出版社 : 徳間書店
素性不明の腕利きボディガード・キリのもとに仕事の依頼が舞い込んだ。対象は森野さやかという十七歳の少女。ミッションは、昼夜を問わず一週間、彼女を完全警護すること。さやかには人の過去を見抜き、未来を予知する特別な能力が開花する可能性があるという。「神眼」と呼ばれるその驚異的な能力の継承者は、何者かに命を狙われていた。そしてさやかの父・河田俊也が銃殺されたー。
旅篭の柏屋に奇妙な客が…父の仇を追う十四歳の上沼大炊助・加奈母子と下僕の安五郎だった。加奈は労咳で寝込み、大炊助の剣の腕も今一つ。安五郎は積荷人足として働いていたが、路銀にもこと欠き、博打で稼ごうと賭場へ向った。安五郎は賽の目をよむ天賦の才があり、その日二十五両もの大金を稼いだのだが…。人情居酒屋の主・宗因が考えついた妙案とは!?人気シリーズ第六弾!
ASV特務班は、DV、ストーカー、虐待事件などに対応するために警察庁直属で設けられた特任捜査チームだ。特異な捜査能力を持つ女刑事・夏目凛子をはじめ、女性監察医や美人サイバー捜査官など個性的なメンバーたちは、犯罪抑止のスキルを伝えるために所轄を渡り歩く。荒川署で活動を始めた彼らを待ち受けていたのは、男児ばかりで狙われる通り魔事件だった。そして新たな急報が…。
新製品キャンペーンのため、豪華な展望車とコンパートメント車両の臨時列車で京都に向かった時計会社の社長令嬢・楠木かおりが忽然と姿を消す。だが、彼女には失踪や自殺の動機は見当たらない。そんな折、列車内で女性客の縊死体が発見される。謎が謎を呼ぶ難事件に十津川警部の推理が冴え渡る!!
愛知県・小牧基地にある航空機動衛生隊。医官として医療チームを率いる内村彰吾は、ちょっと頼りなげに見えるのが玉に瑕。そんな周囲の視線を本人もわかっていた。が、任務となれば話は別だ。大型輸送機に積み込まれた“空飛ぶICU”を使って、緊急を要する患者を遠隔地の医療機関へ送り込む。機内で起こる緊急事態。限られた時間。襲いかかるプレッシャー。医療チームと輸送機の機長が連携プレーで、預かった命を守る!頭は冷たく心は熱く!空自のプロたちを描く「命をつなぐ」物語。
江戸に名をとどろかす怪盗団「日本駄右衛門一味」に着せられた、侍殺しの濡れ衣。事情を探るうち、駄右衛門は暗躍する闇組織の存在に気づく。大老・井伊直弼の命を受けたその隠密の狙いは、一味殲滅だったー。温情賊徒・日本駄右衛門、美貌悪童・弁天小僧菊之助、変装名人・忠信利平、凄腕剣士・赤星十三郎、怪力無双・南郷力丸。五人が揃えば一味は無敵。真っ向から敵陣に斬り込む!超高速娯楽活劇!!
思い通りにならない、うまくいかない人生。もし、願いを叶えてくれるアイテムがあったら…。竜宮電車に乗れば、どんな憂いも取りのぞける。でも、フリーパスがないと、乗車できない(「竜宮電車」)。タイトルに“鬼”という字がついた本を自分の年の数だけ読むと、どんな願いもひとつだけ叶う。でも、なかなか、そろわない(「図書室の鬼」)。ハローワークに通うが、やる気のない神さま?年齢不明・祭神(「フリーター神さま」)。「幻想」シリーズで人気の著者が書き下ろしで贈る、切ないけれど優しい物語。
橋岡は「名簿屋」の高城に雇われていた。名簿屋とはオレオレ詐欺の標的リストを作る裏稼業だ。橋岡は被害者から金を受け取る「受け子」の手配も任されていた。騙し取った金の大半は高城に入る仕組みで、銀行口座には金がうなっているのだ。賭場で借金をつくった橋岡と矢代は高城に金の融通を迫るが…。一方で大阪府警特殊詐欺班の刑事たちも捜査に動き出していた。最新犯罪の手口を描き尽くす問題作!直木賞作家、迫真の犯罪サスペンス。
中国大返しで信長後継の筆頭に立った秀吉は、織田信雄と対立し家康と小牧・長久手で激突する。戦闘の勝利は徳川が収めたが、秀吉と和議を余儀なくされた家康は、北条との同盟のため真田昌幸の所領・沼田を北条に差し出そうとした。真田は家康に真っ向から反旗を翻し信州上田城で徳川軍を迎え撃つ!真田昌幸・幸村親子の秘策とは!?戦国の英傑たちが結集するもうひとつの戦国合戦記。
富士樹海近くで合宿中の高校生文芸部員達が次々と殺されていく。いったい何故?殺戮者の正体は?この理不尽かつ不条理な事態から、密かに思いを寄せる少女・美優を守る!部員の八木剛は決意するも、純愛ゆえの思いも空しく…!?圧倒的リーダビリティのもと、物語は後半、予測不能の展開を見せる。失踪の調査対象“八木剛”を追う保険調査員琴美がたどり着いた驚愕の事実とは!?
