出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
家なき客室係に婚約宣言したのは、 クリスマス嫌いの訳あり億万長者ーー ホテルの客室係イーヴィーは、クリスマスだというのに働いていた。 仕事で降格され、家賃を払えず家まで追い出されて困っているのだ。 一流ホテルの最上階スイートルームを整えていると、 今夜は空きのその部屋に泊まっていいと上司に言われ、 彼女は豪華な調度を汚さぬよう服を脱いで眠りについた。 明け方、なぜか甘い唇の感触で目が覚めーーその刹那、 フラッシュが光った! パパラッチが逃げていく。 ふと見ると、ベッドの隣にはホテルのオーナー、リオがいる。 イーヴィーが慌てて体にシーツを巻くと、冷徹なイタリアの大富豪は、 これは罠だと憤り、突然宣言した! 「僕は君との婚約を発表する」 聖なる季節に読みたい名作シンデレラ・ストーリーをお届けします。訳あってクリスマスまで品行方正に過ごさなければならない身のホテル王リオは、客室係との親密な写真を逆手にとって、偽りの婚約を宣言! でもイーヴィーの胸にはいつしか偽らざる恋心が……。
「二度と連絡は取らない約束だった。 この子の父親は誰なんだ?」 ロンドンのアンティーク・ショップで働くラークは、店に現れた ブルーの瞳の男性を見て、息をのんだーーなんて美しいの。 ダークスーツに包まれた、筋肉質の堂々たる体躯。 芸術品のように端整な顔立ち。エネルギーに満ちあふれた彼こそ ドナーティ銀行頭取、チェーザレ・ドナーティだ。 「二度と連絡は取らない約束だった」唐突な言葉にまごつくラークに 彼は言いつのる。「ぼくを捜すなと言ったはずだ」 2年前、ラークは旅先のイタリアで事故に遭い、気づくと病院にいた。 事故の日の記憶だけ失われ、そして9カ月後ーー娘が生まれた。 まさかーーこの男性が、娘の父親だというの? 大人気の記憶喪失×シークレットベビーがテーマの物語です。ヒロインは世界的に有名な裕福で傲慢な男性が娘の父親とは到底信じられません。事故の夜、ふたりの間に何があったのでしょうか……? 〈億万長者と運命の花嫁〉第2話では、ヒーローの親友であるギリシア人富豪アリストパネスの恋が描かれます!
お腹の子のために夢を捨てられるの? 愛する人と永遠に結ばれるという夢を。 「これでパーティは終了。今から僕ときみはただの男と女だ」 時間は午前2時。ミアは顧客の大富豪ザンダーにそう囁かれ、 思わず身を震わせた。4カ月前に彼の誕生日パーティの企画と、 ケータリングを請け負ったときから、二人の間には熱い緊張が 張り詰めていた。だが、ミアは彼の誘惑をことごとくはねつけた。 父親を知らず、身持ちの悪い母に翻弄されてきた彼女にとって、 恋愛は毒。仕事こそが人生の拠り所だったから。でも、もう限界。 たった一夜だけ、情熱の渦に身を任せてもいいでしょう? 7週間後、ミアは妊娠していた。ザンダーからの愛なき求婚を 一度は拒むが、直後に流産しかけ、彼の援助が必要になって……。 『天使に捧ぐ秘密の夜曲』で衝撃の日本デビューを飾った、話題のルーシー・キング。今作も、思いがけない妊娠から始まるせつないロマンスを描きます。安静のため、ヒーローの邸宅で2週間だけ同居することになったヒロインは、彼の家族の秘密を知り……。
