出版社 : あさ出版
近代イギリス長編小説の頂点とうたわれる6作品のうち、最初に出版されたもの。 理性的で感情を表に出さない姉エリナと、自分の感情に正直な妹マリアン。 それぞれが困難な恋愛に苦しみつつたどり着いた幸福への道とは。 「200年経っても色褪せない」天才作家による人間ドラマの傑作。 オースティンの作品は、すべて平凡な田舎の出来事を描いたものであり、求めた題材の範囲は非常に狭く、いずれも登場人物は名家の娘と牧師や軍人などの紳士で、この男女が紆余曲折を経てめでたく結婚して終わる。 オースティンは「田舎に3、4の家庭があれば小説にもってこいの材料だ」、と述べているが、そこでの人間の姿を徹底的に描き尽くしており、人間性の不変さを示し、心理写実主義の先駆ともされている。 一連の作品は、英文学古典の一つとして高く評価されていて、初級の講義から各国の学会での高度な研究に至るまで多くの大学でオースティンの作品が取り上げられている。 バースのゲイ・ストリートには現在、ジェーン・オースティン・センターがあり、様々な資料を展示する他、 研究・啓蒙活動が行われている。 「君の心の庭に忍耐を植えよ、その草は苦くともその実は甘い」は彼女の言葉である。 *2016年以降に流通している10ポンド紙幣の肖像画に、ジェイン・オースティンが採用されている。
人間としての自由、行動、選択とは何か。オランという市でネズミが次々に死に始め、続いて、原因不明の熱病患者が発生、人々を恐怖に陥れた。市は閉鎖、解決策はなかなか見つからない中、立ち上がった人々の物語。感染症との闘いが他人事でない今、70年前の長編小説が読まれている理由がわかる。
中流階級の次女エリザベスと、上流階級の紳士・ダーシー。格の違いによるプライドと偏見が邪魔をして、出会ったときにはお互いに反目しあった2人だが、エリザベスの知性と快活さにダーシーは惹かれていく。誤解・妨害・障害を超えて恋を成就させる過程を丁寧に描き、現在でも映画化・ドラマ化が引きもきらない人気作品。『ブリジット・ジョーンズの日記』の元ネタとなった作品としても有名。