出版社 : 徳間書店
画家志望の青年が殺された。被害者の父親は余命わずかで、事件の裏には土地買収によって転がりこむ莫大な遺産の相続問題が見え隠れしていた。警察は容疑者を叔父の岡京二郎に絞り、彼の主張するアリバイを崩すことに成功する。ところが京二郎は別のアリバイを主張し始め……。崩しても崩してもまたアリバイ!? 犯人なの? 犯人じゃないの?“アリバイ”崩しミステリー、不朽の名作!
事故で母親を亡くし、児童福祉施設に引き取られた志場崎安那は、赤毛のアンに憧れ、境遇に負けることなく施設の仲間たちと明るく生きていた。そんな彼女に励まされ大人になった仲間たちに、アンナが傷害事件を起こし逮捕されたという報せが届く。他人の幸せを願い、自分も幸せになりたいと思っていたアンナがなぜ? 久しぶりに集まった仲間たちは、彼女を助けるため奔走する。アンナの秘められた過去とは? 巧手が描くサスペンス。【解説:中江有里】
江戸中期、宝暦の世。西国では豪商が襲われ、一家皆殺しの上、全財産を奪われるという凄惨な事件が連続、ついに京でも凶行が演じられた。異界草と闘う若き妖草師・庭田重奈雄は犯行の手口から妖草を操る一味に辿り着くが、頭目はさらに上の何者かに操られており、遠からず天下がひっくり返る大事が起こるとの言葉を遺す。それは、現将軍実弟・田安宗武と外様の雄・薩摩藩を巻き込んだ江戸壊滅の大陰謀であった……一大スケールで贈るシリーズ最終巻。
仇敵である公儀御目付・鳥居耀蔵と米仲買商らの悪事を天下に曝し、庶民の喝采を浴びた乱之介ら天保世直党が江戸に帰ってきた! 蘭医・松井万庵を冤罪で陥れようとする耀蔵の悪意に気付いた乱之介は、捕らわれた万庵を救おうと計画を練る。一方、乱之介と不思議な縁で結ばれた好敵手・目付の甘粕孝康は乱之介の驚くべき過去を探り当てた。熱い情けと深い契りで結ばれた疾風の義賊、参上!
命令で犯人を射殺した機動隊狙撃手の清水。銃弾に斃れたのは、尊敬していた教官だった。人を殺めた重圧によるPTSDに苦しむ清水を見た、かつての相棒・刑事の梶原は、次は撃たせてはならないと固く誓う。が、ふたりをあざ笑うかのように、人質籠城事件が発生。清水が呼ばれるが、思いもよらぬ鉄壁の要塞に警察は突破口を見出せず…。清水は撃てるのか?梶原は撃つ前に逮捕できるのか?
曇天の下、奥州街道を白河へと下る旅姿の侍の名は、松平蒼二郎。陰流の遣い手である蒼二郎は、かつては実父である白河十一万石の当主松平定信に命じられ、悪人を密かに誅殺する闇仕置を行っていた。今はある壮絶な覚悟をもって、その地を目指している。蒼二郎が守らんとする母子は、本来、蒼二郎を仇と思うべき存在であった…。大好評の剣豪小説シリーズ、第二期開幕!
七十三歳の川野三太楼という男が東京都内の小さな教会で倒れているところを発見された。病院に運ばれたが、薬物による中毒ですでに死亡していた。川野は一年前に長崎県の平戸を出たきり消息を絶っていたという。なぜ東京の教会で発見されたのか?足取りを追うと、川野は渡口晋太郎という人物を探して各地の教会を訪ねていたことが判明した。十津川は、二人の出身地、平戸に飛び捜査を進める。そんなさなか、平戸の世界遺産登録が話題となり地元は沸くが…。長篇旅情ミステリー。
地元情報誌の記者・国吉冬美は、心酔するルポライターの杉作舜一が京都にきていることを知り心躍らせる。杉作は老老介護をテーマにしており、寝たきりで認知症を患う妻を介護する夫の取材に赴く。しかし妻は絞殺され、夫は首を吊って死んでいた。夫婦の死には何らかのメッセージが込められている、と杉作は調査を開始。そんな杉作のルポを手伝うことになった冬美は、哀しき事件にまつわる京都の闇と対峙するー。
青森県夏泊半島にある椿神社を訪れた男がその夜、民宿で毒死した。大学の雅楽部の合宿で夏泊に来た江藤美香は、その男が以前三重県の実家を訪ねてきた人物らしいと知る。美香の実家もまた“椿神社”と呼ばれる神社だった。男は何かを求めて全国の椿神社を歩いていたのだ。そして第二の事件が!雅楽部員の秀山が撲殺され、民宿の従業員・吉野が姿を消した…。椿神社には一体何が?
