出版社 : 光文社
旗本・御家人の救済のために借金を棒引きにする棄捐令を出す。それによって困窮する札差を支援するため幕府が金を下すー。貸し下げ金二万両の差配をした結城屋三津五郎に柚木源九郎は不審をいだいていた。上州の侠客・国定忠次との関わりも疑われた。武士の矜持を失った直参を相手に、結城屋が画策した謀とは…。般若同心が正義の十手で、大きな闇に挑む!
南町奉行所の元定町廻り同心でいまは船頭として生計をたてる沢村伝次郎は、ある日、川を流れてきた女の骸を発見する。かつて同僚だった同心から探索の助を頼まれ、事件に関わることになるが、伝次郎の前に今度は敵討ちのために江戸に出てきた若き侍が現れる。そして、探索と敵討ちの助で大忙しの伝次郎の眼前に生涯最大の強敵が。泣ける最高傑作のシリーズ第十二弾。
信長に仕え二十年。丹後丹波を平定し一国の主となった光秀。齢六十を過ぎたが、嫡男は幼く、まだまだ隠居はできない。主君の覚えを得るためには武勲を上げ続けねばならぬのだが…。安土で家康への饗応を命ぜられた光秀は失態を演じ、主君の不興を買う。不安に駆られる光秀に追い打ちをかけるような下知が。領地召し上げ。追い込まれた光秀が兵を挙げた先はー。
南町奉行・大岡越前は、汐留沖の島に四季の草花が咲く行楽地を作った。島に巣くう犯罪者を一掃し、江戸の庶民の遊楽地とするためだった。だがその島に、老中を襲撃して逃亡した浪人・宮坂弦九郎が潜伏しているという。大岡より弦九郎探索の命が、なぜか忠兵衛に下るが、その理由を大岡は語ろうとしない…。(表題作)人情同心・角野忠兵衛の活躍を描く精選シリーズ第五弾!
八代将軍・吉宗の寵姫である竹姫が大奥女中の雑用を引き受ける男衆の五菜に襲われた。竹姫の操を奪おうとした行為に吉宗は激怒。竹姫付き御広敷用人の水城聡四郎は吉宗の命を受け、竹姫を襲った五菜の背後にいる「真の敵」を炙り出すべく動き始めた。さっそく刺客に狙われた聡四郎は、はたして「敵」をどう制圧するのか。好調の人気シリーズ、躍動感満載の第八弾。
完全に意識はあるが肉体が動かず、周囲に死んだと思われた男の視点から綴られる「オリヴィエ・ベカイユの死」。新進気鋭の画家とその不器量な妻との奇妙な共犯関係を描いた「スルディス夫人」など、稀代のストーリーテラーとしてのゾラの才能が凝縮された5篇を収録。
池袋の繁華街。雑居ビルの空き室で、全身二十カ所近くを骨折した暴力団組長の死体が見つかった。さらに半グレ集団のOBと不良中国人が同じ手口で殺害される。池袋署の形事・姫川玲子は、裏社会を恐怖で支配する怪物の存在に気づくー。圧倒的な戦闘力で夜の街を震撼させる連続殺人鬼の正体とその目的とは?超弩級のスリルと興奮!大ヒットシリーズ第六弾。
正式に探偵社に入社した井上雅也。だが、地味な仕事続きで不満気味。そんな折、社長の金城から任されたのは、商社マンの美しき妻・志津恵をクリニックへ送迎することだった。渋々引き受けた雅也だったが、一目で彼女に魅了される。着々と仕事を進める中、送迎車の消失や謎の男からの暴行など予期せぬ事態が起こる。探偵社の面々を待つ驚愕の真実とは!?シリーズ待望の第二弾!
フリーライターの真以が書斎がわりに使う、東京郊外の寂れたファミリーレストラン。奥の隅の席が定位置のハルお婆ちゃんは、知る人ぞ知る名探偵ーそして実は幽霊だ。真以から風変わりな事件の話を聞くと、たちどころにその謎を解き明かしてゆく。様々な事件の背後に隠された、時にユーモラスで時に切ない真実とは?大人気シリーズ、待望の続編がついに登場!
