出版社 : 廣済堂出版
元ゴールドマン・サックス(NY)のデリバティブ・トレーダー、ケンシ(賢司)は、日本人父との四十数年ぶりの再会の日、父がホテルで殺害されたとの連絡を受ける。父は日本で最も長い歴史を誇る神社の一つ、丹後・籠神社の宗家出身、第八十二代目宮司であった。籠神社は伊勢神宮の内宮と外宮の両主祭神(アマテラスと豊受)がもともと鎮座していた日本唯一の神社で、境内からは一九七五年、日本最長の家系図『海部氏系図』が発見され、驚きとともに国宝に指定されていた。父の死の謎を探るため、賢司は元ゴールドマンの天才チームの友人たちと日本へ乗り込むが…。写真、挿絵、図、地図、系図など豊富な資料を用いた、臨場感あふれる新感覚の歴史ミステリー・エンターテインメント!!
毎年10月に池上本門寺で行われるお会式は、日蓮上人入滅の法要です。当日には、全国から30万人もの人々が集まり、池上は、盛大なお祭り空間と化します。この小ぢんまりとした門前町に越してきた美咲は、古くからくず餅の商売を商う老夫婦、飲み屋横丁に集う人々、美咲同様に新しくこの町に住みついた「新住人」、そして池上本門寺の子院である本妙院の住職と知り合い、すこしずつ、この観光化されていない、含羞に満ちた門前町に自分の居場所を見つけていきます。史上初のお会式小説!
夜更けの蔵前で、どくろが長い髪を曳いて舞い飛ぶという奇怪な出来事が!!さらに、小石川の寺で墓荒らしがあり、若い娘の首が盗まれていた!?命を削るようにして妖を癒やす十七娘・お光を、なるべく、怪事件に関わらせまいとする同心・和泉京之介だが…。娘陰陽師・長谷部透流の悲しく壮絶な過去とは!?そして、京之介たちの前に、最強最悪の“敵”が立ちはだかる!!怪奇な謎を追う同心と可憐な娘との恋心を絡めて好評!!大人気シリーズ第五弾の登場!!
警視庁捜査4課在籍中、重山利行は、ある殺人事件の背後に大物政治家が関与していることを掴んだ。彼と共存共栄の「紳士協定」を結び、不動産業に転身した重山は、己の欲望の赴くままに凶行を重ね、セックスに明け暮れていく…。7名の男女を殺害した男の壮絶な生を、赤裸々な独白体で描いた問題作!
幼いころ、二人の兄とわかれ盗賊の頭領になった男。半年前から引き込み役を入れた東両国の太物問屋を襲うが、そこには下の兄がおり、町方たちが待ち伏せていた。上方が本店の江戸店の主にまで出世した次兄の人柄に惹かれ、手下が裏切ったのだ。賊を一網打尽にした北町奉行所定町廻り同心・神岡茂平は思う、百姓が嫌になり、上州渋川村から逃げるように江戸に出てきて紆余曲折の末、武士の養嗣子となった己と比べ、頭領の昔のわかれ道が、もし違っていたら…。江戸情緒溢れる人情時代小説。
亡き友の遺志を継ぎ、東海道を江戸へと向かう佐之介は人助けや悪人退治をしながら、そして女たちからの甘い誘惑とも戦いながら、ようやく箱根にたどり着く。しかし、峠への急峻な坂道で、謎の刺客たちに襲われ、打ち負かすも深手を負い、意識を失う。気がつくと、腹に包帯が巻かれ、どこかで見たような若い女がいて…。甘い顔立ちの優男ながら、天下無双の遣い手、春山佐之介の大活躍を描く、ますます快調のシリーズ第二弾。
スポーツ新聞文化部長会の旅行で韓国を訪問した有木進太郎。朝鮮半島の南北の接点である板門店は見ておく必要があるという大義名分でツアーに参加したが、一行にはジャーナリストとしての使命感より、口外できない密かな楽しみが目的にあった。市内見学をそこそこに切り上げた有木は、ソウルの妓生パーティで21歳の可愛い女性と知り合い、悦楽の一夜を共にする。しかし、献身的なサービスを気に入った有木は、ソウル滞在中ずっと彼女と過ごすことに…。
東京・東品川のスイミングコーチ・沼田信三は、メンバーのクラブホステス・杉野弘子に誘われ、肉体関係を持つようになる。半年ほどしたある日、沼田は弘子を通して大物政治家の変態的なセックスの相手をさせられる。金と妹への暴力をちらつかされて無理矢理、関係を続けさせられる沼田だったが、スキャンダルを逆手にとって、屈辱を強いた男たちに復讐を開始する。命を賭けた男の戦いと奇妙な愛の行方は。
