出版社 : 徳間書店
術力を失ってしまった里見十九郎が、幻将・皓と手を組み、妖者方に寝返った…!?中空に築かれた『鏡』によって、“天”による空者方への恩恵がとぎれつづけているなか、伽羅王・斎伽忍は、和泉希沙良は、崎谷亮介は、水沢諒は…、この抜き差しならない若者達は、何を思い、どのように行動に移すのか!?そして鏡の空間に姿を現した無前王とは、いったい何者!?圧倒的なテンションで贈る、シリーズ復活第二弾!里見十九郎は、いったいどうなる!?
突然、アメリカ空軍がDACT(異機種間模擬格闘戦訓練)を申し込んできた。さきの戦技競技会で飛行教導隊を倒したチームと戦いたいのだという。指名された風谷修、鏡黒羽、漆沢美砂生、菅野一朗らのF15イーグルが対峙するのは、アメリカの至宝、世界最強のステルス戦闘機との呼び声高いF22ラプター。訓練を申し込んできたアメリカの思惑に航空自衛隊は…。
朝から妻に小言を言われ、満員電車の席とり合戦に力を使い果たす高橋は、どこにでもいるサラリーマン。しかし会社の開発事業が頓挫して責任者が左遷され、ところてん式に出世。何が議題かもわからない会議に出席する日々が始まった。そんなある日、見知らぬ老女にパンをもらったことから人生が動き出し…。他、神戸の焼肉、姫路おでんなど食べ物をめぐる、ちょっと不思議な物語三篇。
死者たちが生前の記憶を仮想人格として保たれて暮らす電脳空間、すなわち死後の世界。ここで私立探偵を営む朽網に持ち込まれる難事件は、現実世界の歪みが投影されたものなのか?「暴力」「犯罪」の概念があらたに登場。近々、「殺人」が可能になるなんて噂もあったり…。警察なんかあてになりゃしない。SFハードボイルド・ミステリー『優しい煉獄』の続篇にしてシリーズ初の長篇!
ポストに入っていた一枚のビラ。「家事力、主婦力、主夫力を発揮させましょう」夫と結婚して十五年。家事が、「力」だなんて!美菜子はビラに導かれるようにハウスキーパー事務所を訪れると、いきなり実力を試されることに。そこへ電話が鳴った。常連客で作家の那須河先生が、死ぬしかないほど家がぐちゃぐちゃだという。ユニフォームを渡され美菜子もチームメンバーと共に急いで那須河宅へ!
名門譜代大名の堀田正信が幕府に上申書を提出した。内容は痛烈な幕政批判。よしみを結ぶ徳川光圀は絶句する。正信と対立する老中筆頭松平信綱の胸中はいかに。将軍家綱の知るところとなれば厳罰は必定だ。幕閣に走る激震を危惧した光圀は織江緋之介に助力を頼む。将軍家剣術指南役・小野忠常の息子にして、義と勇を持つ若侍。巧妙に張り巡らされた信綱の謀略を前に伝家の胴太貫が閃く!
鋳掛け屋の太兵衛の葬式に東町奉行所与力がやってきた。かつて太兵衛は奉行所の付同心をしていたという。ある捕物の夜、盗人の隠れ家へ踏み込もうとした時、螢捕りにきた息子の仁助が太兵衛に声をかけ、捕物は失敗に終わった。太兵衛は出仕に及ばずということになり鋳掛け屋となったが、町の情報を番屋に知らせていたのだ。曳き人足となった仁助がとった行動は…。連作シリーズ。
「にゃん」となくのは黒猫ではなく、城を吹き飛ばすほどの雷を操る雷獣!?けれどもあまり怖くはないがー「クロスケさんはまだ小さいだけなのです!」…。あやかしを取り締まる“妖怪改方”の刀弥は、まだまだ未熟な雷獣クロスケと、雷獣が懐いて離れない許嫁の統子とともに不可解な事件を一刀両断!天狗が山から下りてきたり、幽霊と天ぷら対決をしたり、お江戸は毎日大騒ぎ!