犯行声明のない爆破事件が発生。犯人の意図が見えずに捜査が難航する中、神保は新設の“テロ対策分室”に異動を命じられる。高校生のときに事故で両親と弟を失い、「なぜ自分の方が生き残ったのか」と罪悪感を抱えたまま爆弾を処理する神保に、上司の春日は危うさを感じていた。しかも今回の爆弾は、日本ではこれまでに例がないほど複雑なものだった。そして、新たな爆弾が見つかるー。
神鷹静香は、非道なテロ組織の爆弾テロにより、夫と愛娘を一瞬にして喪った。 そのショックから彼女を立ち直らせたのは、復讐への執念だった。 戦士となることを決意し、壮絶な訓練を積む静香。 だが、彼女が真の戦士となるには、「思い出」というかけがえのない対価を払わなければならないのだった。 第12回日本SF大賞に輝く不朽の名作。 田中芳樹氏の解説を再録。
夫と子供を殺したテロ組織へ復讐を誓う神鷹静香は、仲間や協力者を得て、敵の本拠地へと向かおうとしていた。 しかし、記憶を失いつつある彼女に関わるところで、とんでもない異変が……。 大林宣彦監督による映画化が決まった『つばき、時跳び』の著者・梶尾真治氏による壮大なスペース・オペラの傑作!
また一人、アメリカから男が送り込まれた。各国諜報関係者たちが見守る中、男は米国大使館の車に乗り込む。そして尾行する覆面パトカーに手榴弾を放った…。時は日米経済戦争真っただ中。東京の機能を麻痺させようとCIAの秘密組織は次々と元グリーンベレーら暗殺のプロを差し向けていた。対抗すべく、内閣情報調査室の陣内平吉が目をつけたのは三人の古武術家。殺るか殺られるかだー!
GHQ占領下の日本。大陸に従軍していた歌舞伎役者・辰三郎は、復員後、梨園での再出発を期す。一方、上司の宮本大尉は諜報組織への参加を条件に巣鴨プリズンを出獄する。GHQは戦後息を吹き返した共産主義勢力を駆逐するため特務機関を組織し、宮本はそのリーダーに選ばれたのだ。GHQの文化政策を担う民間情報局CIEは封建的価値観に基づく歌舞伎演目の上演に難色を示し、歌舞伎界は存立の危機に立っていた。辰三郎はCIE懐柔に奔走するが…
広島の名門・広陵高校に野球特待生として入学し野球漬けの日々。が、怪我で野球をあきらめざるを得ない事態に! 挫折の日々、そして東京への駆け落ち……。大阪で初めて見た漫才、こんなに面白い世界があるのかと開眼、自らも漫才コンビを結成して超売れっ子に! 漫才ブームが去ると仕事もなくなり、ビートたけしの運転手兼飯炊きとして暮らすなかで執筆したばあちゃんの話が大ベストセラー! 山あり谷あり、捧腹絶倒の一代記、完結!
孤児の乱之介は人買から小人目付斎権兵衛に拾われ、生きるための知恵を身につける。芸人一座に身をやつした乱之介は、米価を操る悪徳仲買らを拉致、身代金を要求し江戸庶民の喝采を浴びた。若き目付、甘粕孝康は、面子を潰された上席の鳥居耀蔵から捕縛を命じられる。己の義を信じ剣を恃みに生きる者同士、対決の時は迫る。長篇時代剣戟。(『疾風の義賊双星の剣』を一部改題した新装版)
六本木のクラブホステス・広瀬ゆかりが刺殺体で発見された。現場近くの駐車場には警視庁十津川班・片山明の死体が!?捜査の結果、片山主導の無理心中とみられたが、部下の無実を信じる十津川は、片山の故郷・福井県小浜に飛んだ。そこで衝撃の事実が明らかになる。片山は高校時代の友人を救おうとしていたという。友人には一年前に起きた市議殺しの容疑がかけられていたのだ…。
多霧たち歩き筋踏鞴衆の橘一党は、踏鞴場を求めて出雲にいた。その山中で唐金(青銅)の鎧に身を包んだ猪の集団が、山廻りの侍たちを全滅させるのを目撃。猪を操っているのは何者なのか?戦いに巻き込まれた多霧たちは、夷月の強力な霊力を以てしても調伏できない恐るべき呪いと対峙することになる。やがて出雲神話に隠された真実が明らかになる時、恐怖の王が解放される…。