チャン・ソク詩選集 ぬしはひとの道をゆくな
大海原で
知を詠い、人を詠う
チャン・ソクは、かつて森の若いクヌギだった炭の声で宇宙を語り、
錆びた釘とひずんだ板のかたい抱擁に自らの死を哲学し、
生の全貌にふりつもる初雪の下に〈愛〉を探す。
彼の詩を読むと、自分の詩がいつしか忘れていたものが
見えてくる。まだ間に合うだろうか。
もう一度最初から書き始めよう。
ーー四元康祐
一部 風が吹いてくる 散らばれ
二部 すべての宇宙がわたしの背後だ
三部 おいしいひとになります
四部 つぶれて踏みにじられた血の跡
五部 波はおのれの道をゆくもの
解説 紅梅の銀河にひびく人間の歌(四元康祐)
訳者あとがき
作品一覧(原著掲載順)