出版社 : 光文社
安曇野市の国道で見つかった男性の遺体。轢き逃げかと思われたが、刺し傷から殺人の疑惑が浮上する。被害者の足立信吾は四十年前に新潟から引っ越し、父親の壮介とふたり暮らしだった。信吾の元妻からは周囲でいやがらせなどが続発していたことを知る。渦巻く悪意の元凶は何処に!?刑事・道原伝吉は、足立家の過去を探るべく新潟に向かう。人気旅情ミステリーシリーズ!
交通事故で息子を失った悲しみに暮れる妻が、故郷の同窓会へ出かけていった翌日、遺体で発見された。現場には似た手口で殺害された見知らぬ男性の遺体が。同一犯の仕業か?犯行の動機は何か?それまで知りえなかった妻の交友関係をはじめ、事件の真相が徐々に明らかになっていく。ドラマ化され人気を博した棟居刑事らも活躍する、森村ミステリーの傑作長編!
資産家・永江和哉からの依頼で、片山兄妹とホームズはドイツへと渡った。古城に住む和哉の弟・英哉の様子が、おかしいという。三年前、英哉の妻は、中世から伝わる処刑具「鉄の処女」によって惨殺された。古城に着いた夜、晴美は、白いドレスの女性を目撃。そして、マスクをつけた何者かに襲われる。唯一の出入口である跳ね橋が壊れ…。そこから、次々と殺人が!片山たちは、古城に秘められた謎に迫る!
遠沢加須子は、夫の遺した中部光学というレンズ製造会社を諏訪で経営している。親会社の倒産で苦境にたった時、手をさしのべてきたのは、ハイランド光学の専務・弓島邦雄だった。親会社の横暴に泣く下請業者の悲哀、加須子にのびる欲望の影、そして奔放な義妹・多摩子の愛憎の果てに、悲劇がおとずれる…。ミステリーの醍醐味を凝縮した長編推理小説。
純真で無垢な少年の姿は、大人の心を洗い清めてくれるーだが、誰しも少年だったころの昔日を思い返してみれば、他者への憎悪や妬み、邪悪で穢れた心の存在も否定できない。本書は美しくも危険な少年たちの光と闇をテーマにしたミステリーを集めたアンソロジー。かの江戸川乱歩が憧憬する村山槐多の画を巻頭に、推理文壇の名手たちの珠玉の傑作を厳選!
就活57連敗の七木田亜月は、とある病院事務の募集を見つけた。その名も「あかしや」クリニック。イケメン白衣の院長にエントリーシートを渡されて、トントン拍子に就職が決まったけれど、ハーフかクォーターか聞かれたり、雇用条件が良すぎたりと、なんだかあやしい。と思っていたら、ドアに貼られている病院名が「あやかし」クリニックになっていてー。
鬱をはじめとする心因性の病が発達した近未来。百万人に一人の割合で発症する「嘘アレルギー」を持つ如月瑞穂は人とあまり関わることなく大学に通っていた。ある日、金をたかりにきた同級生・ふみから助けてくれた渉の一言で、発作を起こし失神してしまう。実直な性格の瑞穂を中心に、これまで交流のなかった学生たちが少しずつ変わっていく。
「霞の鷲五郎の噂は耳に入っておるかの」-南町奉行・筒井伊賀守の内与力・坂崎忠右衛門が臨時廻り同心の山本市兵衛に聞いた。人を殺めず、証拠も残さず霞のように大金を盗む盗賊・霞の鷲五郎の探索を依頼された市兵衛は、その影を追うが、衝撃の真相が待ち受けていた!心優しき爺侍が江戸の治安を乱す悪に名刀・石斬丸で立ち向かう。人気爆発シリーズ第二弾。
愚か者に痴れ者、弾かれ者にろくでなし、寂しがり屋に甘えたがり屋…。日本橋芳町にある「ひなた屋」には、夜ごと浮かばれない連中が集まってくる。みな、切なくて哀しい逸話を求めて、ひなた屋の暖簾を振り分けるのだ。岡場所の元女郎、情も情けもない親分、敵持ちの元藩士、のて者…。読めばほっこりする、「鬼役」で人気の坂岡真が描く傑作人情小説が初文庫化。
出入物吟味人として日暮左近が働く公事宿巴屋に鍛金師の文吉が銀の香炉の代金を払ってもらえないと公事訴訟の依頼に来た。しかし、文吉は何者かに殺害されてしまう。それでも文吉の依頼を完遂せんと動く左近の前に、謎の忍びが現れ、背後には醜い権力者同士の争いがー。左近の無明刀が欲に塗れた悪を斬る!藤井邦夫の代表シリーズ、五カ月連続刊行第二弾。
柏木の旦那は、どうやって飯を食ってるんだ? なんせ、のっぺらぼうで口がないんだから──。その秘密は千太郎が腰に提げた「ひょうたん」にあった。そいつに食わせれば腹に入れたことになるらしい。その大事なひょうたんが盗まれてしまった! 仲間たちは犯人捜しに奔走するが……。心優しきのっぺら同心があやかし騒ぎを解決する、笑えて泣ける妖怪捕物帖第二弾!