うら若き花嫁は、夢にも思わなかったーー 愛しい夫が、冷酷な顔を隠しているとは。 仮装パーティで、赤い悪魔の扮装をさせられたエミリーは、 黒衣の天使に扮した実業家、アントン・ディアズに紹介される。 「僕はきみが欲しい」と囁かれ、初対面での誘いに驚きながらも、 長身で黒髪のセクシーな彼にあらがえず、たちまち恋に落ちた。 性急なプロポーズののち、純白の花嫁衣裳で式を挙げ 南フランスでロマンティックなハネムーンを過ごすはずだった。 だが、甘すぎる愛の交歓をした翌朝ーー。 アントンは黒い瞳に悪魔のような光を宿し、彼女に告げたのだ。 エミリーと結婚したのは、愛ゆえではなかったことを。 セクシーなストーリー展開を得意とするジャクリーン・バードが、傲慢で魅惑的なラテンヒーローと、純粋なヒロインの甘美でせつない結婚劇をドラマティックに描きます。
無垢な妻の片想いは、 永遠に叶わぬ夢のはずだった。 余命わずかの父に強いられ、21歳のローズはレオンと結婚した。 じつは少女の頃からローズは密かに彼に憧れていたが、 情熱的な黒い瞳を持つ年上の富豪は彼女を相手にすることはなく、 ついに迎えた新婚初夜も、無垢な妻の待つ部屋に夫は現れなかった。 2年後。惨めさと孤独に耐えきれず、ローズは離婚を決意するが、 その直後、レオンが交通事故に遭い、すべての記憶を失ってしまう。 これからどうすれば……? だが驚くことに、あの冷淡だった夫は 別人のように愛情深くなり、やがて二人は熱い夜を分かち合った。 これで本当の夫婦になれる──ローズがそう確信した矢先、 赤ん坊を抱いた見知らぬ女性が訪れて、レオンの記憶が戻り……。 記憶を失い、まるで別人のように変貌した夫と再び恋におちるヒロイン。身も心も結ばれ、ようやく夫婦として歩み出そうとしたとき、彼の記憶が戻り、残酷な現実を知ることに……。純粋で臆病だったヒロインが大人の女性に成長していく姿も見どころです。
義兄への密かな愛。 たとえ忘れられても、愛してる。 ケイトリンは代理母として産んだ三つ子を育てている。 三つ子の両親である姉と夫の大富豪アントニオの乗った飛行機が墜落、 乗員乗客全員が亡くなるという悲劇が起きたのは1年前。 いまだ家族を突然失った喪失感が癒えないまま、 姉夫妻のものだったマリブの豪邸で暮らすケイトリンの前に、 にわかには信じられない人物がなんの前触れもなく現れたーー 死んだはずの義理の兄アントニオが、三つ子の父親が帰ってきたのだ! 7年前に初めて会ったときから、ケイトリンは密かに彼を愛していた。 彼は生きていた! だが喜びに浸る間もなく、残酷な現実が明らかに。 アントニオは事故の衝撃で記憶喪失になり、彼女のことを忘れていた……。 義妹のケイトリンのことも、亡き妻のことも、自分が三つ子の父親だということも思い出せないアントニオ。かつての彼に戻ってほしくて献身的に寄り添うケイトリンですが、華やかだった姉に比べて地味で控えめな自分は彼にふさわしくないと感じていて……。
「君を愛することは永遠にないし、 君の愛を受け入れることもない」 「ミーガン、僕の妻になってくれ」 なぜイタリア屈指の大富豪が、下働きの私にプロポーズを? 故郷アメリカでつらい経験をしたミーガンは、 イタリアに渡ってウエイトレスとして働き始めたばかりだった。 驚くほど端整な顔だちをした客の大富豪アレッサンドロに誘われて、 彼の私邸で給仕をしたのをきっかけに急速に惹かれ合った。 だからといって、出会って数日で結婚とは性急すぎる。 ミーガンは思わず、愛してくれているのかアレッサンドロにきくと、 彼は答えた。「いいや。愛のように安っぽい感情に興味はない」 一生愛されない花嫁になれと? 断るべきなのに、彼女の心は揺れ……。 両親すら愛さなかった自分が妻を愛することはないとまで断言するアレッサンドロの求婚に、ミーガンは戸惑うばかり。けれども「僕がほしいのは、君だ」という、聞きたいと思っていた言葉を耳にし、ミーガンは一縷の望みをかけて、彼の花嫁になる決意を固めます。
