出版社 : 叢文社
悪名太平記悪名太平記
異形異類の狂い咲く世。豪快な政略軍略を駆使して旧い権威の一切を焼き払い、新しい秩序を目ざして突進する足利尊氏の執事高師直-。猪の生き血を吸って絶倫の精力で、我欲以外は念頭にない権門高家の美姫妻妾を片っ端から毒芽にかけ、遂には前の関白の姫に恋し華燭の典に乱入して-。「神を恐れず」「巨悪と巨善」と「鬼と人と」…乱世型天才児の不敵な生きざまを、歴史文学の奇才が、現代の視点で活写。
討幕軍師平野国臣討幕軍師平野国臣
福岡黒田藩6石取りの足軽の子に生まれ、父母妻子を捨てて志士の道に投じた歌人国臣は、西郷隆盛に「藩と幕府は無用有害。時代の要求は民衆を柱にした新しい国づくり。実現の道は公武合体でも佐幕でもない。ただ討幕のみ」と、火矢の飛び出す眼光で開眼を迫る。天皇に「回天三策」を献じると、討幕の潮流に火を点じるため生野に挙兵-。知られざる維新史の深部に迫る。