星野鈴音は十人並以下の容姿。けれど初めて見た瞬間、榊原優一は激しく心を動かされた。見つけた!彼女はダイヤモンドの原石だ。一流の美容整形外科医である優一の手で磨き上げれば、光り輝くだろう。そして、自分の愛人に…。鈴音の「同僚の亜由美より綺麗になりたい、綺麗なほうと呼ばれたい」という願望につけ込み、優一は誘惑する。星野さん、美人になりたいと思いませんか?
くるりとした大きな目と赤い頬、六歳の義妹・花哉は魚の“喜知次”を思わせた。五百石取り祐筆頭の嫡男・日野小太郎に妹ができたころ、藩内は派閥闘争が影を落していた。友人の牛尾台助の父は郡方で、頻発する百姓一揆のため不在がちという。鈴木猪平は父親を暗殺され、仇討を誓っている。武士として、藩政改革に目覚めた小太郎の成長と転封の苦難、妹への思慕をからめて描く清冽な時代長篇!
養鶏場を経営するも、借金まみれ。あげくに追加の設備投資を勧める営業マンを突き飛ばし、鈴木明男は軽トラックで逃亡した。たどり着いたのは神山田という人里離れた山村。昔からの村民、こなたばあちゃんの家で厄介になりつつ、そこで明男が目にしたのは、お金を使わず自給自足、義務や強制のない暮らしを提唱する男、民人がつくった共同体だった。彼らの目的は?本当のエコって何?
2014年に全文芸誌に発表された短篇の中からベスト11を選出しました。そのどれもが傑作、今読むべき“旬”の物語です。目利きの編纂委員を唸らせた作品群は、きっと、あなたを感動の森に誘います。愛と憎しみ、歓びと哀しみ、ときには笑いなど、研ぎ澄まされた文章に人生の機微をギュッと詰め込んだ名短篇の数々。新鋭の煌き、熟練の妙手にて、どうぞご堪能ください。
おれの名は朽網康雄。この街でただひとりの探偵。喫茶店でハードボイルドを読みながら、飲むコーヒーは最高だ。この世界は、生前の記憶と人格を保持した連中が住む電脳空間。いわゆる死後の世界ってやつだ。おれが住むこの町は昭和の末期を再構築しているため、ネットも携帯電話もない。しかし、日々リアルになるため、逆に不便になっていき、ついには「犯罪」までが可能になって…。
十津川警部は資産家の秋山博之夫婦を殺害した容疑で、漫画家の戸川雅夫を逮捕する。ところが事件当日、秩父鉄道のSL列車の車中で戸川を目撃したという旅行作家のエッセイを発見。裁判を前に否認を続ける戸川の犯行を裏付けるため、再捜査を開始した十津川がたどり着いた驚愕の真相とは!?
悪漢に屋敷を荒らされた深室家は目付に不始末を厳しく追及される。将軍家綱のお髷番にして寵臣深室賢治郎は窮地に陥るが、老中阿部忠秋の計らいで難を逃れた。これに業を煮やしたのは賢治郎失墜を謀る異母兄松平主馬。冷酷無比な刺客を差し向け、魔手は許婚の三弥にも伸びる。進退窮まった賢治郎。そのとき家綱がついに動いた。権益を巡る傑物たちの攻防。大好評シリーズ、圧巻の完結!
愛知県犬山市の明治村にある品川灯台で、大京物産の社長・高桑雅文の遺体が発見された。死因は刃物で刺された失血死。遺留品の中に血のついた京王電鉄の回数券が見つかる。その血液は被害者とは別のものだった。美濃和紙の取材をしていた浅見光彦は、ニュースで事件を知る。見覚えのある高桑の顔ー。好奇心がとめられずに現場へ!凶器が包まれていた和紙が語る、旅情ミステリー。
悪評高い焼き物問屋の彦市郎と、町中で一触即発の状態にあった明珠。彼は大寺の医僧を務めていたが、看病していた高僧が死んだため、更に蘭方をもって接していたという理不尽な理由で寺を追い出されたというのだ。「尾張屋」の主・宗因らの勧めで町医となったが、彦市郎に薬草の煎じ薬を飲ませたことから事態は思わぬ展開を…。高瀬川に集う人々の歓びと哀しみを綴る傑作シリーズ!