出版社 : 光文社
「SD」特殊部門として組織された即応班は、公安部局の中では「体制の犬たち」と揶揄されていたー。捜査一課特殊部隊を辞職し、SDに加わった木谷赫音は、名うての狙撃手の娘だった。フィリピンの天然ガスの洋上プラントがテロリストに襲撃され、日本の経産大臣が人質として囚われた。赫音は仲間とともに決死の戦いに挑む。著者渾身の「狙撃手シリーズ」新展開!
株のインサイダー取引事件を捜査していたベテラン刑事・戸田が、突然の解任辞令を受け退職に追い込まれた。疑惑をかけられたまま病に倒れた戸田。彼を慕う元部下の沢井は、事件の背後に暗躍する警察上層部の黒い人脈に気づく。「警察の中の警察」監察チームの三人は、孤立無援の沢井を助け、私腹を肥やし続ける巨悪へと斬り込んでゆく。大ヒットシリーズ第三弾!
十年前に解散した女性三人組アイドル・トライスター。彼女たちが所属していた事務所の元社長が他殺死体で見つかった。犯人は元ファンクラブ会長。彼は、自身のブログで元社長殺害をほのめかした直後、服毒自殺していたのだ。だが、トライスターのメンバー内に共犯者がいたことがわかり…(表題作)。名探偵・法月綸太郎が六つの難事件に挑む“星座シリーズ”後編。
劇団員の夏帆は、住宅地図調査のアルバイトで小学生時代に住んでいた街を訪れた。同級生の家に招かれた彼女は、途中の夜道で通り魔に襲われてしまう。怪我は軽かったが、同じ頃、近くで女性が殺されていた!被害者は、ある過激な新興宗教の信者だったらしいのだが…。ありふれた住宅街に渦巻く疑惑、恐怖、殺意。日常に潜む悪意をえぐり出す傑作ミステリー。
いつも行く食堂で出会った女の名は、広美といった。気づけば死んだ妻に代わり、子供たちの面倒を見てくれるようになっていた広美。しかしまたある日突然、彼女は家族の前から消えてしまう。身体一つで、別の町へと去って行ったのだー。家族から次の家族へ、全国をさすらう女。彼女は一体誰で、何が目的なのか?痛快で爽快な、誰も読んだことのない女一代記。
突然町に現れたキャンピングカー。その中で夜毎音楽を奏でるのは、アッティルカイラーと名乗る不思議な放浪集団だった!いぶかしみながらも彼らに近付く界隈の住人は、途端にそのにぎやかな調べに魅了される。音楽がもたらす幸福の輪は少しずつ広がっていき…(「アッティラ!」)。第四回小説宝石新人賞を受賞した表題作の他二編を収録。やさしさあふれる作品集。
デビュー以来、特異な舞台設定と徹底したロジックの追求という独特の作風で、数々の傑作を生み続けている著者。今回、その石持ミステリーのエッセンスが凝縮した連作短編シリーズの、「第一話」だけが一堂に会した!パラレルワールド、社会派モチーフ、安楽椅子探偵など、多種多様な趣向の魅力が横溢する短編集にして、「石持浅海・入門の書」ともなる待望の一冊!
