出版社 : 国書刊行会
パリ風俗犯罪ファイル(2)パリ風俗犯罪ファイル(2)
ナディアは女ではなかった。男娼。その魅力の虜になっていることは誰も知らない-はずだった。お娯しみの場面を写真に撮られてるまでは!社会的地位も平和な家庭も、全て諦めなくてはならないのか!-警察に泣きついてきた兵器会社の重役の一件を、ただの恐喝事件ではないとにらんだコランタンは、早速調査を開始。するとアラブへの武器輸出をめぐって競合するアメリカ社の影が浮かび上がってきた。敵はナディアのヒモを使って罠をしかけたのだ。目には目を、逆にそのヒモにフィルムを盗み出させるが、そのままフィルムを持ち逃げされてしまう。契約期限までもう時間がない。コランタンの追跡は、ブーローニュの森の同性愛者の大狂宴へ-。
パリ風俗犯罪ファイル(3)パリ風俗犯罪ファイル(3)
パリ南郊、何のへんてつもない団地で二人の少女が姿を消した。懸命の捜索にもかかわらず行方は杳として知れない。そして第三の犠牲者。今度は死体が発見された。十五歳の少女、絞殺、死化粧を施されている。その夜、クロディーヌが年頃特有の軽い気持ちから、同じ団地のうだつの上がらぬ四十男を挑発しさえしなければ-。「お隣のおじさん」が夜ごとみだらな妄想の中で少女たちを拷問にかけていたとは、もちろん彼女は知る由もなかった。風俗取締部に捜査命令が下った。コランタンは早速女友達と夫婦を装って団地に潜入、張り込みを始める。濃霧たちこめる陰鬱な十一月、ついに容疑者逮捕にこぎつけた。が、また新たな犠牲者が…。