出版社 : ベストセラ-ズ
暇と熟れきった肉体を持て余す、弓恵。夫は海外に単身赴任中。彼女の密かな楽しみは、出張ホストを呼ぶことだった…。女子大生の沙貴の元に、ある日ダンボール箱が送られてきた。送り主は不明、開けてみるとバイブレータとビデオがぎっしり詰まっていた…。29歳の梨絵は上司と二人きりでサイパンに不倫旅行に来ていた。マンネリ化した二人のセックスのカンフル剤として、若い娘を引っ掛けて3Pをしようとする魂胆であった…。友季子と夫とは冷えきった仲だった。学生時代の同窓会の帰り、ふらりとホテルのバーに立ち寄った。そこで初めて売春をしてみたが…。欲望に疼く女達が、次々貶められてゆく。
スイスから原爆情報をもって帰国した品川大尉は、横空勤務となる。捕虜の過去をもつ品川を、普通の部隊には配置できない。品川はここで、新鋭機のテストの合間に、対B-29戦闘の研究に励む。横空に次々に送り込まれる試作機は、いずれも画期的な翼たちだ。烈風、陣風、景雲、そして秋水と橘花-。サイパン奪取に失敗した米軍は、機動部隊で帝都・東京を襲う。これを迎え撃つ横空、厚木空の戦闘機は、多数の試作機で反撃する。
平和を愛する民主国家である平成時代の東京が太平洋戦争の渦中に時空転移-ハルゼー率いる米太平洋艦隊に立ちむかうのは、旧帝国海軍と自衛隊による連合艦隊。司令長官は山本五十六。予期せぬ空母インデペンデンスの存在により大打撃をうけた日本軍は、昭和18年4月16日、決死の覚悟でマリアナ沖に出撃する。旧式艦船同士による最後の大海戦「第二次グアム攻防戦」の幕開きが近づく。一方、モスクワを陥落させ、ユダヤ民族国家「ネオ・イスラエル」を建国したヒトラーは1943年8月15日、ロンドンをも陥落する。ルーズベルト、スターリン、敷島・日本首相、そししてヒトラー…。混迷と動乱の嵐が強まる緊迫の世界を描く、シリーズ第2巻。
中国大陸での権益をめぐり、アメリカと対立する日本。両国の水面下では決戦準備が、着々と進められる。そして一九三一年三月、パナマ運河を航行中の「明石丸」の大爆発を契機に、日米決戦の火蓋は切って落とされる。勢いに乗る日本海軍は、激戦の末、フィリピンを陥落、続いて、グアムをもその手中におさめる。度重なる失態に突き上げられた米海軍は、かつてない大規模な艦隊を率いて太平洋に出撃。そして、日本の背後に忍び寄る、ソ連の影。70年前に出版され、かの山本五十六が真珠湾奇襲攻撃のアイデアを得たともいわれる、幻の“日米未来戦記”-その結末やいかに。
日本の軍用機共通の欠陥であった防弾無視の思想を転換し、一式陸攻を防弾タンクにした月山は、南太平洋で活躍した。しかし、しょせん改造は改造に過ぎない。米軍がさらなる新兵器をもって現われた時、改造機のもろさが露呈してしまう。昭和一八年、新鋭高速陸爆「銀河」が登場し、月山と共に戦う。そして、来るべき最後の決戦に備えて井上成美長官がうった作戦は、新鋭機「連山」の投入と、米本土爆撃機「富岳」の開発であった。はたして国防の根本である、攻めず、攻められずを可能にしてゆく井上長官の最終的太平洋防衛戦略がどのように展開するのか。中野次郎大尉たちの第一航空艦隊の熾烈な戦いが今はじまろうとしている。
日豪講和条約により米豪遮断に成功した日本軍は、連合艦隊を機能別に独立再編。そして、次なる目標、ハワイ攻略に向けて、連合艦隊司令部、大本営戦略局、情報局と共同で作戦の詰めに入った。昭和18年6月12日、ハワイ攻略作戦は発動され、呉、横須賀、佐世保、大湊、トラックから各艦隊は出港、総力をあげてハワイをめざす。一方、勢ぞろいしたアメリカ新太平洋艦隊も、戦局を一気に挽回すべく真珠湾をあとにする。ミッドウェー、ジョンストン、ハワイ、パナマ、カリブ海…。戦火はいよいよアメリカ本土に広がる。シリーズ完結。
