その平沙里では農民たちの間で事件が起きた。過去からつながる運命の糸があちこちで交錯する。 2019/12/28 発売
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智異山周辺で独立運動が新たな局面に入ろうとしている 吉祥の帰還で物語はどう動くのか 14巻 あらすじ 吉祥が出獄する直前、西姫は東学の流れを汲む運動の資金として新たな土地を提供した。智異山周辺での活動を再開した寛洙は官憲に居場所を知られる危険が生じ、釜山を離れる前に娘を連れてカンセの家に行く。 緒方次郎、柳仁実、趙燦夏の三人は晋州の崔参判家に吉祥を訪ねた足で、統営郊外の学校に行き、教師となった明姫に会う。悲惨な結婚生活からは逃れたものの、明姫は心の平穏を得られずもがいていた。 仁実と緒方は愛し合っていることを確信しながら、その関係に混乱するばかりだ。金持ちになったが親や本妻を粗末に扱う斗万に、父は意外な通告をする。日本で働いていたヤムはやつれきって平沙里に帰ってきた。 第四部 第二篇 帰去来 六章 誕生祝い 七章 寂寥 八章 母と子 九章 二人の女 十章 縁のない衆生 十一章 洗濯場 十二章 生き残るには 第四部 第三篇 明姫の砂漠 一章 姉妹 二章 ヤムの帰郷 三章 対面 四章 興味深い人物 五章 愛 六章 汚れなき愛国者 七章 父と娘 八章 晋州への旅 九章 儒者と農民、武士と商人 十章 明姫の砂漠 第四部 第四篇 仁実の居場所 一章 輝の葛藤 二章 初夜 訳注 訳者解説 2021/07/15 発売
韓国における女性作家の草分け 朴景利による大河小説『土地』第四部完結! 全五部・20巻のうち第四部の完結編にあたる15巻では、満州事変、上海事変、盧溝橋事件そして日中戦争へと争いが拡大していく時期(1931年〜1938年)の中国、韓国、日本を舞台に物語が進みます。 15巻 あらすじ 独立運動の資金を得るために寛洙が中心となって計画した晋州での強盗事件には、吉祥も陰で協力していた。平沙里の村人の間では、社会の変容から世代間に齟齬が生じ、家族が揺らいでいる。学校を追われて家出した寛洙の長男・栄光は、東京で進む道を模索していた。日本の傀儡政権・満州国が建国され、間島の独立運動に対する圧力も強まり、活動家たちは活路を探っている。 そんな中、一時は東京に滞在していた仁実がハルビンに姿を現した。彼女を捜し続けていた緒方次郎も、新京で職を得ていた。新京で自動車修理工場を経営する弘の元には、異父姉の任や密偵だった金頭洙が訪ねてきて、不気味な影のようにつきまとう。 第四部 第四篇 仁実の居場所 三章 強盗事件 四章 葬式の日の夜 五章 東京の仁実 六章 栄光の負傷 七章 永鎬の母の頼み 八章 牛耳里で 九章 満州事変 十章 趙容夏の自殺 十一章 養子の話 十二章 姉と弟の再会 十三章 良絃と李府使家 第四部 第五篇 悪霊 一章 自動車修理工場 二章 東盛飯店で 三章 仁実の変身 四章 老婆になった任 五章 南京虐殺 六章 日本人の時局観 七章 旅立つ馬車 訳注 訳者解説 2021/12/27 発売
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