出版社 : 徳間書店
愛か復讐か 様々な危険が潜む樹海を進む! 天を衝く巨大な樹々、 大地を埋め尽くす深い緑をわずかに切り開き、 人間たちは細々と生きてきた。 森林保護者(フォレストセイバー)は、 その樹海の住人というべき害獣・害虫の異常繁殖、 疫病の蔓延、食糧不足、 あらゆる脅威から文明社会を職業だ。 その一人、フェイはある目的のため、 危険と隣り合わせの旅を続けている。 ある日、息子を正体不明の獣に殺された地主が、 そいつを捕らえるように依頼してきた。 (冒険SFミステリ) 第一話 家鳴り 第二話 螺旋の鬼 第三話 宿怨 第四話 蟻王 第五話 飢餓獣
悲しくて切ない想いが詰まった恋愛小説である この作品は、読者にとって思いがけない結末を 迎える。 まさかどんでん返しで こんなにも 泣かされるなんて 見合いで結婚した夫には好きな人がいた。 十年も前から、今も続いている。 その事実を知っても、平凡な主婦の華美には、 別れて自力で生きていくことが出来ない。 そんな彼女の癒やしは、絵を描くことだけだった。 ある日、自分のデジカメに撮った覚えのない少年と、彼が書いたと思われる詩が写っているのを見つける。 その少年にひかれ、恋をした時、 運命は、とんでもない方向へ動き始めた……。 (ノンストップ・ラブ・ミステリー) 第一章 桜の乱 第二章 バタフライ・エフェクト 第三章 恍惚 第四章 はらわたに棲む悪霊 第五章 炎に魅せられし者 第六章 失われたノート 第七章 持ち寄りピザ・パーティー 第八章 ストーカー 第九章 残されたメッセージ 第十章 逆流の旅 第十一章 怯える住人 第十二章 愛されない者、愛せない者 第十三章 連続放火魔の正体 第十四章 琵琶湖の家 第十五章 タイムスリップ 第十六章 十年前のアルバム 第十七章 めぐり会い 解説 村上貴史
筒井康隆の世紀の奇書が“定本”として三十七年ぶりに復刊!“ドンドンはドンドコの父なり。ドンドンの子ドンドコ、ドンドコドンを生み…”ジャズ・スキャットで使われるバブリングを駆使し、奇想天外なパロディ聖書として読書界を驚倒させた表題作ほか、初刊文庫で未収録だった実験作品「上下左右」(イラストは雑誌掲載時の真鍋博)を収録した完全版。書下しの自作解説を併録。全十篇。
十津川警部の妻・直子は叔母と石川県の和倉温泉に出かけ、海に身を投げた橋本ゆきを助けた。恋人に死なれ後を追おうとしたのだという。が、直子が目撃した、ゆきの不審な行動。のと鉄道に乗って恋路駅に行き、待合室においてある「思い出ノート」の一ページを破り取って燃やしたのだ!一カ月半後、ゆきと婚約していたという資産家が失踪し、やがて遺体が発見された!?不朽の傑作集。
売れない絵師の家に 厄病神が同居!? 貧乏で災難続き、 おまけに事件まで…… 大名家のお抱え絵師だった葛幸助は、 今、大坂の福島羅漢まえにある 「日暮らし長屋」に逼塞中だ。 貧乏神と呼ばれ、筆作りの内職で糊口を凌ぐ日々。 この暮らしは、部屋に掛かる絵に封じられた 瘟鬼(厄病神)のせいらしいのだが、 幸助は追い出そうともせずに呑気に同居している。 厄病神が次々呼び寄せる事件に、 福の神と呼ばれる謎の若旦那や丁稚の亀吉とともに、 幸助が朗らかに立ち向かう。 (書下し痛快時代小説) 第一話 貧乏神参上 素丁稚捕物帳 妖怪大豆男 第二話 天狗の鼻を折ってやれ
信者も魔力もゼロのポンコツ女神とニセ勇者。 ゼロから始まる二人が繰り広げる、 星を渡る異世界ファンタジー! 祖父の実験に巻き込まれ、 異世界転移してしまったマタタビ。 目覚めた先には、この世界の主神、 ティアマットと妹の女神モモがいた。 主神からモモの勇者になってほしいと頼まれ、 断れば処刑されてしまうのだが、 「彼は私の勇者じゃありません」と、 拒絶されてしまう……。 何とかモモを説得しニセ勇者にはなれたが、 信者がいないポンコツ女神様には魔力がなく、 まず地上に降りる方法を探さないといけない……。 信者集めも冒険だ! 魔力ゼロ信者ゼロのポンコツ女神様と、 ポイント(魔力)集めて魔王を倒す? 星を渡る異世界冒険譚開幕!?
