出版社 : 中央公論新社
この国から「おじさん」が消えるーー 会社に追いつめられ、無職になった30代の敬子。 男社会の闇を味わうも、心は裏腹に男が演出する女性アイドルにはまっていく。 新米ママ、同性愛者、会社員、多くの人が魂をすり減らす中、敬子は思いがけずこの国の“地獄”を変える“賭け”に挑むことにーー 女性アイドルに恋する三十女の熱情が、日本の絶望を粉砕! 著者初長篇にして最強レジスタンス小説。 和田彩花(アイドル)感激 小さな叫びでこの世界のバランスは整えられる! 私は勇気をもらった。 幾原邦彦(アニメーション監督)仰天 その革命が見える者は勇気を得られ、 見えぬふりを生きる者は吐き気を催すだろう。 あなたはどっちだ?
『養生訓』の著者として知られる貝原益軒(1630〜1714)は、福岡藩に儒者・藩医として仕えた。博識多才で知られ、晩年に著した『朝野雑載』には戦国時代のエピソードが満載されている。本書は、そこに記された戦国武将に関する興味深い逸話を素材として、益軒が第3代藩主・黒田光之に千夜一夜物語風に語り聞かせるスタイルに仕立てた「戦国コント(小話)集」である。全42夜、登場する戦国武将は以下の通り。 織田信長/豊臣秀吉/徳川家康/徳川光圀/毛利元就/武田信玄/小早川隆景/森蘭丸/加藤清正/蒲生氏郷/明智光秀/今川義元/上杉謙信/藤堂高虎/石田三成/浅井長政/朝倉義景/竹中半兵衛/尼子勝久/大内義隆/黒田官兵衛/松永久秀/細川幽斎/伊達政宗/前田利家/福島正則/真田幸村/柴田勝家/龍造寺隆信/井伊直政/直江兼続/足利義輝/長宗我部元親/荒木村重/大友宗麟/豊臣秀頼/徳川秀忠/本多忠勝/黒田長政
一九八六年、中曽根内閣は懸案の自主憲法制定を成し遂げた。自衛隊は改称され国軍へ昇格。また日銀は絶妙の金融政策でバブル経済を軟着陸させ、日本は好景気のまま発展した。だが今、その社会は危機に瀕している。「シンク」という謎の穴がすべてを飲み込み、同時に感染症も流行。政府が隠蔽する世界の崩壊を阻止する鍵を握るのは、一人の日本人学者だった。彼を探し保護せよとの命を受けた土門康平陸軍中将は、この任務を遂行し、日本を、この世界を救うことはできるのかー?大石英司が描く世界滅亡の書。
国の中枢で渦巻く謀略、忍び寄る疫病の影 一三〇〇年前の惨劇を、この国は繰り返すのか? 武智麻呂、房前、宇合、麻呂の四兄弟は、父・不比等の意志を受け継ぎ、この国を掌中に収めるため力を合わせる。だが政の中枢には、不比等が唯一畏れた男、長屋王が君臨していた。 皇族と藤原家。それぞれの野心がぶつかり合い、謀略が交錯するとき、古代史上最大の闇が浮かび上がるーー。
「わたしは、あんたの誰にも届かない52ヘルツの声を聴くよ」 自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。 孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会う時、新たな魂の物語が生まれる。 注目作家・町田そのこの初長編作品!
三十歳の美しいコミックス作家・川村リリカと、同い年の敏腕編集者・野崎百合子。「俺」「お前」と呼び合う可憐な二人が、喫茶店で、イタリアンで、カツカレーの店で、新作の打ち合わせをする。「それはそのままタイトルになるね」「なるね。メモしとこう」。物語はどのように生まれるのか。創作の秘密が垣間見える連作集。
零戦の優位崩壊。圧倒的物量で襲い来る米軍! 航空戦力を集中して守りを固めた連合艦隊は、再建された米海軍機動部隊の猛攻を辛くも凌いだ。だが、開戦以来敵機を圧倒していた零戦も新型戦闘機F6Fヘルキャットの登場によって苦戦を強いられるようになり、連合艦隊の戦力も次第に削られてゆく。一方、米国はその国力に物を言わせて艦隊を増強、マーシャル諸島メジュロ環礁に前進基地を建設し、要衝ラバウル、トラックをも脅かす。日本はこのまま米国の巨大な物量に押し切られてしまうのか!? その時、機動部隊の小沢長官が奇策を提案したーー
〈北条サーガ〉に待望の新シリーズ 富樫倫太郎が、今度は北条家3代目の生涯を描き出す! 「北条早雲」と「軍配者」-- ふたつの人気シリーズを受け継ぐ壮大なストーリー「北条氏康」が幕を開ける 祖父・早雲に可愛がられた伊豆千代丸は、やがて3代目・氏康として立つ。 関東全土の支配を目指す氏康の生涯には、今川義元との対立、河越夜襲、そして武田信玄や上杉謙信との死闘……幾多の試練が待つことに。 新シリーズ第一弾は、早雲に可愛がられた伊豆千代丸時代から、軍配者・風摩小太郎との出会い、小沢原の初陣まで!