最先端のイラストレーターを目指す乾純は、京都から上京し、念願の美大に入学した。その意気込みとは裏腹に、入学式の日は寝坊するし、学校生活にも馴染めない。ところが、一人の風変わりな同級生との出会いから、退屈知らずのロックな日々が始まった!初めてだらけの体験に、悩みつつ弾ける十代の僕。読めば愛おしさがこみ上げる、みうらじゅんの自伝的青春小説。
明治十七年、伊藤博文邸の新入り書生となった杉山潤之助の手記を、小説家の「私」は偶然手に入れた。そこに書かれていたのは、邸を襲った、恐るべき密室殺人事件の顛末だった。奇妙な住人たちに、伊藤公のスキャンダル。不穏な邸の空気に戸惑いつつも、潤之助は相部屋の書生・月輪龍太郎とともに推理を繰り広げる。堂々たる本格ミステリの傑作、シリーズ第一弾!
かつて学生運動に身を投じ、いまはキャリア警察官として埼玉中央署に勤務する二条実房。ある日、二条のもとを元同志であり現役の非合法活動家である我妻雄人が訪れ、自分の恋人である活動家の佐々木和歌子を電車内で殺害したと自首する。だが、我妻は動機を一切語ろうとしない。親友として、和歌子のかつての恋人として、なによりも真相のため二条は我妻と対峙する!
神戸の住宅街に住む古畑夫妻と娘の香が、生きたまま焼かれるという猟奇的殺人事件が起こった。香の夫で勤務医の雅貴にはアリバイがあり、香の不倫相手の水嶋周平が参考人として調べられる。自らの無実を明かすため真相を探り始めた周平は、やがて古畑が阪神淡路大震災前に地上げに加担していたという秘密の過去にたどり着く。残忍な事件に隠された驚愕の真相とは!?
アルスラーンが即位して三年。十八歳の若き国王の下、パルスの国情は安定し、着実に国力を盛り返しつつあった。だが、奴隷制度を廃止した「解放王」に対して、特権を失った旧名門貴族たちの間には遺恨が拡がっていた。さらに、ミスルやチュルクなどの隣国も、パルスへの野心をむき出しにし始める。さらなる波乱を予感させる、大ヒットシリーズ第二部が堂々開幕!
直参の谷地友次郎が何者かに殺された。柚木源九郎が調べをすすめると、その裏側に有力札差と棄捐令に関わる大きな闇がー。幕府による二万両の貸し下げがあった。この莫大な金子を、結城屋三津五郎が差配していたという。源九郎は、結城屋と懇意にしている侠客の辰五郎を訪ねるが…。男の器量の真っ向対決!般若同心は真相を探り出せるか!?シリーズ新章開幕。
奴隷商人に売られた忍びの市勘と里々。二人の行き先はマカオだった。ポルトガル人の下で働かされる市勘だが、彼の戦闘力に目をつけたピエトロという男が交換条件を突きつける。それは、さらわれて日本に売られた南蛮人の娘八人を連れ戻せば自由にするというものだった。里々のため日本に戻った市勘が敵に回すのは強大な織田信長軍団。時代冒険譚、圧倒の完結編!
遊び人の鎌吉が辻斬りに殺された事件が、角野忠兵衛のもとに回ってきた。妹のお仙から、兄を逆恨みする女がいると訴えられ、忠兵衛は八王子宿を訪れる。だが、事件の鍵を握る千人同心の妻・和枝は、自分の子供が鎌吉のせいで川で溺れて死んだという。二つの事件を繋ぐ糸はどこに!?(表題作)人情の探索で“くらがり”から真相を見つけ出す、精選シリーズ第四弾!
“日本人の心の故郷”を描き続けた長谷川伸が主宰した小説勉強会「新鷹会」は村上元三、山岡荘八、山手樹一郎、池波正太郎など多くの人気作家を輩出し、今に続く。その一人でもある平岩弓枝の監修による本書は新鷹会作家による十篇を収録。町人から侍、浪人、渡世人まで、江戸の町に自分の居場所を求め、懸命に生きる人々の痛切な心情が胸に響く、傑作時代小説集!
江戸府内で若い娘が次々に姿を消した。将軍の毒味役、御膳奉行の矢背蔵人介にそう教えてくれたのは勘定奉行の遠山左衛門尉景元だった。そして、蔵人介までが姿を消す。蔵人介が連れていかれたのは、娘たちが囚われている場所。そこには「地獄」が待っていた。はたして蔵人介は脱出できるのか。著者渾身の剣戟シーン満載!人気沸騰中の鬼役シリーズ、驚愕の第十五弾。