出版社 : 光風社出版
不世出の天才軍師・孔明は、すでに四十歳を越えながら、その美貌にかげりさえ見えず…。今、漢丞相となった彼は、主力軍をひきいて南中の地に出兵し捕われの身となるが…。
歴史・時代小説の魅力あふれる作品群を創造する巨匠・気鋭が、その知的想像力を発揮し、大きな感銘をあたえるべく力を込めた代表作を収録した年度版アンソロジー。
悪夢の鍵を握る土方歳三に会うため二百年の時空を超える霊花…。維新の嵐吹き荒れる明治元年の箱館・五稜郭へ。そこで彼女が見たのは、巨大コンピューター“ガイア”の思惑も交錯する混迷を窮めた箱館戦争だった。歴史を造るのは人間か機械か。人類の生命力を見せつけるがごとく、一代の戦鬼・土方歳三は激動の時代を駆け抜けてゆく。待望の書下ろし歴史SF。
二十三も年上の夫に満たされない日々をすごす二十七歳のアツコは、一夜のときめきを求めて街に出て、さまざまなタイプの男たちと不倫の夜を重ねるが、彼女の愛の終着駅は…。熟れた人妻の大胆な不倫模様を描く官能長編ロマン。
平安末期、奥州の地に、都に劣らぬ平泉文化を築いた藤原氏が、なぜ義経をかくまったのか。そしてまた、衣川の高館に義経を襲い、その首を40日以上もかけて鎌倉へ届けたのはなぜか?特捜検事・室井と義経の謎に挑む女子大生・速水直子の到達した結論とは…。斬新な視点から日本史の謎に迫る歴史ミステリー。
「ジルベールに会わせてあげる」セルジュ・バトゥールと美少年ジルベールの足跡を追い続けるアンリに思いがけない出来事が。…そして、過去へ向かう時計の針が、ゆっくりと回り始めた…。活字で甦る、名作漫画『風と木の詩』の続篇。
趣味の競馬では、馬を見極める抜群の目を生かして行く度に大穴をものにし、淫らな女を見定める能力はさらにすごく、これぞと思った女はたくみに誘い出し、ベッドの上で調教師よろしく、自分ごのみの女に仕込んでしまう。今宵も性欲のおもむくまま、万馬券を狙って、牝馬に彼の鞭がはいる。最新ギャンブル官能長編。
「日本にも石油が埋蔵している」という父親の学説を信じ、石油探しの放浪を続けていた友人が送ってきた“小包”を受け取った日から、村野信二は怪しげな男達につけ狙われ…。暴力団や謎の宗教団体などが動き出すほどの小包の秘密とはいったい何なのか!?闇の勢力が垣間見え、奇っ怪な事件が村野を追いつめる。長編伝奇ミステリー。
湯島育ちの御意見無用、主は浮名の二千石と端唄にまでうたわれる江戸きっての蕩児・神保長十郎義久が、荒らくれどもが跋扈する一触即発の危険地帯、幕府天領・甲州へ乗りこんだ。次つぎに起る難問怪事件…。無頼旗本をひこつれて、勤番支配・長十郎の諸刃くずしの剣が舞う。
行方不明の億万長者の老人が身につけていた27カラットのダイヤが、野積みされた古タイヤ火災跡から発見された。保険金目当ての殺人か?だが20億の保険金の支払は、老人の死亡日がいつか、に掛っていた。真相究明に乗出した保険調査員が遺体で発見され事件は核心へ…。保険金殺人疑惑の過去をもつ、美貌の未亡人由紀江は、大胆にも名警部・宮之原の出馬を要請する。雄大な阿蘇のパノラマを舞台に描く書下ろし旅情ミステリー。
大学を卒業して遊び半分のOL生活をエンジョイしている細矢川冬美は、軽い気持ちで見合いをした相手、圭吾がだめ男だと知ってもなぜか惹かれ、溺れていく。お嬢さまOLの夜の悶えを鮮烈に描いた官能長編。
倦怠すら感じる日常の、男と女のあやふやな関係の隙間にフッと忍び寄る、恐怖の、犯罪の魔手のそれぞれを、的確な砥ぎ澄まされた著者独自の人間観察眼で追いながら、つねに充実のミステリーとして創造しつづける名手・多岐川恭のミステリーランド第4弾。