眠りにつく前に思い浮かんだのは、 魅惑のドクターのすてきな笑顔……。 看護師ジュリアは患者宅で大雪に閉ざされ、宿泊することに。 深夜、道に迷ったので朝まで滞在させてほしいという、 アイヴォと名乗る青い瞳のハンサムな男性が現れた。 彼は偶然にも医師で、高熱を出した患者に手際よく治療する姿に、 ジュリアは胸を高鳴らせた。彼といると、なぜか安心するのだ。 だが今はオランダに帰る途中だと知り、彼女は早くも喪失感に襲われた。 彼はもうすぐイギリスを去り、二度と会うこともないのね……。 肩を落とすジュリアだったが、アイヴォから思わぬ誘いがーー 彼が自宅で面倒をみている患者の専属看護師として、 オランダまでついてきてほしいというのだ! HQマスターピース《ベティ・ニールズ・コレクション》より、クリスマス時季に読みたい心温まる物語をお贈りします。ヒロインが人生で初めて迎えるオランダでのクリスマスは、ヒーローが別の女性と結ばれてしまうかもしれないという切なさがつきまとって……。
リン・グレアム全作品リスト2024年版 巻末に特別掲載! 不動の大スター作家リン・グレアムをはじめ、大人気作家が綴ったクリスマスのシンデレラ物語を3編収めた豪華アンソロジーです。巻末には特別付録として、2024年版リン・グレアム全作品リストを掲載! 今後の新作刊行予定もチェックできるのでお見逃しなく。
英国の大人気作家のクラシック・ロマンス。 愛が煌めくクリスマス・アンソロジー! ハーレクインを黎明期から彩り鮮やかに盛り上げてきた英国の大人気作家ベティ・ニールズとアン・メイザーの豪華なクリスマス・アンソロジー! いずれも1970年代に書かれたクラシックなロマンスです。
許婚が事故死し、ランツァは心から嘆くも、親の決めた政略結婚から解放されたことにほっとしている自分に後ろめたさを感じていた。そんなある日、今度は亡き許婚の兄ステファノとの結婚を命じられる。彼とは、大人になってからまともに会ったこともないのに。病を患う父を安心させるためにも、ランツァは従うほかなかった。1年後の結婚式の日、祭壇でようやく顔を合わせたステファノは、驚くほど端整な顔だちで、大人の魅力をまとい、きらきら輝いて見えた。そう、ランツァは幼き日から、本当はステファノが好きだったのだ。だが、人知れず頬を染めるランツァに、彼は事務的に告げた。これはあくまでも形だけの結婚で、寝室は別だ、と。
なかったことになんかできない。 私の想いも、授かった小さな命も。 ローマにできたばかりの新しいホテルで働くエレノラ。 オープニングパーティの夜、直属のボスでホテル王のマルコへの 長年の片想いがようやく報われ、情熱の一夜を過ごした。 愛しい人の肌のぬくもり……この瞬間を、私はずっと思い描いていた。 だが翌朝目を覚ましたとき、マルコの姿はすでになかった。 早朝の便でNYへ帰ったのだと知った数日後、彼から電話で、 きみと過ごしたあの一夜は間違いだったと謝罪された。 2カ月後、エレノラは彼の薄情な言葉を思い出し、ぎゅっと目を閉じた。 身ごもってしまったのだーーマルコの子を。 部下と過ごした一夜をなかったことにしたがっているボスの子を。 老舗ホテルグループを持つ大富豪マルコと、彼に20年以上も密かに憧れ続けてきたエレノラの、甘酸っぱくてもどかしいロマンスをお贈りします。クリスマスの装いをしてまぶしいほど煌めくNYを舞台に、予期せぬ妊娠に揺れる二人の心模様が巧みに描かれています。
