出版社 : 光文社
会社を辞め、再出発のため引っ越した舞衣子。早速痴漢に遭い、無言電話に悩まされる。そんなとき、恋人・啓介に、ひとり暮らしのOLや女子大生を惨殺した犯人の容疑が…。大都会の孤独と恐怖を描く、戦慄のサスペンス力作。
函館山中で白骨死体が発見された。死体は1年前に失踪した、もと帝都大学勤務の女性と判明。一方、青森から上野へ向かう寝台特急「ゆうづる」の車内で退職刑事が殺された。そして死体からは帝都大学の電話番号が書かれたメモが。事件の謎を追う壮と美緒。二転三転する犯人像と鉄壁の時刻表トリック。アリバイ崩し力作。
友人の死…、そして、最愛の者の死ー生きていることと死ぬこと、そこに一体どれだけの違いがあるのだろうか。冷徹な目で見つめ、その本質を見極めるグラフィックデザイナーの第一人者が、生者不可避の「死」をテーマに捉え、読者にいやが応でも個々の結論を迫る、人間触発の凄まじい力書。
下剋上の世の中に、人目をも憚らず、思いのままの奢侈にふけり、数寄風流に命を賭けた京極道誉。後醍醐帝と足利尊氏の宿命的な対決を背景に、荒々しく血なまぐさい南北朝時代を描いた歴史小説の傑作。
窓とドアは閉め切られ、蟻さえ侵入できない密室。そこに他殺死体が転がっていた。犯人はどんなトリックを使ったのか?-古今東西、ミステリーファンを魅了してやまない密室トリック。密室は無限の謎を秘めた小宇宙だ。さあ、50の難事件に挑戦しよう。トリックを見破れるのは、名探偵のキミだけだ。好評シリーズ第5弾。
自らが所属する英秘密情報局に追われる身となったバーナード・サムソン。最愛の町ベルリンに吹く風もいまは冷たく、裏切りと謀略の世界に棲む彼にとって、心を許せる者は幼馴染みしかいない。一連の謎と混沌を解く鍵を握っているのは、東に寝返ったバーナードの妻フィオーナ。彼女の出現で事態は思わぬ展開を…。-名手デイトンの世界的ベストセラー、新三部作『フック/ライン/シンカー』待望の第2弾。
中堅の精密機械メーカー・協和精工の株が密かに買収されている。同族会社の経営陣は、事態の重大さに気づいていない…。彼らの前に立ちはだかるのは“買収王”の異名をとるM&Aの旗手である。東京支社の北池隆史は独自の調査をはじめるが…!?長編企業小説。
110番通報で文京区千駄木のマンションへ急行した警視庁捜査1課・田丸警部は、衝撃をうけた。若い女性が、全裸で両手を縛られ、片足に赤いハイヒールをはいて首を吊っていた。受話器が放り出されている。田丸が拾うと、電話は繋がっていて転井沢署の刑事が出た。なんとその場所も首吊り現場だった。しかも、被害者は全裸で両手を縛られ片足にブーツをはいた若い男性だった。精神科医・氷室想介が、巧妙に仕組まれた完全犯罪、同一犯人による、東京-軽井沢同時首吊り殺人に挑む。抜群のテンポ、絶妙のストーリー展開、あふれる新感覚。度肝を抜く大トリック、推理界期待の大型新鋭が世に問う書下ろし新本格推理傑作。
杉原爽香、十七歳の冬。爽香の中学時代の恩師安西布子と河村刑事は、美術館で久々のデート。彫刻が置かれた庭で河村が意を決して布子にプロポーズをしたとたん、ずぶ濡れの若い女性が助けを求めてきた。何者かに池へ突き落とされたその女の手には、亜麻色のジャケットが…。長編青春ミステリー。
玉井タマ子は12歳を頭に3歳まで、5人の子を抱えて未亡人に。スーパーはえぬきの夫が、社長の妾だった経理部長と心中?「そんな馬鹿な!」タマ子は胆っ玉母さんだ。「ファミリーが団結すれば、真相を暴けるし、どんな強敵も斃せる」と誓う。葬儀屋で生計を立てた。10年後、子どもらは成長。さて一家の社長撃滅大作戦とは?
「中南米の麻薬組織による、コカインの日本持ち込みを阻止せよ」海原首相は特殊部隊の砦洋介に命じた。砦はまずコロンビアのコカイン地帯へ飛び、米軍特殊部隊と協力して、コカの葉絶滅作戦を開始。部隊の面々も日本へ向かう謎の貨客船を追跡した…。麻薬をめぐる政治、経済、軍事問題を、豊富なデータと綿密な取材で描く。
画家・小塩正彦の最高傑作である春画を探してほしいー。カウンセラーにして秘密捜査官の顔をもつ赤垣美晴は、群馬県川場村へ。そこで彼女は、二十年前に小塩が自殺し、絵のモデルをした三人の女性もことごとく殺されている意外な事実に出会う…。性と官能の深淵に鋭くメスを入れた好評“赤い闇の未亡人”シリーズ。
1992年6月、エルサルバドルで過激派が米海軍の最新型核ミサイル・トライデント2Aを略奪。協調路線をとる米ソにとって、この一件は、新デタント崩壊の引き金ともなりかねない。隠密裡に事件の処理にあたる米政府に対し、ソ連首脳はGRUの女工作員を米本土に潜入させ、真相究明にあたる…。-大物スパイと名女優の間に生まれた美貌のスパイ・アーニャをめぐる裏切りと陰謀。事件の背後にリビアの影とソ連上層部の確執が…。
そいつは、とうとうやって来た!それは人か魔物か。刑事の露無は、北海道の知床で物の怪に襲われた。魔物が住む世界へ行かぬかぎり、死が待っている…。物の怪の国への扉を開け!露無もまた魔人と化した-。
1945年7月、ドイツの戦後処理、対日戦略等を協議するためにポツダムに連合国三首脳が会した。その頃、ドイツ駐在の日本陸軍残置諜報員・河村吾郎は、戦犯狩りの追及を逃れ、戦いの時をじっと待っていた。大胆にも三巨頭の暗殺を計画したのである。史実にのっとり、抜群のアイデアと卓越した構想力でパワフルに描いた力作。
お鷹場を荒らす尾白の鷲をめぐって血みどろの葛藤(「鷲」)、名工の兜が持ち主に祟りをもたらす(「兜」)など、不思議な因縁の糸に導かれ、人知を越えた恐怖の世界を、ふと垣間見てしまった人々の運命は?(全十編)。