東亜総合病院産婦人科部長の飾摩秀樹と研修医の綿引淳一。好色な二人は診察に訪れる美女たちを舌なめずりして待ち構えていた。罠に嵌まった代議士の秘書、瑞々しい女子高生、肉感的な美人女優たちは、まるで蟻地獄へ落ちた虫のように身悶えるが、醜い男たちに診察台に固定され、晒された下半身を巧みな指づかいや舌によって弄ばれると、とろけるような感覚に堪えきれず歓喜の声をあげてしまう。
八百屋の娘・お貞と宮司の妹・お民は仲のよい幼友だち。ふたりはともに器量よしを見染められ、本郷の加賀藩上屋敷へ奉公にあがる。お民は子供の頃から加賀百万石の側室になるという夢を持ち、厳しい作法の仕込みに耐え、着々と側室への段階をのぼりつめていく。一方、お貞は偶然出会った若侍とのままならぬ恋に身を焦がす。加賀藩のお家騒動で揺れ動くなか、ふたりの娘も数奇な運命にもてあそばれていく。
江戸南町奉行より密命を受け、裏探索方を務める内与力の早乙女源六は、配下に定町廻り同心筧彦七、岡っ引き甚八ら六人を従えていた。その源六らが、妙な事件に巻き込まれる。一刀のもとに斬殺された死体を発見するが、辻斬りの目的は物盗りではなく大小の抜き身にあり、しかも次々と襲われるのは薩摩藩士だった。何故刀を。やがて、刀に隠された真相と謎の集団を追って、源六たちは京へと上る。長篇本格時代小説。
元禄七年、かつて「四代目高尾」として名声をはせていたお栄は、ある日、旦那からのお手当を届けてくれた六十八歳の下僕・平右衛門の一物が立派なことを知り、無理やり交合。以後愛欲に溺れる日々を続け、遂に手に手をとって出奔した。ところが消耗しはてた平右衛門が夜の用をなさなくなったから大変…。「名妓『四代目高尾』」ほか、それぞれの時代で悪女と呼ばれた女たちの生態を描いた傑作時代小説集。
抜群の推理力で事件を解決する警視庁捜査一課の筆頭管理者岩崎白日夢のもとへ、アパレル物産商事の重役たちが次々と自殺を強要されているとの訴えが入った。自殺者の保険金はどうやら会社の欠損に埋められているらしい。さっそく捜査に乗り出した岩崎だが、すでに社長は病院で息をひきとったあとだった。はたして病死か自殺か、それとも…。悪を憎み、真実を追う翔んでる警視正。大好評新世紀篇の第2弾。
平成元年、竹下登の後をうけて新総理となった宇野宗佑だが、女性スキャンダル、参院選での自民党惨敗で、あっけなく退陣に追いこまれる。後継総裁をめぐり隠然たる勢力をふるう長老たちの水面下の争いとともに、硬直化した党の改革を目指す若手たちとの世代間戦争もまき起こり、内部の混迷は深まる。橋本龍太郎、海部俊樹、河野洋平、小沢一郎、羽田孜などの名が新総裁候補として浮かび上がっては消えていく。
江戸享保年間、材木問屋の「白子屋」のおつねはその浪費癖がたたって店の身代を傾けた。一人娘のお熊は母親似のドラ娘だが容姿だけは抜群で、そこに惚れ込んだ四十男の又四郎が五百両を持参金に婿養子となった。ところが母娘は又四郎を嫌い、あの手この手の追い出し工作。遂には毒殺まで企てるが…。大岡裁きとして名高い「白子屋お熊」ほか江戸時代を中心に、史上の有名人たちの真の姿を描いた時代小説集。
南町奉行、内与力早乙女源六は、定町廻り同心筧彦七と岡っ引きの甚八ら六人を従えて裏探索方を務めていた。源六は老中より阿片がらみで失踪中の旗本、黒田左太郎を追うよう密命を受ける。その黒田が斬殺体で発見され、三日後に薬種問屋「肥前屋」から千両箱と阿片の入った皮袋が盗まれた。源六たちは、黒田家と確執のあった中野播磨の屋敷を見張り、不審な動きをする男たちを追って長崎へと旅立つ。長篇本格時代小説。
景気低迷のいま、どの企業も人件費削減のためのリストラ戦略が盛んである。大手電機メーカーの「アサヒ」も人事制度の改革を始めようとしていた。その矢先、極秘に作成していたリストが粉失する。このリストを見つけるよう業務命令を受けた総務課長の梶谷弘一は、リストを持ち去ったと思われる女を探し出すため、自慢の性技を武器に社内の美人秘書や部下たちの豊満な肉体を次々と征服してゆく…。長篇官能小説。
日本人の父とアメリカ人の母との間に生まれた東京アンナは内閣直属の秘密組織に属する殺し屋。十七歳とは思えない抜群のプロポーションと美貌を生かして標的に接近する。首尾よく初仕事を終えた後、アンナは祇園へアルバイトの舞妓として入り込み、水揚げの相手を探しているとの噂を自ら流し、群がる男たちの中から極道組の親分を選ぶ。ここからが彼女の腕の見せどころだが、はたして…。傑作痛快ミステリー。