純潔を捧げたのは、本気だったから。 でも本気なのは、わたしだけだった。 “永遠に君を愛する”--繰り返される口づけ。18歳の切ない誓い。 義兄ジェイクと結ばれたジェイミーは幸せの輝きに包まれていた。 だがその日、ジェイクがほかの女性と抱きあう姿を見て、 彼女はすべてに絶望し、無言のまま家を去ったのだった。 6年がたち、義兄との思いもよらぬ突然の再会が、 あの日の苦痛よりはるかに酷な傷をジェイミーに刻みつけた。 すでに婚約者がいる、大企業社長となったジェイクが唇を歪め、 辛辣な言葉を浴びせてきたのだ。「あれから何人の男を知ったんだ?」 ああ、なぜそんなことを。わたしは……あなたしか知らないのに。 ジェイミーは心の中でつぶやき、胸に巣くう孤独感にもだえた。 波瀾万丈の展開を圧巻の筆力で描く大スター作家による、血のつながらない兄と妹の切ない恋物語です。再会後、ジェイクの情熱的なキスに応えてしまったジェイミーは、求め求められることを望んでいる自分に気づきますが、彼の非情な言葉に心の傷をえぐられ……。
弟の学費を工面できずに苦悩していたオードリーはある日、仕事の休憩中に上級秘書たちの会話を偶然耳にしてしまう。若くして巨万の富を築き上げたCEOのヴィンチェンツォが、義理の子供のため、母親役を務める女性を雇おうとしている、ですって?エキゾチックな黒髪、地中海のように美しいブルーの瞳、そして映画スターのように見事なスタイルの彼が?ずっと秘かに憧れる男性のもとで、幼い子供の世話をする。それで弟が進学できるのなら、ほかに欲しいものなんて何もないわ。ところが面接の場で、ヴィンチェンツォが驚きの言葉を口にする!「母親になるということは、僕の妻になるということだー昼も、夜も」
家族と大切な会社を守るため、 彼女は血も涙もない富豪に自らを売った。 ジゼルは代々続いてきた家業の会社を倒産から救うため、 冷酷非情で有名な富豪アダムに助けを求めた。 南仏のレストランに現れたアダムはとても大柄で屈強な男性で、 いきなり彼女をファーストネームで気安く呼ぶほど傍若無人だった。 なんて失礼な人。ジゼルは憤慨したが、彼の機嫌は損ねられなかった。 緊張で食べられない彼女と違い、アダムは食欲旺盛に料理を平らげると にこやかに言った。「僕は君が欲しい。僕と結婚するなら金を出そう」 ジゼルは屈辱と怒りで爆発しそうだった。けれど心の奥には、 アダムの荒削りな魅力に惹かれるのをとめられない自分がいた……。 清純なヒロインを描いて人気があるスター作家A・ウエスト。契約結婚を承知したヒロインはヒーローの意外なやさしさに触れて胸がときめきますが、彼女は修道女みたいだと富豪が人に話すのを聞いて……。大スター作家R・ウインターズがお好きな方にもお勧め!
金目当ての悪女の白い結婚なんて、 いったい誰が信じるだろう? エリアナはパーティ会場で見覚えのある顔を見つけ、凍りついた。 元婚約者のレアンドロス! 6年前、エリアナは婚約指輪を返し、 別の男性と政略結婚した。病床の父と困窮した家を守るための決断 だったが、彼は知る由もない。しかも夫は事故死してしまい、 エリアナは遺産も屋敷もすべて義父に奪われて放り出され、 今は薄給のパート従業員の身。だが彼はその弱みを知ってか、 強引に彼女をパリへ連れ出し、贅沢に着飾らせ、オペラに同伴し、 ついにはベッドへ組み敷いた。ああ、これが新婚旅行だったら……。 すると突然彼女が苦悶の声をあげ、レアンドロスはショックで 呆然とした。「きみは初めてだったのか? どういうことだ?」 大スター作家リン・グレアムも惜しみない賛辞を贈る、スター作家ジュリア・ジェイムズのドラマティックなシンデレラ・ロマンスをお楽しみください。最愛の人から“不実な婚約者”と罵られても、ヒロインには守るべき秘密があって……。感涙必至の珠玉作!
