出版社 : 実業之日本社
この街では、なぜか人がよく殺される。小さな港町、牟黒市。殺人事件の発生率は、南アフリカのケープタウンと同じくらい。豚の頭をかぶった死体。頭と手足を切断された死体。胃袋が破裂した死体。死体の腹の中の死体…。事件の謎を追うのは、推理作家、悪徳刑事、女子高生、そして深夜ラジオ好きのやくざ。前代未聞の死体から始まる、新時代の本格ミステリ!
築40年のマンション・パートリア淀ヶ月に引っ越してきたフリーライターの紗季。ある日、敷地内で行われていた不気味な盆踊りに遭遇する。祭りに乱入した女が連行されるのを目撃した彼女は、隣の部屋に住む雑誌記者の真帆子と共に調査をはじめるが…。住人たちの持つ奇妙な風習、連続して起こる行方不明事件、徐々に明らかになる驚愕の事実とは…!?注目の気鋭による戦慄のホラーミステリー!
山小屋の男の失踪の裏に十九年前の殺人事件が!?長野松本署からの調査依頼が小仏探偵事務所に持ち込まれた。上高地の山小屋の管理人・徳久が、宿泊予定の登山者の上野を探しに、外を見に行ったまま戻ってこないという。上野は偽名を使っており、二人の間に事件が起きた可能性もある。徳久の過去が関係していると考えた小仏は、彼の出身地である新潟県糸魚川市親不知へ。その後、彼の足跡をたどり、京都、東京、金沢と調査行を続けるが、親不知で起きた未解決事件が浮かび上がり…。
霧の中、家路を辿っていた仲間朋代は不穏な気配を感じ、逃げようとする。もうダメだと思った瞬間、偶然いあわせた亜由美の恋人、谷山によって助けられる。これをきっかけに朋代と谷山は急接近し、なんと結婚することに。失恋した亜由美は傷を癒そうと旅に出るが、そこでもトラブルに巻き込まれー。花嫁シリーズ第34弾。表題作のほか「カリスマ花嫁の誇り」収録。
雑誌取材のため、四国・松山駅から出発する観光列車「伊予灘ものがたり」に乗り込んだ編集者の新見は、車窓から海に向かい祈る老女・金子ハルに興味を抱いた。太平洋戦争敗戦の翌日8月16日、ハルが愛した航空兵が当時最新鋭の戦闘機・紫電改で伊予灘を飛び立ったという。しかし、彼女以外、誰もその飛行を見た者はいなかった…この謎に迫るため取材を続けていた新見が死体で発見され、十津川警部が捜査を開始するがー。
殺し屋たちが受け継ぐルールー依頼人には必ず会うこと。できるだけ苦しませずに殺すこと。相手が絶命するまでその目を覗き続けること。そして…5つの時代をつなぐ、5組の殺し屋たち。優しい殺し屋たちが時を超えて見守った、殺意と命の物語。
実業家の片瀬耕一は妻の靖代、その妹である早紀と東欧を旅していた。トランシルバニアに入ったとき、靖代は体調を崩して亡くなってしまう。異国の地だったが、その土地に埋葬することに。そこには奇妙な風習があり、棺の中で目覚めた時に鳴らすベルを墓標の十字架に取り付けるのだ。鳴るはずのないベルが鳴り響くとき、女子大生・亜由美と相棒ドン・ファンは事件に巻き込まれていく!シリーズ第33弾!表題作ほか「花嫁は滝をのぼる」収録。
神出鬼没の公務員探偵「腕貫さん」を“だーりん”と呼び慕う、美貌の女子大生・住吉ユリエ。同級生の小泊瀬海人から「親族が関わった殺人事件を題材にミステリ小説を書いてみたい」と相談され、大乗り気でストーリー作りに着手するがー(「ユリエの本格ミステリ講座」)。鳥遊葵、阿藤江梨子、安達真緒、水谷川刑事etc.…お馴染みの面々も四年ぶりに集結。腕貫シリーズのホームタウン櫃洗市で続発する、禍々しくも珍妙な事件を描いた連作ミステリ!
九州・肥前に本拠を置き、豊後の大友氏・薩摩の島津氏と覇権を争う戦国大名・龍造寺氏。その重臣として、主君・隆信に近侍した鍋島信生(後の直茂)は、戦場では忠孝にして勇猛、抜群の知略で版図の拡大に貢献する。やがて、隆信は肥前を統一、さらに国外に手をのばし、“五州二島の太守”と称するに至るがー。戦国期から徳川の世にかけて、幾多の苦難を戦い抜いた、「葉隠」武士道の原点にして佐賀藩藩祖・鍋島直茂の大いなる生涯!
テニス同好会に所属する女子大生の吾妻さと子は、夏合宿のための宿探しをしていた。毎年使っていたホテルは他の予約で埋まってしまい、かつてはよく使っていた矢車荘を訪れる。霊感のあるさと子は到着した途端、嫌な気配を感じるが、その原因とは…。表題作「幽霊はテニスがお好き」など、赤川ミステリーの魅力が詰まった全六編を収録。
讃岐綾歌藩の若君・桃太郎、実は男として育てられた姫君である。町娘・桃香に変装し、深川で知人の婚礼に参列中、花婿が火付盗賊改方に捕縛された。厳しい拷問を受けているという。親しい岡っ引きと家臣の調べによると、将軍暗殺を企てる不穏な動きと関わりがあるらしい。陰謀を未然に防ぐべく、桃太郎君は“部屋子”の姿で単身大奥へ潜入するが…。
河童に関する逸話をもつ浅草・曹源寺裏手で診療所兼手習塾を営む美貌の町医者・斎藤涼水。「かっぱ先生」と呼ばれ、貧しい患者、孤児・片親など複雑な境遇の子供達に尽くしている。身寄りを喪くした十七歳の文月は図らずも、浪人・花房右近親子と住み込みで働くことに。塾で起こる不可思議な出来事、子供達や飼い猫との交流を通じ、文月の心はじんわりほぐされていき…。
飛騨の代官の息子・小野鉄太郎(後の山岡鉄舟)は父の死を機に、弟らとともに江戸に向うが、他家に養子になるための持参金三千両を狙った賊に襲撃を受ける。江戸では旧知の勝麟太郎(後の勝海舟)、山岡謙三郎(後の高橋泥舟)と再会、剣や槍の修行に励むが、謎の集団「コクトウグミ」と死闘を繰り広げることに。幕末三舟の若き日を描く時代活劇!
街角に突如現れる「櫃洗市一般苦情係」の職員、通称・腕貫探偵。その日彼のもとにやって来たのは一週間ほど前に亡くなったという女性の霊。彼女はベストセラー作家・越沼霞巳と名乗るが、その作家は50年前に亡くなっているはずだ。ならば50年前に死んだのは、いったい誰だったのかー?大人気・腕貫探偵シリーズ最新刊、待望の文庫化。