出版社 : 徳間書店
「相手は銃器で武装。現場には多数の人質がいる模様。これより特殊治安出動装備にて臨場する!」警視庁警備部第六機動隊、通称六機。対テロ対策を主とする特殊部隊だが、出動要請は様々だ。厚いベールに包まれた特殊部隊を描く傑作アクション。
「だから女は使えねぇ!」鑑識課長の一言に傷つきながら、ひたむきに己の職務に忠実に立ち向かう似顔絵婦警・平野瑞穂。瑞穂が描くのは、犯罪者の心の闇。追い詰めるのは「顔なき犯人」。鮮やかなヒロインが活躍する異色のD県警シリーズ。
伊佐チエはいわゆる普通の女子高生…だったはずなんだけど…。彼女が卒業した小学校が、この世から忽然と消えてしまうという怪事件をきっかけに、何の因果か、ケッタイな獣たちが蠢く不可思議な世界へ行く羽目に。そこはチエの曽祖父・小五郎のつくった夢の世界、夢羅。同級生のコザケンらを従え、夢羅に潜って、果敢に闘いを挑むチエ。伝説の化け狐・キトネを追え!操るは、先祖伝来の滅魔の銃!『ルナOrphan’s Trouble』で第4回日本SF新人賞を受賞した奇才が描く、ネオ・ジャパネスク・アクションSF!待望の受賞後第一作長篇。
核戦争による現代社会の崩壊後、少年・圭太は、父やその仲間とともに大型漁船で日本を脱出し、南太平洋に浮かぶ海上基地フロート・ナインを目指していた。だが船は嵐に遭い、座礁してしまう。そんな彼らの前に現れた、巨大な豪華客船ー。救世主のように思われたその船は、調査に訪れた大人たちを載せたまま、忽然と姿を消してしまう。それから二年、謎の「箱船」は、何度か圭太たちの前に姿を現すが、大人たちは誰一人帰ってこなかった…。意を決して「箱船」に乗り込んだ子供たちは、なんと、船が完全に無人であることを知る。「この船は、いったい…何なのか?」全篇に漂う切実な寂寥感の中、少年少女の活躍を瑞々しく描いて選考委員を唸らせた、SFミステリーの傑作!第5回日本SF新人賞佳作入選作品。
デビューのその瞬間、すでにして日本SFを代表する名作であることを証明した、前作『神狩り』。あれから30年。読者はもう一度、あの衝撃に出会うことができる。お待たせいたしましたー。現代SFエンターテインメントの最先端、書下し1100枚。
“コスモス、無残…”謎のダイイング・メッセージを残し、弘前の古書店主が東京のビジネスホテルで毒殺された。殺人現場から消えた太宰治が描いたという肖像画の行方は?浅見光彦は真相を求めて津軽へ向かうが、そこで第二の殺人が…。
アストラギウス銀河を二分する、ギルガメスとバララントの百年戦争末期ー。幾多の死線を常に生存して乗り越える、異能のボトムズ乗りがいた。キリコ・キュービィー。吸血部隊と恐れられた、特殊任務班レッドショルダー部隊最後の兵士。愛も、憎しみも、全てはレッドショルダーとの出会いから始まった…。アニメ史上に燦然と輝く不朽の名作『装甲騎兵ボトムズ』の核心に迫るふたつの物語、「野望のルーツ」と「ザ・ラストレッドショルダー」を小説化、一挙に収録した愛蔵版登場。
瀬戸物屋の見沢屋が襲われた。この二ケ月間で九軒の大店が同じと思われる盗賊に入られているのだ。しかも、文之介にベタ惚れのお克の店までもが!さらに今度は、なんの手がかりも得られぬうちに人殺しが起きた!!どうする御牧父子ー。
名同心の父から十手を受け継いで二年、美味い物と娘の尻ばかり追いかけている文之介。時には近所の餓鬼から悪戯されるが、筋はいい剣術と持ち前の人の善さが功を奏し、難事件も見事落着。幼馴染みの中間勇七を随え、今日も江戸の町を行く。
