出版社 : エンジン・ルーム
どうして母は自殺したのか?娘である著者はその謎を追い求める。子ども時代、高級ファッションブランドのモデルとして国民的なスターだった母が、成人して狂気に襲われる。どうして母は精神に異常をきたしたのかという疑問、同じ病に自分も襲われるかもしれないという不安が、その錯乱を目の当たりにした作者につねにつきまとう。母の生きた軌跡をたどると、次々と闇の部分が明らかになっていく。母の生きた軌跡を描ききることで、著者の魂は救われるのだろうか。
ドキュメンタリー映像のニュースプレゼンターとして働く夫、地方紙にパートで働く妻。ふたりには17歳の娘と8歳の息子がいた。郊外の美しい町に暮らすこの平和な一家に事故は訪れた。家族は、一瞬にして崩壊へと追いこまれていく。しかしそれは偶然の事ではなかった。静かにうかびあがる殺意の痕跡。だが傷ついた家族に、立ちむかう力はもう残っていなかった…女性捜査官セーラは、愛する弟の家族のため、禁じられた非合法捜査に踏み込んでいく。美しい町の裏側。そこには隠蔽された幾つもの事件があった。言葉がナイフのように、人の心をえぐる心理的サスペンスの傑作。『シスター』の著者、ロザムンド・ラプトンの第2弾!
元SAS(英国陸軍特殊空挺部隊)の隊員だったベン・ホープは、フランスの片田舎で暮らしていたが、ある夜かかってきた一本の電話が、その静かな生活をたたきこわした。エジプト学者のモーガン・パクストンがカイロで惨殺され、父親のハリー・パクストン大佐が、その犯人を捜して欲しいと言ってきたのだ。昔、ベンはアフリカのゲリラ戦で大佐に命を救われていた。悩みながらも、息子の死に復讐を誓う男の願いを、無下にはねつけることはできなかった。殺人者を追跡するなかで、ベンは裏切りの連鎖に投げ込まれる。ナイルからスーダンの灼熱の砂漠まで、過酷なミッションは、どこまでも命がけの激突をせまった。傷だらけの探索の果て、洞窟の森閑とした空気の中で、それは静かにベンを待っていた。