三姉妹の末娘で、美人の姉たちと比べられて育ったレイチェル。周りからは“シンデレラ”などと呼ばれ励まされるけれど、私は醜いアヒルの子。きっと愛も知らずに一生を終えるのだろう。そんな折、レイチェルは親友のいとこのザックと偶然出会う。目も覚めるようなハンサムな実業家で、自信たっぷりな彼は、他の女性には目もくれず、なぜか彼女だけを熱心に口説いてきた。私をからかっているの?いったい何が狙いなのかしら。訝しみながらも彼の魅力に抗えず、レイチェルは誘われるまま車に乗り込むが、天候が急変して近くの宿に避難する羽目に。しかも案内された屋根裏部屋にはベッドがひとつしかなくて…。
アンジェリーナは16歳で産んだ息子を一人で育てている。息子の父親はジェイク・ウィンターズ。危険な魅力あふれる不良少年だった彼にひと目で心奪われてアンジェリーナはバージンを捧げたが、周囲に仲を引き裂かれ、ジェイクには息子の存在さえ知らせていなかった。ある日、突然ジェイクが訪ねてきて、二人は15年ぶりに再会する。今や裕福な弁護士となった彼に、二人だけで夜を過ごそうと熱く囁かれ、アンジェリーナは激しく動揺する。息子のことを、いったいどうやって切り出せばいいの…?
慈善学校の教師助手のクララは、クリスマスに老公爵と結婚する教え子に招かれ、公爵邸を訪れることに。8歳で両親と死に別れた貧しいクララにとって、夢でしか見たことのない上流階級のクリスマスは楽しみで仕方なかった。だが迎えに来た公爵の跡継ぎヒューゴはみすぼらしい姿の彼女を見つけると、険しい顔で首をかしげ…。(『クリスマスを知らない壁の花』)。ベラは従妹の駆け落ちを阻止しようと、待ち合わせ場所に向かった。ところがそこに現れたのは、従妹の恋人ではなく、その従兄のデヴリル伯爵ニコラス。ベラと同じく、従弟の駆け落ちを止めに来たという彼は、傲慢で不機嫌で冷たくて、まさに“デビル伯爵”だった。しかし大雪になり、ベラは彼と一緒に屋敷に滞在することにー!(『魅惑の魔王伯爵と永遠の愛を』)。農園の娘マリアは、足をくじいた兄に代わった七面鳥の行商に出たものの道に迷ってしまった。すると黒髪の魅力的な紳士が現れ、親切にも道案内してくれるという。優しい彼に胸を高鳴らせたマリアはしかし、彼の自己紹介に驚愕する!「ぼくはアレックス。スタンフォード子爵だ」しかも、彼には奥ゆかしく優雅な婚約者がいた。(『子爵の身代わりシンデレラ』)。
暖炉の掃除を命じられても、 屋根裏に住んでいても、私はレディ。 天涯孤独のアレグラは優しい親戚のもとに身を寄せていたが、 親戚が亡くなるや、その新妻によるいじめが始まった。 半分イタリアの血を引くアレグラを疎ましく思う新妻は、 彼女を薄汚れた屋根裏の倉庫に追いやり、メイド扱いしようとした。 そんな不遇なアレグラだったが、ある夜会で運命の出逢いを果たすーー 女性を誘惑してもてあそぶと噂の悪名高き放蕩男爵ウィリアム。 若い娘はみな怖がってこの男爵に近づこうとしないというのに、 アレグラは彼の魅力に痺れている自分に戸惑った。 さらに、その夜会で親戚の新妻がアレグラを見世物にしようとしたとき、 ウィリアムが颯爽と前に進み出て、そつなく彼女を辱めから救い……。 亡き父が音楽家で、上流階級のうるさ型からは旅まわりの楽団の娘と見下されているアレグラは、じつはイタリアの子爵の孫娘でした。そんな彼女に目をつけた社交界随一の放蕩男爵ウィリアムは、はたしてどんな意図を持って彼女に近づいてきたのでしょうか?