薬種問屋の娘が行方知れずになった。「二百両を出せば勾引した連中と話をつけてやる」と売り込んできた、元御用聞きの常蔵を怪しいと睨んだ銀次。手下の松吉と探索を続けていると、なぜか昵懇である神道無念流の達人、向井に突き当たり…。
開国で揺れる幕末の江戸。御家人悪を自称する青木弥太郎。用心棒に凄腕の攘夷浪人・魁銀次郎を得て、御用盗にも弾みがつく。ひるまぬ豪気と巧みな弁舌を駆使し、異国との交易で富を肥やす商人から軍資金を巻き上げる!胸がすく長篇痛快悪漢チャンバラ小説。
人の不幸のみを予言する謎の占い書「フォーチュンブック」。偶然入手した七人の男女は、運命の黒い糸に絡めとられたかのように、それぞれの犯罪に手を染める。錯綜する物語は、やがて驚愕の最終話へ。連作ミステリーの到達点を示す傑作長篇。
西暦2007年渋谷は日本から独立したというか、隔離された。ドラッグ、殺人、売春というありがちな事件が起こるたびに新聞が騒ぎ、若いヤツらしか寄りつかない街になった渋谷。日本政府はまるでガンにむしばまれた組織を切除するように、山手通から246にかけて鋼鉄の壁をそそり立たせ総面積300平方メートルの渋谷自治共和国を誕生させた。この小説はそんな渋谷を舞台にコメカミに穴を空け基盤を埋め込んだ若者の間で楽器を使って闘われる『Pray』とPrayersの物語。大脳という人間のブラックボックスを直接刺激することにより、派手で弾けた死をも賭けたゲームが闘われることから、「遊び」と「祈り」をかけたPrayと呼ばれた。
平凡な一人の男が、天を衝く塔を崩壊から救う。高さ2キロメートルの塔が幾多の危機を越え、雲を分け聳え続けるのだ。世界を救うのは、夢みる力!魂の冒険と愛の発見の物語。石田衣良の新たな挑戦ー心ゆすぶられるヒューマン・ファンタジー。
両親と死別し、叔母の家でつらい日々を送っていたウジン。ある日現れた叔父のペドロ神父に引き取られ、母が呼んでいたという洗礼名、アンドレアとして成長する。高校生のとき、両親を亡くしてやってきた娘、ウナを優しく受け入れるアンドレア。彼を愛するようになったウナは、告白できないままアンドレアに神父になる決意を打ち明けられ、想いを胸にしまいこむ。ともに医学部に合格したアンドレアとウナはソウルの大学に入学。そこで、同じ名前を持つウジンと出会う…。
いまは懸想文の代書屋で口を糊している柳又十郎は、もとはといえば隠密廻り。その又十郎、家主にして七つ屋の福右衛門に質草に取られている胴太貫をネタに強請られた。とはいっても、強請られたのは金銭ではない。殺しの下手人を叩っ斬ることを強要されたのだ。ここのところ相次いで夜鷹が殺されているが、いずれも気味の悪いことに、肝が抉り獲られているという。嫌々ながらも、探索に奔走する又十郎の目前に現れた意外な人物とは-。
元北海道警SAT狙撃班の城戸口は、今では斜里警察署の山岳救助隊員だ。ある日、知床連山最高峰の羅臼岳に登山をしていた城戸口は、中肉中背で顔じゅうに髭を生やし、縮れた長めの髪をバンダナでまとめている男と出遭った。髭や髪に白髪が混じっていないことから、さほど年配でもなさそうなその男は言った。「城戸口通彦。五年前は道警SATに所属していた。俺の心の友を射殺した男だ」薄ら笑いを浮かべるその顔にはたしかに見覚えがあった…。SAT狙撃班時代、札幌市の消費者金融に二人組の男が侵入した。そのうちのひとりは城戸口が射殺。そして、今ここにいるのが、生き残った元エリート自衛官・折本敬一だったのだー。城戸口と折本ふたりの邂逅は、極限の知床で始まる壮絶な闘いの序章に過ぎなかった。