3人の友と生き別れになりながらも、アレクサンドロスは、ついに、未知の力を秘めるオリハルコンの剣を手に入れた。しかし、アスカの賢者たちによって、異世界に封じ込められてしまう。そこは心に浮かぶ事柄が現実と化す異空間だった。アスカの少女との再会も束の間、巨大なドラゴンが、野心に満ちた騎士の生んだ異形の怪物が、アレクサンドロスに襲いかかる。若き日のアレクサンドロス(アレキサンダー大王)の冒険と闘いの物語、ここに完結。
パリスは和平とヘレネーの二つを賭けて、スパルタ王メネラーオスとの一騎打ちにのぞんだ。だが、闘いの最中、何者かが射た矢がメネラーオスを負傷させる。パリスの計略と誤解したギリシア軍との戦いは、避けられないものとなった。トロイアの財宝を狙うギリシア諸将の思惑どおり、戦いの火蓋が切られた。巨大な攻城櫓が次々に城壁に掛けられ、ギリシアの大軍がトロイア城内に攻め込んでいく-。
滝連太郎は、教授の紹介で、映画製作にからんだ楊貴妃ゆかりの地を訪ねるツアーに講師として参加することになった。依頼者は、楊貴妃の末裔と称する美容総合センター社長の唐渡美帆だった。翌日、滝は武見香代子を誘い、デパートで開催されている「泉涌寺秘宝展」に出かけた。展示されている楊貴妃観音を見るつもりだったが、そこで警視庁の大曽根警部に声をかけられた。彼もある殺人事件との関連で捜査に来ていたのだ。数日後、捜査本部に楊貴妃を詠った白居易の「長恨歌」が送られてくる…。楊貴妃渡来伝説に材をとった書下し長編伝奇ミステリー。
新人OLの仲江翠はアパレル・メーカーの広報課に勤めている。忘年会の帰り、彼女は若い女子社員に人気のある仕入部の星恭一郎を自分のアパートに招く。星はたちまち彼女に夢中になり、週末を彼女の部屋で過ごすようになる。しかし一方で翠は星の上司である荻島俊之とも関係をもっていた。大人の恋を楽しむ時は荻島、結婚の相手は質実剛健の星。翠は二人を上手に使い分けているはずだったが…。メランコリック・ラブロマン。
スペイン内乱直前に赴任した木滑大使が現地で集めた膨大な数の美術品の一部が、大使の遺言により長崎県立美術館に寄贈、公開された。その翌日、公開実現に奔走した大学教授が、全身の血を抜かれるという残虐な方法で殺害された。しかも以前から、開係者には美術品を公開するなという執拗な脅迫が繰り返されていたのだった。若い美術記者の菊村と木滑の孫娘の燿子が、歴史をさかのぼるかのごとく、絵画に隠された謎を追う。書下し長編サスペンス。
神としての決断はし易い。しかし神と人との狭間で決断することは難しい。あの英邁なる天武帝にしても、日嗣皇子の決定に過ちを犯しているのだ。そのためにどんなに犠牲になっていった者がいるか。草壁皇子と大津皇子の運命が、その決断によって分かれて行く。そんな中で、すまると昴皇子の対決は果てしなくつづいて行くのであった。
「サーレイハム・ジューダ!」邪術師シャルロが断末魔に放った一言がシオンのそして霊峰山の運命を変えていった。「法の霊士」の即位式の日、シオンはシャルロの言葉を確かめるため、懲罰士の警備をかいくぐり、首領に会うために霊峰山の奥へと進んでいった。しかし新任の「法の霊士」に見つかり、囚われる。即位の儀をけがした理由で、シオンは霊峰山始まって以来の厳しい処置“死刑”を宣告される。薬草で意識を奪われ、漆黒の神輿で処刑場に運ばれるシオンの運命は…。シリーズ完結編。