出版社 : 徳間書店
斎乱之介は、無実の罪を着せて養父を刑死に追いやった鳥居耀蔵に復讐を誓い、孤児時代の仲間と天保世直党を名乗る。旅芸人に身をやつした道中、渡良瀬川の出入りで瀕死の傷を負った渡世人から末期の託けを頼まれた。江戸で医者をしている弟に、国許の父に会いに帰るよう伝えてくれという。乱之介は危険を顧みず、目付の甘粕孝康ら追捕の目が光る江戸に戻る決意をするが…。長篇時代剣戟。
命令で犯人を射殺した機動隊狙撃手の清水。銃弾に斃れたのは、尊敬していた教官だった。人を殺めた重圧によるPTSDに苦しむ清水を見た、かつての相棒・刑事の梶原は、次は撃たせてはならないと固く誓う。が、ふたりをあざ笑うかのように、人質籠城事件が発生。清水が呼ばれるが、思いもよらぬ鉄壁の要塞に警察は突破口を見出せず…。清水は撃てるのか?梶原は撃つ前に逮捕できるのか?
曇天の下、奥州街道を白河へと下る旅姿の侍の名は、松平蒼二郎。陰流の遣い手である蒼二郎は、かつては実父である白河十一万石の当主松平定信に命じられ、悪人を密かに誅殺する闇仕置を行っていた。今はある壮絶な覚悟をもって、その地を目指している。蒼二郎が守らんとする母子は、本来、蒼二郎を仇と思うべき存在であった…。大好評の剣豪小説シリーズ、第二期開幕!
七十三歳の川野三太楼という男が東京都内の小さな教会で倒れているところを発見された。病院に運ばれたが、薬物による中毒ですでに死亡していた。川野は一年前に長崎県の平戸を出たきり消息を絶っていたという。なぜ東京の教会で発見されたのか?足取りを追うと、川野は渡口晋太郎という人物を探して各地の教会を訪ねていたことが判明した。十津川は、二人の出身地、平戸に飛び捜査を進める。そんなさなか、平戸の世界遺産登録が話題となり地元は沸くが…。長篇旅情ミステリー。
地元情報誌の記者・国吉冬美は、心酔するルポライターの杉作舜一が京都にきていることを知り心躍らせる。杉作は老老介護をテーマにしており、寝たきりで認知症を患う妻を介護する夫の取材に赴く。しかし妻は絞殺され、夫は首を吊って死んでいた。夫婦の死には何らかのメッセージが込められている、と杉作は調査を開始。そんな杉作のルポを手伝うことになった冬美は、哀しき事件にまつわる京都の闇と対峙するー。
青森県夏泊半島にある椿神社を訪れた男がその夜、民宿で毒死した。大学の雅楽部の合宿で夏泊に来た江藤美香は、その男が以前三重県の実家を訪ねてきた人物らしいと知る。美香の実家もまた“椿神社”と呼ばれる神社だった。男は何かを求めて全国の椿神社を歩いていたのだ。そして第二の事件が!雅楽部員の秀山が撲殺され、民宿の従業員・吉野が姿を消した…。椿神社には一体何が?
犯行声明のない爆破事件が発生。犯人の意図が見えずに捜査が難航する中、神保は新設の“テロ対策分室”に異動を命じられる。高校生のときに事故で両親と弟を失い、「なぜ自分の方が生き残ったのか」と罪悪感を抱えたまま爆弾を処理する神保に、上司の春日は危うさを感じていた。しかも今回の爆弾は、日本ではこれまでに例がないほど複雑なものだった。そして、新たな爆弾が見つかるー。
目の前で夫と愛娘を、非道のテロ集団「汎銀河聖解放戦線」が仕掛けた爆弾で殺された神鷹静香。そのショックで精神的に追い詰められた彼女を救ったのは、復讐への執念だった。戦士になる決意を固め、厳しい戦闘訓練に耐えた静香だったが、彼女が真の戦士となるには、かけがえのない対価を支払わねばならなかった…。第12回日本SF大賞を受賞した傑作を復刊!
復讐に燃える神鷹静香は、仲間たちのおかげで、テロ集団「汎銀河聖解放戦線」の秘密本部“サラマンダー”を突き止める。しかし、そこは攻撃困難な灼熱の惑星だった。彼女たちは、新たなテロを計画している汎銀戦に対し、奇抜なアイディアのマトリョーシカ作戦を実行に移す。だが、徐々に静香の身に異変が…。壮大な宇宙を舞台に描かれる愛と冒険の物語。
また一人、アメリカから男が送り込まれた。各国諜報関係者たちが見守る中、男は米国大使館の車に乗り込む。そして尾行する覆面パトカーに手榴弾を放った…。時は日米経済戦争真っただ中。東京の機能を麻痺させようとCIAの秘密組織は次々と元グリーンベレーら暗殺のプロを差し向けていた。対抗すべく、内閣情報調査室の陣内平吉が目をつけたのは三人の古武術家。殺るか殺られるかだー!
