出版社 : 光文社
青年貴族のフランソワは、社交界の花形ドルジェル伯爵夫妻に気に入られ、彼らと頻繁に過ごすようになる。気さくだが軽薄な伯爵と、そんな夫を敬愛する貞淑な妻マオ。フランソワはマオへの恋慕を抑えきれず…それぞれの体面の下で激しく揺れ動く心の動きを繊細に描きとった、至高の恋愛小説。
奇想天外な発想。ドキドキする展開。絶妙なオチ。ブラックな笑いや心あたたまる結末ー。小さな物語たちには無限の可能性が秘められています。どうぞ、新たな扉を開けてください。思いもかけなかった別世界への冒険の旅が待ち受けています。きっと繰り返し読みたくなるお気に入りが見つかるはず。そして、次はあなたもぜひ創作にチャレンジしてくださいね。
夜叉萬と綽名される北町奉行所の隠密廻り方同心・萬七蔵。その御用聞を務める元女掏摸のお甲は、幼い頃に自分を捨てた母・お泉と再会。お泉から、岡場所より消えた武家の内儀を捜してほしいと依頼される。一方、七蔵は本両替商の手代・惣三郎が行方不明となった事件を追うが、二人はやがて、暗い欲望を持つある男の元へ辿り着くー。名手による傑作シリーズ!
因縁めいたつながりのある人々が集った“高原ホテル”。法廷で決定的な証言をし無罪をもたらした女性と結婚した千葉。大企業の社長令嬢の婿となった記憶喪失の男、辻川。彼の出現により未来を失った安西…。奇しくもホテルに同行した片山刑事たちは、複雑な人間閑係が巻き起こす事件に対峙する。そして、ホームズの可愛らしい後輩も登場!国民的大人気シリーズ第51弾!
一九九五年三月二十日、丸の内で起こった無差別乱射事件。カルト教団『シンラ智慧の会』による凶行の首謀者は、忌まわしき過去を背負う教祖、天堂光翅であった。彼や教団に関わった者たちの前に現れる一匹の煌めく蝶。金色の翅が導くのは地獄か、それとも……。平成を揺るがすテロ事件が生み落とした絶望とかすかな希望を、幻想的かつスリリングに物語る衝撃作!
順風満帆とも、波瀾万丈ともいえない人生。出張へ向かう新幹線で受けた一本の電話から、すべてが狂い始める。息子に、覚せい剤を使った疑いがあるという。警察に追われる次男、意外な姿を見せる長男、そしてーある秘密を抱える妻。次々と災厄が降り注ぐなか、中年にさしかかった男に家族の意味が問われる。この時代に生きるすべての人へ贈る、著者渾身の一作。
警視庁刑事・紗倉芽衣子は、学生時代、六本木のSMクラブで、ナンバーワンを誇った女王だった。そのころ垣間見た六本木の裏社会を浄化すべく、芽衣子は刑事になった。水商売の人脈を伝手にした情報網「六本木水脈」と、華麗な鞭捌きを武器に、芽衣子が巨悪に立ち向かう!芽衣子は、暴漢に襲われた総理夫人の警護を命じられるが、背後に大事件が隠されていた!
大学で法制史を教える山根辰雄は、古書店で集めた本に、同じ蔵書印があることに気付く。その持ち主は亡くなっていたが、両親と妻の幸子は健在で、問い合わせると家に招かれた。そこでは、若くて魅力的な幸子を中心に、青年客たちが客間に集っているのだった。ミステリアスな家族の周りで起こった事件を描いた表題作他一編を収録した傑作小説集。
父が倒れたのをきっかけに富山県にある実家の「はなまる造園」を継いだ咲和。東京育ちの咲和は雪国の勝手がわからず、年下の涼太に怒られる日々を過ごしていた。そんな中、小学校の花壇づくりの仕事を通して教員・朝倉と親しくなる。朝倉は近所の寺を一人で切り盛りする住職でもあり、その優しい人柄が、咲和の固くなった心を解かしていってー。
老中水野忠邦と目付鳥居耀蔵の悪政を正すべく将軍家慶の「闇御庭番」となった菅沼外記。卑劣な「三方領知替」の計画を実現させようと庄内藩に隠密を放った水野らの企みを阻止すべく、家慶の命を受けた外記らは芭蕉の『おくのほそ道』を辿る旅に出る。道中、隠密たちとの攻防と知恵比べの果てに、酒田湊でついに決戦!時代小説の醍醐味が詰まったシリーズ第二弾。
戦国の世、尾張の国に生まれた堀尾吉晴は、秀吉と出会い、頭角を現し、幾多の戦いに参加。信長からも「わが者ぞ」と呼ばれる存在となる。秀吉の軍師・竹中半兵衛、尼子家再興を目指す山中鹿之介らとの出会いを通して「治国平天下」を志す武人となった吉晴は、鳥取城、備中高松城などの戦いで、優れた交渉人としての活躍も見せる。歴史に埋もれた名将を描いた超大作!
