出版社 : 双葉社
「ああ、奥さんの、名器だ。すごいですねえ、よく締まる。しかもザラつきがいい」といいながら医師の御主人、さらに深く入れてくる。主人も、医師の奥さんも、ベッドの上に起き直って、こっちをじっと眺めている。-初体験のスワッピングに戸惑いながらも、甘美な官能に痺れる人妻を濃艶な筆致で描く。
そのソァー・ベッドに、パジャマ姿の土屋が、なぜか体を海老のように折りまげ、窮屈な姿勢で横向きに横たわっていた。右手は喉にあてがったままだった。両眼はカッと見開き、苦悶の表情が凄まじい。唇の端にはどす黒い血がこびりついていた。「大変だ!死んでる」(「苦いバレンタイン・デー」より)。推理作家志望のOL遥子の活躍が始まった。
昼下がりの喫茶店に一人いた悦子は、突然見えざる触手に体をまさぐられ、思わず絶頂の呻きをあげそうになった。TVディレクターの本郷はその奇妙な事件を追ううち、超能力者の存在に突きあたる。やがてこのエスパーの奪い合いで、新興宗教勢力と自衛隊の暗闘が始まったが、実は背後に極東全体の情勢すら左右しかねない秘密が隠されていたのだ。
ボクの名前は坂本勇作。夏休みを利用してアメリカのペンフレンド、アリサ・ミルフィードを訪れているんだ。ところがある日、ボクたちの乗っていた遊覧飛行機が、進化した恐竜人の支配するパラレルワールドにワープしてしまった!近くの村に住む親切な恐竜人に助けられたものの、その夜「ハンター」と名のるなぞの集団に襲われる。アリサのパパをはじめほとんどの人間はさらわれてしまったが、ボクとアリサはたまたま通りかかった恐竜人の勇者ゴメシスに助けられた。アリサのパパたちを救い出すため、ボクは恐竜界の旅に出ることを決心するのだった。
ムッシュ・アムールこと妻恋三四郎が帰国した、しかも警視に昇進して。新しい赴任先は国際刑事機構・日本支局。アリサとナタリーの美女二人もしっかりパリから随いて来て、またまた悩まされそう。戦う相手はアラブゲリラ、着々と戦果をあげている間、足元に火が付いた、お堅いはずの妻恋夫人が悪い奴らの罠に掛かった模様。すわ一大事、跳べ!妻恋警視。
美智子はネクタイを持つ手に、もう一度、力を入れた。首を締めつけた。真二の口から、細かい泡が出た。が、その泡も出なくなった。美智子は突然、思いついた。〈このひとをわたしのものにするんだ!このひとの大切なものを切り取ってやる!〉(「五十一人目の阿部定」より)-事件の陰にひそむ哀しい人間の業を抉る迫真のドキュメント・ノベル。
背中から二の腕にかけて彫られた桜吹雪のイレズミーとくれば、これはもう映画、テレビでお馳染みの遠山桜。後年、大目付から勘定奉行、町奉行の要職をつとめた遠山金四郎の、これは柳橋の船宿「船徳」に居候をきめこんで遊び人修業に精を出していたころの物語。数ある“金さんもの”の中でも、さすがに折目正しく格調高い“元祖”ともいうべき異色作!!
永遠の平和を約束されたはずのリルガミン王国に、滅亡の危機が訪れた!!王国を救えるのは、伝説の2つの宝珠(宝の玉)のみ。しかし、それは恐ろしい龍ール・ケブレスが守る迷宮の奥に隠されているのだ!!迷宮には謎の海賊たちや魔法使いがひそんでいる。そして、「善の心を持つ者だけでも、悪の心を持つ者のみでも、ル・ケブルスの所にはたどり着けない」と言われているのだ…。誰かが、なんとしても宝珠を手に入れてこなければならないのだ!リルガミン王国を救うため立ち上がる勇者が!!そんな時、双子の兄弟ージャンとアッシュが迷宮に向け旅立った…。
「くりりんがさらわれた!」夢楽の手を逃れ、ついでに『時間跳躍之機械・タイムマシン』まで奪って現代にもどってきたダイスケ、くりりん、ハカセの3人組に、またまた大事件が持ち上がった。学校の中で、しかも授業中に謎の男にくりりんがさらわれてしまったのだ。歴史の本にでてきそうなその男のせいで、教室中が大さわぎ。先生は卒倒するし女の子は泣き出すし…。いったい、謎が?なんのために…?ダイスケとハカセは、くりりんをさらった男をさがしだすため、時間旅行へと出発した。次元からくり漂流記第2弾タイムマシン冒険号、再・発・進。
