出版社 : 光文社
神奈川県の強豪校・湘大藤沢の四番打者だった島野は、今はスポーツライターとして活躍している。事故死したライバル校のキャッチャー・中尾の十三回忌が営まれた夜、預かった彼の戦術ノートを奪われてしまう。なぜノートは狙われたのか?探り始めると、あの夏、球友が隠したある秘密の存在が明らかに…。元球児たちの友情に心熱くなる、高校野球ミステリー!
勤めていた東京の会社が倒産した戸叶は、妻の実家である地方都市の漬物店で働くことに。だが家庭でも職場でも肩身の狭い日々が続き、スナックで働く離婚歴のある女・陽奈子と関係を結んでしまう。陽奈子の豊満な肉体に溺れ、安らぎを感じる戸叶。そのころから二人の身辺で異常な出来事が相次いで起こり始める…。期待の女性官能作家が新境地を開く官能サスペンス!
旗本の息子・水月天一郎と御家人の息子たちで営む読売屋“末成り屋”。謎の女お慶と同居する読売屋の売子・唄や和助が襲われ、囚われの身となった。朋輩の救出に決死の覚悟で臨む天一郎たち。一方、“末成り屋”の後見をしている座頭の玄の市にも危機が迫る。天一郎の怒りの剣は友情と正義を貫けるか。感涙必至のラスト!人気上昇中の著者渾身のシリーズ第五弾。
両替商「肥後屋」の娘が拐かされた。監禁されたお小夜は、見張り役の又八の顔を見知っていた。かつて、どぶ川で溺れかけた子猫を、お小夜の求めに応じて又八が助けたのだ。金持ちの蔵屋敷と、日々の暮らしもままならない者たちの街を隔てるどぶ川。その川が引き離す大店の娘と貧しき若者の淡い恋を、角野忠兵衛は救うことができるか!?(表題作)精選シリーズ第六弾!
小普請組の御家人ながら内職で占いをする鏑木左京之介。その前に、占いの師匠・白浪から紹介されたという男が現われた。しかし、貸本屋を営む鳩六というその男は、次第に具合が悪くなり亡くなる。鳩六のほかにも江戸で不審死が続出。その死に方から呪いを疑い、呪術師を当たり始めた左京之介にも、黒い闇が襲い掛かるー。不思議な作品で鳴る著者のシリーズ第二弾。
黒門町は上野・不忍池の畔にあり、将軍家ゆかりの寛永寺の門前にちなんだ町名といわれる。その地で十手をあずかるのが、遠山奉行のおぼえもめでたき名うての岡っ引、本編の主人公、伝七親分だ。大衆文壇の巨匠たちの理想と遊び心が溢れ、銀幕の名優が演じた伝説の時代劇ヒーローが復活。お江戸を騒がす悪党どもを追って町を疾駆る伝七親分の胸のすく活躍!
女四人の同窓会。酔いから醒めると、全員が一室に閉じこめられていた。暗闇に潜む、恐るべき悪意とは?(表題作)縁日のお化け屋敷で消えた夫と娘。必死でふたりの行方を探す妻を、戦慄の結末が待ち受ける。(「お化け屋敷」)仕事に疲れた中年男が二十五年ぶりに帰郷した。再会した旧友たちが仕掛けたのは?(「昭和の夜」)一読忘れがたい印象を残す「奇妙な味」の小説集。
大手テレビ局「帝国テレビジョン」での仕事に昼夜、オンオフの区別はない。恋も夢も曖昧なまま、それぞれの“戦場”に向かう日々-憧れと現実のあいだで揺れる5人の女性の切実な生き様がここにある。仕事、恋愛、夢、希望、葛藤…。等身大の思いが胸に響く、すべての戦う女性たちに捧げる物語。リアルにビター、だけど必ず前を向きたくなるお仕事小説!書下ろしエピソードを加えて刊行!