寡作ながら、今まで素晴らしい作品を 生み出してきた乙川優三郎が、 まさに“今”世に贈る短編集! 圧倒的な筆致で、数々の賞を総なめにしてきた 乙川優三郎の真骨頂は、心にしみる短編にある。 乙川は、「悲しみ、苦しみのないものを書こうとは 思わない」という意図のもと、 楽しいだけの話ではなく、 「苦しみの末のハッピーエンドを予感させる物語」 を描く。 「そして人生は続く」という言葉が 読後に余韻として漂う8篇の傑作短篇集。
囚獄・石出帯刀の密命により獄を放たれ、極悪非道の輩を成敗してきた剣客・佐久間音次郎だが、なにやら身辺に不穏な影が…。それは、帯刀の独断専行の証を掴もうとする目付・関口勘右衛門の手の者たちだった。手練れの不逞浪人たちは音次郎の家を襲って、きぬをさらってしまった!囚獄からの連絡も途絶え、孤立無援のなか、音次郎は愛しいきぬを救い出せるか。傑作時代剣戟第五弾!
当て身一発で追っ手を黙らす。小宮山は盗賊からの信頼が篤い凄腕の見張り役だ。しかし彼は実は相馬中村藩士。城から盗まれた茜の茶碗を捜索するという密命を帯びていたのだ。将軍から下賜された品だけに露見すれば藩は取り潰される。小宮山は浪人になりすまし任務を遂行するがー。武士としての矜持と理不尽な主命への反骨。その狭間で揺れ動く男の闘いを描いた、痛快娯楽時代小説!
伝通院以来、秘かに想いを寄せていた土方歳三との別れ。新徴組組士千葉雄太郎との恋。そして悲憤の別離。世のため江戸庶民のためと職務に精励する新徴組だったが、彼らのその高い志が皮肉にも歴史を動かす引き金となってしまった。戊辰戦争…。討幕の流れは止めようもなく、いつしか庄内藩酒井家は朝敵となってしまう。やりきれぬ理不尽さに戸惑いつつ中沢琴は泥沼の戦いに臨むのだった。
失踪した娘を捜してほしいー依頼を受けた、かつて十津川警部の部下だった私立探偵の橋本は、池戸彩乃の捜索を始める。勤務先のパソコンに謎のメモが残されていた。「4116581411123」。本州最北の鉄道の駅、下北駅の緯度と経度と判断した橋本は下北に飛び彩乃の痕跡を追う。一方、東京では彩乃の同僚が殺され十津川が捜査に乗り出す。事件は予想外の展開を見せ始めた!?
生徒を見捨てる校長を殴ってクビになった。恋人に告げると、彼女の両親から婚約破棄を申し渡された。でも彼女からは夢だった弁当屋を一緒にやろうと言われ…。そんなとき、オレがAVに出ていると元生徒たちに告げられた。しかし、それはオレそっくりな従弟だった。親が自慢するエリートだったはずのヤツが何故?両親には言えない秘密を抱えた男たちの悲喜交々を描く、渾身作!
