出版社 : ベストセラ-ズ
パリスは和平とヘレネーの二つを賭けて、スパルタ王メネラーオスとの一騎打ちにのぞんだ。だが、闘いの最中、何者かが射た矢がメネラーオスを負傷させる。パリスの計略と誤解したギリシア軍との戦いは、避けられないものとなった。トロイアの財宝を狙うギリシア諸将の思惑どおり、戦いの火蓋が切られた。巨大な攻城櫓が次々に城壁に掛けられ、ギリシアの大軍がトロイア城内に攻め込んでいく-。
滝連太郎は、教授の紹介で、映画製作にからんだ楊貴妃ゆかりの地を訪ねるツアーに講師として参加することになった。依頼者は、楊貴妃の末裔と称する美容総合センター社長の唐渡美帆だった。翌日、滝は武見香代子を誘い、デパートで開催されている「泉涌寺秘宝展」に出かけた。展示されている楊貴妃観音を見るつもりだったが、そこで警視庁の大曽根警部に声をかけられた。彼もある殺人事件との関連で捜査に来ていたのだ。数日後、捜査本部に楊貴妃を詠った白居易の「長恨歌」が送られてくる…。楊貴妃渡来伝説に材をとった書下し長編伝奇ミステリー。
友と別れたアレクサンドロスの前に、謎の男イカロスが現れた。イカロスは、アレクサンドロスに対して、海底に眠るアトランテイスの秘宝オリハルコンの剣を探す助力を申し出た。一方、アレクサンドロスの仲間たちは、デルフォイの神殿に向かっていた。マケドニアの運命を担うアレクサンドロスの未来を占ってもらうためだった。若き日のアレクサンドロス(アレキサンダー大王)の活躍を描く、シリーズ第2弾!
新人OLの仲江翠はアパレル・メーカーの広報課に勤めている。忘年会の帰り、彼女は若い女子社員に人気のある仕入部の星恭一郎を自分のアパートに招く。星はたちまち彼女に夢中になり、週末を彼女の部屋で過ごすようになる。しかし一方で翠は星の上司である荻島俊之とも関係をもっていた。大人の恋を楽しむ時は荻島、結婚の相手は質実剛健の星。翠は二人を上手に使い分けているはずだったが…。メランコリック・ラブロマン。
スペイン内乱直前に赴任した木滑大使が現地で集めた膨大な数の美術品の一部が、大使の遺言により長崎県立美術館に寄贈、公開された。その翌日、公開実現に奔走した大学教授が、全身の血を抜かれるという残虐な方法で殺害された。しかも以前から、開係者には美術品を公開するなという執拗な脅迫が繰り返されていたのだった。若い美術記者の菊村と木滑の孫娘の燿子が、歴史をさかのぼるかのごとく、絵画に隠された謎を追う。書下し長編サスペンス。
神としての決断はし易い。しかし神と人との狭間で決断することは難しい。あの英邁なる天武帝にしても、日嗣皇子の決定に過ちを犯しているのだ。そのためにどんなに犠牲になっていった者がいるか。草壁皇子と大津皇子の運命が、その決断によって分かれて行く。そんな中で、すまると昴皇子の対決は果てしなくつづいて行くのであった。
「サーレイハム・ジューダ!」邪術師シャルロが断末魔に放った一言がシオンのそして霊峰山の運命を変えていった。「法の霊士」の即位式の日、シオンはシャルロの言葉を確かめるため、懲罰士の警備をかいくぐり、首領に会うために霊峰山の奥へと進んでいった。しかし新任の「法の霊士」に見つかり、囚われる。即位の儀をけがした理由で、シオンは霊峰山始まって以来の厳しい処置“死刑”を宣告される。薬草で意識を奪われ、漆黒の神輿で処刑場に運ばれるシオンの運命は…。シリーズ完結編。
ある日、一本の悩み相談がラジオ局に寄せられる。だが、その電話の女性は、すでに数週間前に殺されていた。その殺人事件を捜査陣は『目』で追う。放送局のディレクター青木聡美は、死者からの人生相談の謎を『耳』で追う。犯人を追う目と耳の追撃戦。
元アイドルタレントの阿季子は若手敏腕プロデュサーと結婚、子供にもめぐまれ何不自由ない幸せな生活をおくっていた。テレビ界へのカムバックも決まった12月、彼女は夫の知人や高校時代の友人を招いてホームパーティを開いた。ところがその日に送られてきた宅急便の袋の中には顔の部分を無数の針で刺した阿季子のブロマイドが入っていた。そしてもう一個の宅急便にも悪意の品が…。阿季子の周辺で小さな亀裂がしだいに重なり合っていく。
魔道霊士が次々に襲われるという事件が起きた。が、霊峰山はなかなかその正体をつかむことができなかった。20人余の犠牲を経てえた情報では、かつてない強敵の魔道霊士狩りは、シオンの親しい〈風〉のアデュであった。その追討の命が、過酷にもシオンに下る。同じ魔族の血をひく者を斬らねばならぬのか。霊峰山の掟を破ってまでも自分の信念をつらぬこうとする朱鬼シオンが、その妖剣、〈魔翔二葉〉で闇を斬る時、そこには意外な事実が…。好評シリーズ第二弾。
アレクサンドロス(アレキサンダー)大王の若き日の伝説が、いま語り始められる。王子アレクサンドロスは、仲間たちと共に伝説の島アトランティスを探しに、学問所を抜け出し、エーゲ海に船出する。襲いかかる刺客たち、火山島の翼を持つ少女、謎の仮面男、そして迷宮の魔神-。アレクサンドロスは果たして力の源、オリハルコンの剣を手にすることができるのか。いつの時代も、少年は自分の可能性を信じ、冒険の旅に出る。
聖なる大河を中心に、きらめく水晶山脈に囲まれた七王国のひとつ、デラン。クリスはデラン王バジの勇姿に憧れる、平凡な少年だった。だが、風変わりな男ダダに知らされた出生の謎が、彼の運命を変えた。水晶山脈が岩山にしか見えない目を治すには、魔界のミディネ神殿に行って女司祭に頼むしかない。ダダに教えられ、クリスは神殿への旅に出た。酔いどれの天才剣士を仲間にし、三つ目の鬼と闘い、たどりついた神殿には異変が待ち受けていた。新鋭・荒井潤が挑む、新たなファンタジー・ワールド。