みつ屋の個性的な仲間に囲まれながら、つまずいたり悩んだりの成長の日々は続きます。今回もふんだんのあんことたっぷりの謎をご用意。待ちに待ったシリーズ第2弾! アンちゃんがデパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めて八ヶ月。販売の仕事には慣れてきたけど、和菓子についてはまだまだ知らないことばかりだ。でも、だからこそ学べることもたくさんある。みつ屋の個性的な仲間に囲まれながら、つまずいたり悩んだりの成長の日々は続きます。今回もふんだんのあんことたっぷりの謎をご用意。待ちに待ったシリーズ第二弾!
あらゆる不幸を背負い込んだ二人の最凶女子が、この世のすべての理不尽に、マシンガンをぶっ放す!“青たんだらけのビルドゥングスロマン”、ついに解禁!!
青木啓太は、しまなみ海道の壮大な「橋」に心惹かれ、土木工学を学ぶため、家から遠く離れた北の大地にあるH大に入学する。自治寮に入り、大学紹介の活動、フィールドワークのサークルなど、友人たちと青春を謳歌している彼のもとに、母が失踪したと双子の弟、絢太から連絡が入る。あの、どこか抜けていて感受性豊かな母が、なぜ突然消えてしまったのか…。自然豊かな美しいキャンパスで大学三年生となった青年の成長と苦悩を描く。
明治六年東京、侍崩れの男・倉田恭介と、十歳の女の子・サキは、縁あって共に暮らしていた。ある日、大罪人だけを狙った連続殺人事件が起きる。まるで天誅を下したかのような犯行に、いつしか人々は、犯人を闇仏と呼んでいた。その闇仏が次に殺害予告をしたのは大渕伝兵衛だった。閻魔入道と呼ばれ、ありとあらゆる悪事を重ねてきた大渕を殺すことで、世直しの総仕上げにすると。大渕は自身を守らせるため、用心棒として倉田を雇うのだが…。
ネットでよく見る「霊感診断」。まず目を閉じ、深呼吸をする。目を閉じたまま自分の家の前にいるとイメージする。イメージの中で自宅の玄関から中に入り、中の窓をすべて開ける。一旦、玄関にもどる。もう一度中に入り、今度は開けた窓をすべて閉める。玄関にもどる。目を開ける。以上。簡単。ありきたり。こんなので霊感なんてわかるわけない。でも、わたしの家の中には血まみれの死体が何体も転がっていた…。新鋭全開、目眩くノンストップ・ホラー。
教師夫婦が謎の失踪を遂げた「川口事件」。ジャーナリストの杉山康平は、事件の翌年、容疑者の無罪が確定したことに疑いを抱き、取材を始める。辣腕弁護士の妨害に悩まされながら証言を集める杉山だったが、関係者の多くが、重要な部分で口を閉ざしてしまう。一体彼らは、誰を恐れ、何を隠しているのか?狡猾に隠蔽された真犯人の貌に肉薄する、執念のフェイク・ドキュメント。
魅惑的な美貌と肉体を持ったアリシアを運命に恋人としたエウォルド卿は、やがて彼女のあまりの軽薄さに幻滅してしまう。絶望の淵にあった彼に手をさしのべたのは、エジソンだった。偉大な発明家はついに、アリシアを完璧に模した肉体に高貴な魂をそなえた機械人間を生み出すが…
「あなたと会えるのはこれが最後かもしれない。最後かも」かつてナスターシヤが語った言葉に導かれるように、この終楽章が始まる。悲劇的なるものとコミカルなものが融合した「世界一美しい恋愛小説」は、4人の運命を、ある渦巻きの中心に向かって引きずり込んでいく。全4巻完結。