出版社 : 光文社
ソ連軍部内で大統領暗殺が企てられているー。日本国内では、大統領来日にさいしての警護対策が練られ、砦洋介に率いられる特殊部隊も出動した。刺客は誰か、どこで仕掛けるのか?…湾岸戦争、ペレストロイカの現状、北方領土問題など現実の世界情況を、軍事分析家の著者が新聞未発表の情報などを駆使して描く衝撃作。
おれは26歳、強靭な肉体を誇る。ある夜、絶世の美女に迫られ、男の液を放つ。「夢精した」と気付くと、おれは棚の天女像を見上げた。股間が汚れている。『日本霊異記』に同じ話があるので、驚いた。棚の一方には誰かの髑髏がある。おれは愛液で、それを磨き、供養したつもりだ。が、不思議な現象が次々と…。他に会心作を満載。
60人を越す死者が出たバスの転落事故で、たった一人生き残った男…宝くじを買えば、その賞金の十倍という袋くじの特賞に当たる。果たして、この世の中にそんな男が存在するのか?写真週刊誌の記者・白岩百合子は、彼に興味を持ち、追跡を開始するが…(表題作)。小気味よい推理短編の醍醐味。
南紀・白浜で女性が毒殺され、その所持品から呼び出しの手紙が発見された。差出人はT・H。そして、手紙と同じイニシャルの男性が、「私がやりました」という遺書を残して潮岬で死んでいた。同じ頃、伊豆・下田を訪ねていた壮と美緒も、殺人事件に巻き込まれた。南紀と伊豆を結ぶ見えないラインとは。逆転トリックの本格推理傑作。
南米の熱帯雨林の奥深く、人跡未踏のギアナ高地で、昆虫学者アザートン教授率いる米化学探険隊が新種の毒グモを捕獲。が、この大発見は、同時に恐怖の予兆でもあった。聖域を冒され激怒したクモは、現地でカメラマンを殺し、さらに棺に隠れて米本土に潜入。異常繁殖した毒グモは次々と殺人を重ね、カリフォルニアの田舎町はパニックに…。-S・スピルバーグとフランク・マーシャルのコンビがディズニー映画より放つスリラー・コメディの完全小説化。
かつて、これほど凄惨な殺され方をした少女がいただろうか。-毒殺、絞殺、撲殺、刺殺、溺殺、同時に5通りの方法で殺されたのだ。その少女は『シンデレラ計画』というタレント誕生コンテストで1位になり、アイドルの座を約束されていた。精神科医の名探偵・氷室想介と警視庁捜査1課・田丸警部は、前代未聞の五重殺の謎に挑む。だが、あざ笑うように、『シンデレラ計画』の関係者が毒殺、絞殺、撲殺…と順番に少女が殺されたのと同じ方法で1人ずつ殺害されていく…。意表をつく大トリックと戦慄のサスペンス。圧倒的評判の大型新鋭が書き下ろした新感覚の本格推理傑作第2弾。
愛欲を貪り尽くして飽くことを知らぬ女。運命に抗いつつ哀しみに溺れていく女。肉体を武器に世の中をわたっていく女。男を騙す女、そして騙される女。これら百花繚乱の芳香豊かな華々しき女性たちの人生模様を、自在の筆をもって、あますところなく描ききる。元祖超流行作家・梶山季之のきわめつき傑作小説集、登場。
虫売りを生活の足しにしている浪人の妻・紀乃は、いつしか我が身をもひさぐ運命に(表題作)。-江戸の市井に生きる人々が織りなす人間模様を、世話物の名手が哀感・情感漂う筆致でしみじみと描いた珠玉小説集。
強大な大内、尼子、二氏の間に挟まれた弱小な毛利家当主となった二十七歳の元就。冷酷な策謀を弄して容赦なく敵を屠り、『三本の矢』のごとく三人の子らも協力して、中国地方の大半を制覇。長州藩の基礎を築く。
ゴルフ場建設反対運動のリーダーで老人ホーム所長・由利勝が変死した。事故としか考えられない状況だ。ところが、反対運動を引き継いだ由利の息子・徹までひき逃げされて急死。二人の死に不審を抱いた由利の娘・美香と、四人の老人が独自の捜査を開始する。彼らは由利と対立していた町の有力者・松井と、彼に雇われた暴力団・星野組を必死にマーク。が、彼らの背後には驚くべき黒幕が、そして大胆なトリックが?事件を追う美香は戦慄の真相に迫る。しかし一転!美香は絶体絶命に。そして第三の死が。二重三重の逆転劇、著者得意の本格サスペンス推理が長編書下ろしで登場。
明治半ば、警視庁警部・戒能兵馬は、上司斬殺という無実の罪で投獄。北海道釧路集治監に移された戒能は、地獄の硫黄鉱山で使役に。復讐を胸に脱獄し、途中、手負いの狼を助ける。原野を彷徨う彼らを、拒捕斬殺の使命を帯びた追跡者の容赦ない攻撃が…。暗黒の北海道開拓史を背景にした復讐と慕情のサバイバル・ロマン。
「気が小さいのさ」あたしが覚えている彼の最後の言葉だ。あたしの恋人が殺された。彼は最近「狙われている」と怯えていた。そして、彼の遺品の中から、大切な資料が盗まれた。女流推理作家のあたしは、編集者の冬子とともに真相を追う。しかし彼を接点に、次々と人が殺されて…。サスペンス溢れる本格推理力作。
流葉爽太郎は、L・AでCFロケの最中、クルマを盗まれた。近くを通りかかった美少女のクルマを停め、追走。やっとのことで犯人を捕える。後日、流葉はTVのテニスマッチでプレーする彼女を見た。そして、CFに起用。ところが、彼女の周囲には謎の男たちが…。L・A、東京、セイシェルを舞台にミステリアスに展開するシリーズ第8弾。
関ヶ原の役後、天下統一を目ざす家康は、冷酷非情なまでの豊臣潰しを画策。風雲急を告げる大坂城に、真田忍者群は精巧な手投げ弾、犬・猿・蛇から鼠まで奇抜な武器を駆使して、壮絶な死闘を展開した。
便利屋・芳賀連太郎が帰って来た。刑事を辞めて便利屋稼業を始めた俺だったが、ろくな仕事の依頼がない。今回も懲りない俺は、美女の甘い罠にまんまと引っ掛かって、殺人の片棒まで担がされてしまった。セクシーな悪女が勢揃いする、大好評“便利屋シリーズ”第2弾。
漂泊の俳人山頭火を研究していた老作家が殺された。しかも、厳重に保管された遺稿の文字が消されて…。さらに、ただ一人遺稿の内容を知る女性編集者が失踪。遺稿に秘められた山頭火の謎とは何か?事件に疑問を持った女性編集者の同僚は、山頭火の足跡を追って、中国路へ向かう。文学史の謎と推理を融合した傑作。
日美子は友人の皆川昭子に招かれた。タロット占いのお礼にご馳走したいという。ところが昭子は何者かに刺し殺されていた。数日後、昭子から1枚のタロットカードが届いた。調べてみると歌麿の筆によるものらしい。さらに昭子の夫・治郎の許に脅迫状が、そして治郎も…。友の死に迫る日美子の名推理。