信長の死後、覇権は秀吉が握ることとなった。秀吉麾下の堀尾吉晴は、ともに戦ってきた部将や、肉親の死に直面しながらも激動の時代を生きぬく。家康の天下を迎え、出雲・隠岐二十四万石に移封された吉晴は、宍道湖のほとりに松江城を築く。それは長く続いた戦国の世の終焉を意味するものだった…。今こそその人生に学びたい屈指の英傑の物語、ここに完結!
将軍家毒味役の矢背蔵人介は、姿を消した養母志乃の行方を案じていた。ある日、長州萩藩毛利家の重臣が襲われたところを蔵人介が救う。刺客は同じ毛利家の下士で、矢背家をつけ狙う刺客「痩せ男」と同じ技を遣った。再び「痩せ男」の影を追う蔵人介だが──。ついにその正体が明らかになる。そして気になる消えた志乃の行方は……。超人気シリーズ、驚愕の二十六弾。
新潟県の三条署管内で、松本在住の戸板紀之の変死体が見つかった!松本署の刑事・道原伝吉は相棒の吉村巡査と現場に急行する。戸板について調べを進めるうち、昨年、娘の婚約者が北穂高岳からの下山中に転落死していることが判明する。二つの事件はつながっているのか?捜査が難航するなか、機動隊員が拳銃を紛失するという大事件が発生。その三日後に善光寺の仲見世通りで銃撃事件が起こった。すべての事件は、35年前の夜、三条駅近くの線路であった、不可解な出来事に端を発しているのかー?
あるきっかけで、同級生のエミールが気になって仕方がないユッキー。彼女の気を惹きたいのと、ひとりでは手に余るのとで、おそるおそる、声をかけた。「ダイイングメッセージって判る?相談に乗ってもらえないかなあ、と思って」ふたりは、失われた事件の道筋を辿りなおして、真相に到達することができるのか?事件は20世紀に起こった。時を経て、21世紀の彼女たちが驚くべき真相に辿りつく。記憶違いと忘却で、こんがらがった謎をほぐす、追憶と慕情の本格ミステリー。
ドッグシッターの風太に一通の喪中はがきが届く。以前交際していた美咲の訃報だった。まだ32歳なのにと驚く風太。ほかの別れた恋人、蘭、エミリのことも思い出し連絡を取ろうとするが、消息がつかめない。彼女たちの友人、住んでいた家、通っていた学校…三人はまるで存在しなかったかのように、一切の痕跡が消えてしまっていた。友人の雪枝、裕一郎とともに謎を追う風太。辿り着いた驚愕の真相とは…前代未聞、必涙のラスト!!第11回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。
小石川傳通院の裏で五人の沼津藩藩士が斬殺された。背後に、妖刀村正に似た無銘刀を遣う凄腕の剣客の存在が浮かび上がる。汐崎藩御刀番頭の左京之介は、度重なる襲撃に怯える沼津藩藩主・水野忠成の懐刀で、これまで対立していた土方縫殿助から助けを求められる。土方の求めに京之介が下した判断とはー。霞左文字が権力者たちの謀略を斬る!感動のシリーズ最終巻。
廓の用心棒・神守幹次郎は、姉妹の売れっ子見番芸者が、禁忌を犯し客と床入りをしているとの噂を聞く。同時に年の瀬、煤払いの賑やかな吉原で、二人の間抜けな掏摸が捕まる。二つの小さな出来事の陰には、吉原を貶める大胆な企てが蠢いていた。命を懸け大捕物に挑む幹次郎は、苦悩の果てに、新たな使命を心に誓うことになるー。急展開を迎えるシリーズ第五弾。
東北に甚大なる被害をもたらした地震は、東京をも揺るがした。震災をきっかけに小説が書けなくなった桜城葵、被災地出身の作家で、いまは筆を折っている武山洋嗣。二人の担当編集者である山下亜依子は仙河海市を訪れた。葵の取材に同行するとともに、武山を探し出し、震災と向き合った作品を書かせるためにー。それぞれの思いが込められ、作品が紡ぎ出される。