昼夜逆転の生活。昼間は眠そうで不機嫌、ときどきアルコールが入っている。嫌われてもひかれても気にしない。中世スペインを中心にした西洋建築史の専門家で、休暇はスペインで過ごすー。学長選挙の迫る地方国立大学に新たに赴任してきた袋井准教授。型破りな「フクロウ」は、閉塞感漂う学内のムードをものともしない。次々とトラブルに首を突っ込み、教授たちのスキャンダルを暴き立てていく。彼の目的は、いったい何なのか?
高位の霊的存在である僕は、『我が主様』によって、不本意ながら黒猫の姿で地上に派遣された。この世に未練を残し地縛した魂を『我が主様』のところへ導くのが仕事だ。記憶喪失の魂と出会った僕は、昏睡状態の女性の体にその魂を入れ、彼女の飼い猫として、街の魂を救い始める。だが、魂たちはなぜかある製薬会社に関係する人物ばかり。その会社では、怪しい秘密の研究が行われていたようで…!?現役医師がホスピスを舞台に描いた『優しい死神の飼い方』に続くファンタジックミステリー第2弾。
コーポ中里ー。枇杷の木が茂る四階建ての古い鉄筋アパートには八世帯が暮らす。二十数年前、母子家庭の幼児が行方不明となった事件に、住人たちは誰もが口を閉ざす。苦しみを背負い、ひとり住まいのままこの世を去った女は、何を思い、どんな風に生きてきたのだろうか。家族の愛憎と、人間の身勝手さ、生きていくことのままならなさを描く、注目の作家「カトゲン」の、ざわめく新しい世界!!
孤児のジュディは文才を認められ、ある匿名の紳士の援助を受けて大学に通わせてもらえることに。新たな環境で発見と成長の日々を送りながら、ジュディは「あしながおじさん」と名付けたその紳士に、お茶目な手紙をせっせと書き送るが…。世界中で愛読される名作を新訳で。
太刀川要が深夜に遭遇した異様な大きさの黒犬は、半死半生の状態だった。動物病院へ駆け込むと、不可解なことに判別不能の犬種で獣医も戸惑うばかり。やがて始まった共同生活は、かたくなに孤独を貫く男の見慣れた風景を変えていく。そして湧き起こる、ある疑惑の真相とはー。ジョンの眼差しを通じて見つめる人の営み、滑稽さ、哀しみ。淡く胸に迫る大人のファンタジー。
中学教師になって五年の美佐子は、校内のスクールカウンセリング担当に任命される。新年度から新しいカウンセラーを迎えることになったのだが、現れたその人は、なんとぶたのぬいぐるみだった!その名は山崎ぶたぶた。彼が中庭でカウンセリングを始めると、生徒たちの強張った心が、ゆっくりと、ほぐれてゆく。ストレスもお悩みも、ぶたぶた先生にお任せあれ!
石工会社の社長が、採石場で岩の下敷きになり亡くなった。調査を頼まれたケンジは、現場に残されていた黒い粉に気づく。(「哀しき火山弾」)堅固な二重扉に錠が掛かったままの土蔵から、家宝の掛け軸が盗まれた。犯人はどこから入りどこへ消えたのか!?ケンジが披露した驚くべき推理とは?(「山ねこ裁判」)名探偵・宮澤賢治の活躍を描く話題のシリーズ第二弾が登場!
パリ市内のアパルトマンでルーマニアからの亡命将校が射殺され、床には“DRAC”の血文字が残されていた。その一週間後、今度は被害者の女性たちが全身の血を抜かれる連続猟奇殺人が発生、通称“吸血鬼”事件がパリを震撼させる。旅先から戻った矢吹駆は、一連の事件の犯人が遺体に動物の「徴」を添えていることを指摘するが…。名探偵矢吹駆シリーズ、待望の第6作!
“ヴァンピール”事件はまだ終わっていない。今度はルーマニアから亡命した元女子体操選手が全身から血を抜かれ殺された。ルーマニア将校射殺事件と“ヴァンピール”事件には、やはり関係があるのか!?そして神経を病んだ女子大生ナディアに救いは訪れるのか!?矢吹駆の現象学的推理が、血に魅入られた犯人の正体と意図を導き出すとき、驚愕の真相が浮かびあがる!