出版社 : 北宋社
黒い蝶黒い蝶
ベトナム戦争終局の時代、アメリカ軍の謀略戦用秘密資金を強奪しようと計画した男がいた。捜査手口の裏の裏までを知りつくしている腕利きの元警部補で、見ず知らずの若者二人を仲間に、夕暮れ迫る埠頭で作戦は完璧に遂行されたのだが…。突然、ボスを見舞ったアクシデント。残された二人の若者を襲う危機また危機。父の愛娘の純情が哀惜の挽歌を奏でて、読者をドラマに誘う。
大佐夫人の従妹たち大佐夫人の従妹たち
「女は変る、信ずるは愚なり」の命題を前に、鈍く透明な光に満ちた妹と、琥珀色に彩られた火のような姉が、一方は初老の紳士に嫁ぎもう一方は異国人の子爵と駈け落ち婚を遂げた。だが、美しい姉妹の禁断の園は-。
黒ミサ異聞黒ミサ異聞
19世紀末、自然主義小説から出発したユイスマンスは、デカダンスの極致『さかしま』を経て、悪魔主義の森へと彷徨する。本書は大作『彼方』から、ジル・ド・レエ譚とともに黒ミサの夫人と主人公との奇妙な逢瀬に焦点を当てた、もう一つの『彼方』である。
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