120年前、誕生して間もない日本を襲った未曾有の危機。それは、現代でも起こりえる明日の物語。明治33(1900)年5月。柴五郎陸軍中佐は、公使館付駐在武官として北京に赴任した。おりしも清国では、後に「義和団の乱」と呼ばれる攘夷運動が激化。北京市内の外国公使館地区でも皆、警戒を強めていた。しかし自国民保護を目的に列強各国が武力介入に踏み切ると、清の権力者・西太后はこれに抗すべく宣戦を布告して公使館地区へ攻撃を開始。日本を含む各公使館の人々は救援到着まで団結しての籠城を決意するが、500人足らずの寄せ集めの籠城連合軍に対し、敵は数万…。はたして、津波の如き勢いで迫る敵軍を防ぐことは可能なのか?そして、救援が来るその日まで生き延びることはできるのだろうか?ここに55日に及ぶ、地獄の籠城戦が始まった!!
万延元年(一八六〇年)。姦通の罪を犯したという旗本・青山玄蕃に、奉行所は青山家の安堵と引き替えに切腹を言い渡す。だがこの男の答えは一つ。「痛えからいやだ」玄蕃には蝦夷松前藩への流罪判決が下り、押送人に選ばれた十九歳の見習与力・石川乙次郎とともに、奥州街道を北へと歩む。口も態度も悪い玄蕃だが、道中で行き会う抜き差しならぬ事情を抱えた人々を、決して見捨てぬ心意気があった。
「武士が命を懸くるは、戦場ばかりぞ」流人・青山玄蕃と押送人・石川乙次郎は、奥州街道の終点、三厩を目指し歩みを進める。道中行き会うは、父の敵を探し旅する侍、無実の罪を被る少年、病を得て、故郷の水が飲みたいと願う女…。旅路の果てで明らかになる、玄蕃の抱えた罪の真実。武士の鑑である男がなぜ、恥を晒して生きる道を選んだのか。
夏休みが始まった。9歳のおれは、父を倒す日をじっと待っているーー 勉強ができるまーちゃん、毎日万引きするしらとり兄弟、 学年一強い女子のしまだ、何度も車にはねられるたけし。 動物園には誰よりも賢そうなゴリラがいた。 小さくてもタフな子どもたちの物語。 ブレイディみかこ氏、推薦! 「大人より賢くてタフな生き物のおかしくて悲しいさえずり。 ファックな世でも子は育つ!」
妻が〈殺人者〉と知ったとき、 穏やかな日常がサスペンスに変わる 東京での暮らしをたたみ、「島」に移住した 70代の夫婦と、友人の小説家 それぞれの秘密、それぞれの疑惑が あやしく溶け合うなかで 〈真実〉が徐々に姿を見せていく 人は、自分にだって嘘をつくーー 読み終えたときに立ち上がる、思いがけない光景に息を?む 傑作長編小説
「現時点で判明している被害者は六名です」 東日本大震災に匹敵する災禍「アウターライズ」に見舞われた東北だったが、規模に比して抑えられた被害状況を公表した。 どんな対策が行われたのかと注目が集まる中で突如、宮城県知事が“独立宣言”を行った。 そこから三年、一切の情報が遮断された国へと変容した東北に、 ジャーナリストたちが招かれる。 あのとき被災地で何が起きたのか、 そして新たな国の誕生を、我々はどう受け止めるのか。
性風俗に通う夫、整形で美しくなった親友、愛した父の不実。人生の折返し点で知る〈真実〉が、主婦・絵里子を柔らかに変身させるーー妻でも母でもない道が、鮮やかに輝き出す長編小説。
「ポリアモリー(複数愛)に理解があること」が条件のシェアハウスで暮らす四人の男女。たがいの愛のありようをはかり、揺れ動く感情に翻弄されつつ、表面上は日々はおだやかに過ぎていくが……。気鋭の書き下ろし小説。
結婚式当日、幸せ絶頂の朝倉に連絡が入る。自衛隊時代の親友・田村がスリランカで爆弾テロ事件に巻き込まれ、行方不明になったという。いてもたってもいられなくなった朝倉は自身の結婚式を中止し現地へ。目撃情報から、当時田村と一緒にいたと思われるスリランカ軍人と共に連れ去られた可能性が浮上する。テロと拉致。二つの事件は偶然か、それともー。田村の行方を追う朝倉たち“特別強行捜査班”の前に、スリランカを取り巻く大国の思惑が立ち塞がる。元自衛官の警察官が活躍する「オッドアイ」第7弾。
橘風花は母親と二人で暮らす、普通の小学四年生の女子。偶然の出会いと、「ムカつく上級生男子を一発殴りたい」と邪な動機でボクシング・ジムに通い始めるが、徐々にのめり込んでゆく。ひたむきにボクシングに打ち込む風花の中で、何かが変わりはじめていた。それは、周囲の人々の心にも変化をもたらしてゆくー。結婚を賭けた世界王座戦に挑む女子プロボクサーや、ジムの人々。複雑な家庭環境のいじめっ子や、幼なじみのクラスメート。風花を理解しようとしない教師。母と折り合いが悪い職場の後輩たち。最強最悪のライバル。そして母・陽菜子にも…。明日への元気を満タンにしてくれる、ハートウォーミング・ストーリー!