ケン、タダシ、鏡太郎の通う袖ケ浦小学校の6年6組に転校生がやってきた。名前は藤原スミレ。それがとてつもない美少女で三人組はひとめぼれ。特にケンは春の海のクラゲのように夢うつつ。三人はさっそくスミレの家へ押し掛けていくが、そこで奇妙な現象に直面ーなんとスミレが妖怪変化に変身してしまったのだ。その場は、スーパーイズナ丸の登場で危機を脱っするがスミレの姿がない。スミレの父親、藤原サスガの話によると、以前、冒険旅行に出かけたガリ島の魔霊がスミレを連れ去ったというのだ。三人はいでたちを揃え、ガリ島へとスミレ救出に向かうのだが…。
「忍明神のほこらにヒビが入った」-。飛び出して行った妖魔たちを退治するために、オイラは旅に出た。でも、かしらは一人じゃ寂しかろうというので、一人娘のさくら姫を一緒に連れてけと言ってくれたんだ。うれしいよおー!それでもってオイラたちは、里の人口で不思議な地蔵様に出会うことになる。この地蔵様がオイラとさくら姫をいろいろな所へ案内してくれるんだ。まず手始めは、百目ヶ原か蓮莱山あたりかな?どこに行っても手強い奴がいるらしい。妖魔たちの親玉は、正体不明の妖魔大王という強敵だ。すごく強いらしいけど、やっつけるしかないよね。
新宿のドヤをねぐらにしている加藤剛介は、探偵が本業だが、あまり仕事熱心とはいえない。その剛介に、もと美容師をしていた娘の行方を捜す、という仕事が舞いこんだ。早速、調査を開始すると、かつて同僚だったルミ子が剛介に好意以上のものを示し、アシスタント役を務めてくれた。調査が進むにつれ、美容師の単なる行方不明事件だけでなく、同僚が何人も死んでいることが判明し、背後には凶悪な犯罪が潜んでいる臭いがぷんぷんとしていた。剛介自身の生命も危機にさらされ、また警察からもマークされ、剛介は退くに退けぬ状況に追いつめられていった。大都会新宿を舞台に正義派の著者が渾身の力でペンを揮う書き下ろし長編バイオレンス。
おれは、必ず有名人になる。もしその才能がなければ、金持ちになって名声を手にしてやる。拝原欣次はこうして財産のある女性を狙う。志摩子はレストラン・チェーンの女社長。豪華な邸宅に住み、伊豆と軽井沢に別荘を持っている。年齢は一回り上の44歳だが何、構うものか、金のためだ!こうして拝原は志摩子と結婚する。ところが夢は無残に破れて拝原は僅かな金を受け取るだけ。裏切られた思いの拝原に殺意が芽生える。完全なアリバイを設定し、妻が在宅なのを確かめて寝室に忍び込んで殺そうとするが意外や意外そこには…。緻密な、二重三重に用意されたトリック、絶対失敗のない殺人計画、それが何故?本格派の巨匠がサスペンスを充分に盛り込んだ書き下ろし傑作長編。
夏休み中のある夜、光風学園高校の敷地内にある紫水殿から仏像が盗まれた。宿直は大苗先生だった。その先生、犬や猫の言葉を理解できるので犬猫先生と呼ばれていた。その後も殺人、誘拐など事件は続発し先生は苦境に立たされる。それを助けるのが愛犬スージー、愛猫トミー、それに教え子のモッペル君、彼らの協力を得て先生は犯人を追いつめていく。
19時25分新宿駅4番ホームに到着した〈あずさ18号〉から、最後の乗客が下り立っても夫は現われなかった。首をかしげながら車内に入った妻は、座席で寝入っている夫を発見、肩を叩いた。その瞬間、夫の体はくずおれた。口からアーモンドのような甘い香りを漂わせて。-列車内の死者は無差別殺人の犠姓者か、それとも?著者渾身の長編ミステリー。
竜崎三四郎、自称はみだし刑事ーところがどっこい特別製の45口径拳銃を扱わせては天下一、おまけに男っぷりと気っぷが良く柔道空手の高段者。そんな凄腕野郎が悪のグループ群れる名静市に乗りこんできた。暴力団、密輸屋、暴走族といずれ劣らぬ悪ども相手に鉄拳が唸り拳銃が火を噴く。ただし泣き所もあって女と酒にはメチャ弱い、変ったヤツ!
ラシーク対アリサ。あの壮絶な戦いから、およそ1000年の月日が流れた。その後アルゴル太陽系はさらに発展し続け、巨大なコンピュータ・マザーブレインが総ての星を管理し、平和で豊かな暮らしを築き上げるにいたった。だが、ある日、アルゴル太陽系に不気味な怪物が出現した。バイオモンスター。バイオシステムの作り出した悪性動物だ。ヤツらは、平和な暮らしに慣れきった人々を襲い始めた!総督から、バイオモンスターの秘密を探るように命令されたユーシスは、妹ネイを連れてバイオシステムへと旅出った!!