出版社 : 出版芸術社
年金生活者で独り暮らしの主人公の自宅に、「われわれの贈り物で、死んで下さい」と書かれた異様な手紙が届けられた。世界中で、差出人不明の卵型の自殺器と手紙がばらまかれる。キャップを外すと中に針があり、それを自分の体に刺すと、一瞬にして死ぬことが出来る。徐々に人口が減り始め、“死”が日常になる…終末SFの傑作「自殺卵」ほか書き下ろし「退院前」、「とりこ」の2作を収録した全8編!
ミステリに庶民的な明るさとユーモアを初めて導入した仁木悦子の、少年・少女を探偵としたユニークな本格推理小説集。母の連れ子、教育ママに悩む少女と親友、野球コンビの同級生など、性格や境遇は違っても、子供たちの澄んだ眼は真犯人を逃がさない!意外なヒントから謎を解いていく彼らの名推理は、大人たちが忘れ去った星空のようにキラメいている。
時代伝記小説の大家・角田喜久雄は、大正十四年、探偵文壇にデビューし、戦前・戦後を通じて数々のミステリを発表してきた推理小説の名手でもあった。笛を吹くだけで人を殺すことが出来るのか?人間の心に潜む底知れない悪意を描いて昭和三十三年度の探偵作家クラブ賞を受けた「笛吹けば人が死ぬ」、恐水病に罹った男の異様な犯罪計画を描く「恐水病患者」等、単行本未収録作品一篇を含む全十三篇!著者十代の才気あふれる初期作品から、最後のミステリ「年輪」まで、傑作・代表作を網羅した角田ミステリの精華集。
不可能犯罪に挑戦する鬼貫警部の名推理!本格ミステリの名手・鮎川哲也の初期傑作短篇集!「楡の木荘の殺人」「碑文谷事件」等、全8篇!幻の「人それを情死と呼ぶ」中篇バージョンを特別収録。
難攻不落のアリバイトリックは崩れるか?鬼貫警部が活躍する本格短篇を全3巻に完全収録!江戸川乱歩絶賛の傑作「五つの時計」他、全12篇!「死のある風景」と「偽りの墳墓」の原型版も特別収録。
プロ棋士への夢を目前に謎の死を遂げた姉。事件の真相を探るために弘子は姉と同じ道を志し、昇段をかけたリーグ戦に挑むが…。弘子との対局直前に天才小学生・千堂将が会場のトイレで殺される。現場には彼が得意とする戦法を記した棋譜がばらまかれていた。犯人の目的は?二つの事件のつながりは?姉と深い仲にあった男、K・Fとは?混乱する弘子。そして新たな犠牲者が同じ手口で…。
今年で創刊四十周年を迎えたSF同人誌「宇宙塵」の、既刊一九四冊の中から傑作・佳作を厳選したベストコレクション!2には、『ソリトンの悪魔』で推理作家協会賞を受賞した梅原克文のデビュー作『二重ラセンの悪魔』の幻の中篇バージョンを初めて収録!他に、清水義範「待っている」、梶尾真治「もっともな理由」といった単行本未収録作品や、小松左京「地には平和を」、広瀬正「作品が書けない理由」等の初期傑作を収録。