南町奉行所定町廻り同心をやめ、いまでは船頭として生計を立てる沢村伝次郎。世話になった先輩同心・酒井彦九郎が殺害され、真相を突き止めるべく下手人捜しに奔走するが、彦九郎の周りにいた小者たちが次々に殺害される。いったい下手人の思惑とは何かー。そしてついに、真相が浮かび上がってきたとき、伝次郎に凶刃が襲い掛かる。爽快感満載のシリーズ第十一弾。
時は室町。足利幕府の体制は、大名家の権力争いで大きく揺らいでいた。八代将軍義政は、弟の義尋を次期将軍に指名するが、義政の妻・富子に長男が誕生し、後継者問題が勃発。有力大名を巻き込み、武力抗争へと発展する。敵と味方が相乱れ、京の町を焼き尽くした「応仁の乱」。十一年続いた乱の真相を、義政、富子など、当時の重要人物の視点でスリリングに描く。
御広敷用人として将軍吉宗の寵姫・竹姫を担当する水城聡四郎は、竹姫を襲い怪我を負い養生していた女忍の袖に突然、襲われる。一方、これまで大奥の主となってきた天英院の企てた茶会の罠を将軍吉宗の助けで乗り切った竹姫に、新たな罠が仕掛けられた。それに対して、竹姫を護るために聡四郎が打った「秘策」とはー。ますます好調のシリーズ、手に汗握る第七弾。
雷鳴轟く激しい夕立が過ぎ去った四谷石切横町の一角、天をつく大銀杏の袂で雷に撃たれた若い美女の死体が!すぐそばには青い大蛇の骸が転がり、その奇怪な構図が見物人の背筋を凍らせた。女は芸妓あがりのあばずれで、蜘蛛の賭博に絡みがあるらしいが…。(『蜘蛛の夢』)。根強い人気を誇る「半七捕物帳」シリーズ同様怪奇趣味に溢れた探偵譚、全十二編を収録!
パリ=リヨン間を二時間弱で驀進する高速鉄道TGV。終着駅までの乗客は、サングラスの老人と二人の警察官、そして死者。永年勤続休暇を利用してパリを訪れた愛媛県警察部の外田保丞警部。知遇を得ているフランス国家警察のポンメルシー警視正とともにTGVでリヨンに向かうが、同じ車内で日本人外交官の射殺死体が発見され、なぜか捜査に巻き込まれることに。しかし、外田が追い詰めるべき犯人は、鉄壁のアリバイと日仏両国の法律に、幾重にも守られていたー。解らんかったら喋らせろ。証拠が無いなら作らせろ。「犯人をして自ら語らしめる」ために仕掛けられた、外田の逆トリックが冴え渡る!
戦国時代。四国山中の小さな村に雑兵が乱入、村長の家に匿われていた謎の子供二人と秀太、鶴吉兄弟はじめ村の子供を拉致。しかし、闇深き道に一行は方向感覚を失い、もののけが多く棲むという不吉な「逢魔が山」へと入り込んでいくー。本当の勇気とたくましさとは?
環状八号線で偽装外交官ナンバーのSUV車が事故に巻き込まれた。乗っていたのは医師二人と麻酔薬で眠らされた男女で、拉致事件の疑いがかかり、捜査一課で祖父も警察官だった南雲、娘が心臓移植待ちをしている茂木らが捜査にあたる。調べが進むうち、厚生労働省の向井俊介が調査中の年金詐取事件とこの拉致事件のかかわりが見えてくる。その背後には複雑な問題をはらんだ哀しき組織的犯罪があったー本格トリックを織り込みながらも、真の正義とはなにかを問う力作ミステリー。
故郷で悶々とした生活を送るなか、フレデリックに思わぬ遺産がころがりこんできた。パリに舞い戻ったフレデリックはアルヌー夫人に愛をうちあけ、ついに媾曳きの約束をとりつけることに成功する。そして、運命のその日、二月革命が勃発するのだった…。自伝的作品にして歴史小説の最高傑作。
大身旗本西条家の息女美雪らは、将軍家綱の命で銘刀と朱印状を大神神社に奉納するため大和国へ。一行は甘樫山で紫檀色の忍び装束集団と遭遇し、古の権力闘争の生んだ「怨念」が復活する兆しを告げられる。更に母の生家曽雅家に着いた夜、美雪を十三名の夜盗が襲撃する!曽雅家に絡む“六千万両の財宝”とは?千年を超える暗闘に浮世絵宗次の剣が颯爽と斬り込む!
最高遊女・浮舟の二代目、三代目だった女が次次に殺された。思案橋の袂で。宗次は、凶行の陰に、希有な美貌を持つ初代浮舟・お夕の苛酷な運命があると知るが!?(「思案橋 浮舟崩し」)。人の腹肝を抉る辻斬りが江戸を騒がす「お待ちなせえ」、義賊と宗次の“優しさ”が交錯する「知らねえよ」、大店から大金が消えた謎を宗次が追う表題作。宗次の位高き揚真流剣法が「邪」を斬る!!