出征していた歌舞伎役者の紀上辰三郎は、復員後、彼を慕う弟弟子の香也と一座の再興を期す。一方、辰三郎の上官だった宮本は巣鴨プリズンに収監されたが、GHQ所属のリオンの訪問を受け、諜報組織への参加を条件に出獄。共産主義勢力の摘発に動く。民間情報教育局CIEは歌舞伎演目の制限を示唆し、梨園は存立の危機に立っていた。辰三郎はCIE懐柔に奔走するが。書下し長篇サスペンス。
広島の名門・広陵高校に野球特待生として入学し野球漬けの日々。が、怪我で野球をあきらめざるを得ない事態に! 挫折の日々、そして東京への駆け落ち……。大阪で初めて見た漫才、こんなに面白い世界があるのかと開眼、自らも漫才コンビを結成して超売れっ子に! 漫才ブームが去ると仕事もなくなり、ビートたけしの運転手兼飯炊きとして暮らすなかで執筆したばあちゃんの話が大ベストセラー! 山あり谷あり、捧腹絶倒の一代記、完結!
孤児の乱之介は人買から小人目付の斎権兵衛に拾われ、生きるための知恵を身につける。芸人一座に身をやつした乱之介は、米価を操る悪徳仲買らを拉致、身代金を要求して江戸庶民の喝采を浴びた。若き目付、甘粕孝康は、面子を潰された上席の鳥居耀蔵から乱之介捕縛を命じられる。己の義を信じ剣を恃みに生きる者同士、対決の時は迫る。長篇時代剣戟。
六本木のクラブホステス・広瀬ゆかりが刺殺体で発見された。現場近くの駐車場には警視庁十津川班・片山明の死体が!?捜査の結果、片山主導の無理心中とみられたが、部下の無実を信じる十津川は、片山の故郷・福井県小浜に飛んだ。そこで衝撃の事実が明らかになる。片山は高校時代の友人を救おうとしていたという。友人には一年前に起きた市議殺しの容疑がかけられていたのだ…。
多霧たち歩き筋踏鞴衆の橘一党は、踏鞴場を求めて出雲にいた。その山中で唐金(青銅)の鎧に身を包んだ猪の集団が、山廻りの侍たちを全滅させるのを目撃。猪を操っているのは何者なのか?戦いに巻き込まれた多霧たちは、夷月の強力な霊力を以てしても調伏できない恐るべき呪いと対峙することになる。やがて出雲神話に隠された真実が明らかになる時、恐怖の王が解放される…。
「まゆたん、今年の夏祭りも山車を引かないのか?」中学で女官を卒業して以来、祭りは見ているだけだった真弓。今年はどうしようかと迷う真弓は、勇太を見て内心びっくり!!顔を顰め、なぜかとても嫌そうなのだ。けれど勇太は、理由を決して言ってはくれないー。一方、花屋の龍も、恋人の明信の様子がおかしいことに気づく。誰より早く囃子隊の笛の稽古を始めているのに、明らかに酷く憂鬱そうで…!?誰だって、家族にも恋人にも言えない秘密を抱えているー。丈の何気ない一言が、家族の団欒に波紋を投げる、夏祭り前夜!!帯刀家六人はもちろん、竜頭町の面々が総出演で贈る、待望のシリーズ外伝!!
かつて東北有数の湊であった能代湊に佇む安東家八代当主愛季。その目の前を交易船が素通りしていく。「もう一度東北最大の湊を造り、民のためにこの地を富ます!」。滾る思いを胸に「載舟覆舟」の国造りが始まる。安東家を統一し、東北最大の湊を造り、蝦夷を治め、信長・秀吉とも誼を通じた男の野望、葛藤、そして恋!秋田の礎を築いた智将、安東愛季に迫る歴史巨編。
江戸にお忍びでやってきた水戸光圀は、奇妙な噂を聞き驚愕する。紀州の徳川頼宣が、将軍の座を狙って江戸に攻め入って来る!?その上、江戸湾に夜な夜な明国の船が出没し、銀を密輪しているだって?真相を究明すべく、紀州の徳川光貞と尾張の徳川光友を誘い、調査を開始した光圀に、予想外の文書が届く。それは三代将軍家光の遺言書だった。若き日の水戸黄門が活躍する新シリーズ。