出版社 : 光文社
明晰な頭脳にものをいわせ、巧みに法の網の目をくぐる。ありとあらゆる手口で完全犯罪を繰り返す”天才 的知能犯”鶴岡七郎。最後まで警察の追及をかわしきった”神の如き”犯罪者の視点から、その悪行の数々を冷徹に描く。日本の推理文壇において、ひと際、異彩を放つ悪党小説。主人公のモデルとなった人物を語った秘話を収録。<巻末エッセイ・逢坂剛>
西洋館を舞台に次々と起こる惨劇…巨大「牢獄」から生きて脱出できるのか?本州最南端の半島沖の小島に建つ、巨大な西洋館。所有者の莫大な財産の後継者を選ぶべく、五組十人の男女が集められたー後継者決定の条件は、巨大ダイヤを館から発見すること。期限は十日。外部との接触を絶たれた極限状態のなか、謎に満ちた宝探しが始まる。二日目の朝、浴室に参加者の一人が吊るされていた。退路のない館内での殺人に震撼する面々。犯人の影も見えぬまま、その翌朝にまたしても、首を切断された死体が発見される…。
消えた肖像画、失踪した令嬢、石像の右腕だけが後に残され、遺言書を入れた風変わりな箱は持ち去られたー異能の師匠レオナルド・ダ・ヴィンチが、ミラノの宰相ルドヴィコ・スフォルツァ、才媛チェチリアとともに、不可解な謎、奇妙な事件に挑む。そして三人を待ち受ける運命は!?異才・三雲岳斗が描く、稀代の天才・レオナルド・ダ・ヴィンチ。
南極を拠点に活動する極地パイロット・桐村彬が巻き込まれた驚天動地の謀略のシナリオ。失われた権力への執着と富への欲望が果てしない暴虐と騙しあいを呼ぶ!桐村の駆るツインオッターは、地球上で最も過酷な冬の嵐の中、極地の空に飛び立つことができるのか!?圧巻の描写、緊密な構成。比類なき航空冒険小説の傑作。
敏腕広告プランナー・佐久間は、クライアントの重役・葛城にプロジェクトを潰された。葛城邸に出向いた彼は、家出してきた葛城の娘と出会う。“ゲームの達人”を自称する葛城に、二人はプライドをかけた勝負を挑む。娘を人質にした狂言誘拐。携帯電話、インターネットを駆使し、身代金三億円の奪取を狙う。犯人側の視点のみで描く、鮮烈なノンストップ・ミステリー。
大手広告代理店を辞め、「珠川食品」に再就職した佐倉凉平。入社早々、販売会議でトラブルを起こし、リストラ要員収容所と恐れられる「お客様相談室」へ異動となった。クレーム処理に奔走する凉平。実は、プライベートでも半年前に女に逃げられていた。ハードな日々を生きる彼の奮闘を、神様は見てくれているやいなや…。サラリーマンに元気をくれる傑作長編小説。
新しく劇団を作ろうとしている男がいた。度会恭平。劇団の名は、劇団φ。納得するメンバーを集めるため、日々人材を探し回る。その過程で出遭う謎ー。日常に潜む謎の奥にある人間ドラマを、優しい眼で描く青春ミステリー。
追い詰められた北朝鮮が日本のテレビ局に前代未聞のオファーを出す。収容所、拉致被害者等を含めた完全自由取材。さらに金正日の独占インタビュー。開放か、罠か?共和国「最後の真実」が解き明かされる超一級のスーパーフィクション。
刑務所内で大がかりな陰謀が進行しているとの内部告発を受け、パリ警察が誇る名予審判事シャルル・ベルトランは、内偵のためタントワーヌ刑務所を訪れた。そこは十字架形の獄舎に長期刑の服役者だけが収監され、断崖に囲まれた脱出不可能の監獄島。囚人の中には国際的な犯罪者で、かつてベルトランが逮捕したアレクセイ・ボールドウィンもいた。密かに調査を始めたベルトランの前に突如、驚愕の事件が巻き起こる。内部から閉ざされた部屋での殺人。そして時計塔から吊り下げられた火だるまの絞殺死体…だが、これもまだ、その後に続く惨劇の幕開きに過ぎなかった。
心臓の骨(ボーン・オブ・ハート)と呼ばれる赤きに赤い魔性の石に魅せられた井之上雅比古博士は、石の所有者である老嬢・小藤祥之と共に南海の孤島アーカムへ、六十年に一度、世にも美しい大潮の祭り見物の旅に出る。冒険家のロレンツォ・オゴタ、ヴァンプ女優の有田万里、その幼い娘マリカらと乗り合わせた雅比古たちは、優雅なヴァカンスどころか大騒動に巻き込まれていく。麻薬密売、発見された死体、密漁団、人質にとられた母娘。雅比古はオゴタらと共に救出に向かうのだが-!いつともどことも知れぬ世界を舞台に描く怪奇幻想冒険譚。いざ行かん、不思議な旅へ。