夫婦仲が良好になり、苦手だった算盤の腕も上達。自信がなかった勘定所勤めにも、張り合いが出る笠井半蔵だったが、仕事が上達した真の理由は、剣の技倆を見込まれ影御用を命じられていることにあった。南町奉行・矢部定謙の意を汲み、事件解決のため惜しみなく力を貸す日々。そんな半蔵に、南町奉行の失脚を狙う魔の手が迫っていた!時代剣戟の好評シリーズ第三弾。
尽忠報国の志を持つ者ならば、身分を問わず。十四代将軍上洛警護のため広く天下から募られた浪士組。そのなかに一人、女性剣士の姿があった。中沢琴、上野国利根郡穴原村の剣術道場“養武館”の娘。法神流の剣と薙刀の遣い手である。江戸の伝通院には土方歳三らのちに新選組として名を馳せる者らも集結、熱き心を胸に京を目指す。新徴組組士として幕末を懸命に闘い抜いた琴の旅が始まる。
いざゆかん、聖都へ 吸血種と人間たちの未来は!? 小説家 篠田真由美×絵師 THORES柴本の 強力タッグで贈る新たなる吸血鬼譚、 ついに最終巻! 《貴種》と呼ばれる吸血鬼が支配する中世西欧的世界。 教会で養われていた少年ラウルは、 吸血鬼の少年イオアンと出会い、 従者となり、イオアンの住むシェミハザ城で 暮らすことになる。 しかし、城が急襲され、 彼らは共に都を目指して旅をすることになった。 その途中、遭遇する様々な出来事は、 まさに変革の兆しが見える世界と連動していた。 平穏に見えた世界が動き出すなか、 自らの運命を切り拓くため、 少年らは共に旅する。 「建築探偵」「龍の黙示録」シリーズが人気の 著者が描く、新たなる吸血鬼物語。 第一章 開扉 第二章 夢告 間章 蒼空 第三章 覚醒 第四章 聖都 終章 翼あるもの あとがき
東京・阿佐ヶ谷のマンションで、エリート商社マンが殺害された。直前に食べたと思われる南紀白浜の温泉まんじゅうに青酸が混入されていたのだ。その数時間後、彼の婚約者のCAが南紀白浜空港のトイレで絞殺死体で発見された。そして彼女の自宅寝室には「死ね!」という赤いスプレーで書かれた文字が!?乗客名簿を取り寄せた十津川警部は、急遽白浜に飛んだ…(十津川警部白浜へ飛ぶ)。他、「伊豆下田で消えた友へ」「恐怖の海 東尋坊」など旅情ミステリーの代表的作品四篇を収録。
北辰一刀流の千葉家で生まれ育った佐那は、十六歳の時、坂本龍馬と千葉道場で出会う。惹かれ合う二人を、時代の波が引き裂いた。そして三十九年後ー。千葉灸治院で働く佐那のところへ板垣退助の紹介という男が現れる。「坂本龍馬先生と佐那さんは縁があるとお聞きしたので」すると、佐那は文箱から袷の袖を取り出してー。坂本龍馬を生涯想い続けた女、千葉佐那の人生。
この本を読んではいけないーー 奇妙な警告文の挟まれた古書が オカルト雑誌の編集部に持ち込まれた。 古書の持ち主だった兄が数カ月前に失踪し、 現在も行方不明だと竹里あやめは訴える。 フリーライターの八坂駿が その本を少しずつ読み始めると、 周囲で不気味な出来事が続く。 いたずら? 狂言? それとも……。 八坂はペアを組むカメラマンの篠宮、 依頼人のあやめとともに、古書の謎を追う。 大好評「法医昆虫学捜査官」シリーズの 著者による新機軸ミステリー! <目次> 第一章 日陰の吹き溜まり 第二章 極上の料理とエス 第三章 狂気は晩餐とともに 第四章 ごきげんよう、さようなら 第五章 恐怖はどんな感じだ? 解説 西田藍
マンションで転落死と思われる男性の死体が発見された。死亡した男は、大物政治家が絡む贈収賄事件の重要参考人だった。さらには政治家の公設第一秘書、私設秘書も変死。自殺として処理するように圧力がかかる中、葛木が極秘裏に捜査を開始すると、予想だにしない黒幕が浮かび上がってきて…。政治が真実を闇に葬ろうとするとき、所轄は警察の矜持を保つことができるのか?