いじめから、ひきこもりとなった二十四歳の麻生人生。頼りだった母が突然いなくなった。残されていたのは、年賀状の束。その中に一枚だけ記憶にある名前があった。「もう一度会えますように。私の命が、あるうちに」マーサばあちゃんから?人生は四年ぶりに外へ!祖母のいる蓼科へ向かうと、予想を覆す状況が待っていたー。人の温もりにふれ、米づくりから、大きく人生が変わっていく。
清涼な山中で行うトレイルラン。人気のスポーツに没頭する青年は山に潜む危険をまだ知らなかったー「ランナーズハイ」。登山客の度重なるマナー違反に、山小屋で働く女子大生は愕然とする。しかしそこは命を預かる場でもあったー「ハルカの空」。南アルプスで活躍する個性溢れる山岳救助隊員と相棒の“犬たち”が、登山客の人生と向き合う!「ビバーク」は単行本未収録作品。
暑い夏。冷やしうどんに胡麻豆腐をのせ、青紫蘇と茗荷を薬味に食べる一品に始まり、穴子の八幡巻き、鰹膾など、季節にあわせた美味い料理を出す湯島三組町の田楽屋。そこで修業中の若侍飛川角之進は、湯屋の娘おみつと一緒になるため、お互いの両親から許しを得ようと決意した。その矢先、角之進は、江戸を騒がす、黒狐のお面を被った兇悪な押し込みについて、岡っ引きから相談され…。
友だちになった小鬼から、過去世を見せられた少女は、心に“鬼の芽”を生じさせてしまった。小鬼は彼女を宿業から解き放つため、様々な時代に現れる“鬼の芽”-酒浸りで寝たきりの父のために奉公先で耐える少年、好きな人を殺した男を側仕えにして苛めぬく姫君、行商をしながら長屋で一人暮らす老婆、凶作が続く村で愛娘を捨てろと言われ憤る農夫、田舎から出て姉とともに色街で暮らす少女ーを集める千年の旅を始めた。精緻な筆致で紡がれる人と鬼の物語。
次郎三郎は信州善光寺の行人として各地を渡り歩く商人だ。信濃国で産駒に長けた滋野一族の末葉だが、戦国の混乱で武田家に真田の郷の本貫地を追われ、山内上杉家に身を寄せている。武田に恨み骨髄の次郎三郎だが、武田信虎が追放される大事件を奇貨に、旧領回復を目指していた。後に大坂方の知将として知られる真田幸村の祖父・真田幸綱の活躍。武田・真田の興亡を描く戦国大河第二弾!
つかの間千草苑を離れ、亡き妻との思い出のある地へと旅立つ祖父の木太郎。黄昏時、波打ち際に佇む彼に囁きかけるものは(「浜辺にて」)。若さ故の迷いから、将来を見失ったりら子が、古い楠の群れに守られた山で、奇妙な運命を辿った親戚と出会う(「鎮守の森」)。ひとと花、植物たちの思いが交錯する物語。花咲家のひとびとが存在するとき、そこに優しい奇跡が起きる。書下し連作短篇全六話。
薩英戦争で城下が火の海となる中、薩摩忍者“山くぐり”がエゲレス艦を奇襲した!(井川香四郎「桜島燃ゆ」)。箱館の旧幕府軍が放った透波の真の目的とは?透波同士が対峙する孤独な戦い(平谷美樹「黒脛巾組始末」)。親藩にありながら、尊皇攘夷の凶刃を振るう若き姫路藩志士らの運命は…(喜安幸夫「乗り遅れた譜代藩の志士」)。討幕派、佐幕派入り乱れ、密偵、忍者、志士たちが暗躍するスパイ戦争!
ドラゴンや人をあやつる異能の少女、魔法使いを「飼っている」おしゃまなネコ、身長二センチの勇者たち、幼い主人を守ろうとするけなげなロボット…魔法、SF、ホラー、冒険などさまざまな味わいの短編が十五編つまったファンタジーの宝石箱。世界幻想文学大賞の生涯功労賞を受賞し、映画「ハウルの動く城」の原作者としても知られる、英国のファンタジーの女王が贈る珠玉の短編集。
四十歳で職を失った三橋智春は、かつての部下からある危険な仕事への誘いを受ける。それは「犯罪シンジケート」の手先となり強盗や殺人を犯す闇の稼業だった。家族のためと割り切り、非情な犯罪を繰り返す三橋はある日、自分が殺したウエイトレスが、中学生の娘の担任教師の妹だと知り動揺する…。美人刑事今野真弓とその夫で泥棒の淳一が活躍する大人気シリーズ最新文庫第十八弾!