出版社 : 扶桑社
ボブとキャシーはモスクワでの調査の結果、赤軍の大物高官がミリを特殊な任務に就かせていたことを突き止める。その任務とはナチス高官の射殺という命令らしい。一体ナチスの高官とは何者なのか。二人はミリが向かったらしいウクライナへ移動する。当地でボブの脳裏によぎるのは、彼女は任務完遂を前に殺されたのではという疑念だった。ミリは標的の狙撃に成功したのか。やがてボブの身にも危機が迫り…。間断なきサスペンスと重層する語りで展開される巨匠円熟の傑作!
英国の考古学者がエジプトの王墓から発掘した貴重な副葬品と共に行方不明になった。その娘フィービーに外務省の捜査員が尋問するが有力な手がかりは得られない。彼女を疑っている外務省側は放蕩者の貴族ラムジーを使い、フィービーを誘惑して父親と発掘品の在処を突き止める作戦に出る。手練手管に長けた名うての遊び人と高名な考古学者の娘。実はラムジーとフィービーは四年前に人には言えない出会いを果たしていた…。練達のストーリーテラーが贈る波瀾万丈の“放蕩者トリロジー”第二弾!
結婚して八年たったいまもパトリックとサムは深く愛しあっている。ところがある日の真夜中、パトリックはサムの泣き声で目を覚ます。なぜかサムの心は五、六歳児並みの幼い少女になってしまっていて「わたしはサムじゃない、リリーよ、あなたなんか知らない」と言い張るのだ。パトリックはなんとかしてサムを取り戻そうと決意するが…。不条理な試練にさらされる夫婦の姿を描く新境地の連作二篇に加え、ケッチャム節炸裂の衝撃作「イカレ頭のシャーリー」を併録。これが鬼才の現在進行形だ!
1907年、高速軌道の開通を急ぐサザン・パシフィック鉄道の建設現場で事故が多発し、多くの死傷者が出ていた。過激派や無政府主義者の破壊工作を疑う社長のヘネシーは全米随一の探偵社“ヴァン・ドーン”に調査を依頼。渡りの労働者の間で囁かれる正体不明の男、通称“壊し屋”の存在が浮かび上がる。捜査を指揮するのは探偵社のエース、アイザック・ベル。全米を駆けまわるベルと“壊し屋”の熾烈な戦いが始まったー。冒険小説の巨人が時代への思い入れをたっぷりに描き出すアクション巨編。
巨大な捜査網と権限を有する“ヴァン・ドーン探偵社”のアイザック・ベルが逮捕に動き出してからも、“壊し屋”の手が休むことはなかった。ベルも“壊し屋”に送りこまれた刺客によって痛手を負ってしまう。“壊し屋”の手は西部からニューヨークへ、そしてベルの恋人マリオンの身にも危険が迫る。巧妙な破壊工作に、ベルは西へ東へと駆けまわる。だがやがてベルは“壊し屋”がサザン・パシフィック鉄道を狙う真の意図を見抜き、その正体へ肉薄していくー。好評“アイザック・ベル”シリーズ第2弾。
イオナはこれまでの人生を全て整理して、生地アメリカから自らのルーツを求めアイルランド西部へ向かった。目指すは彼女の一族が昔から暮らす大きな森が間近に控える地。到着するとすぐさま彼女は親戚が森の中で営む“ダーク・ウィッチ”を訪ねる。出迎えた親戚二人は彼女を歓待したうえに就職先まで面倒をみてくれた。乗馬クラブで仕事を始めたイオナはそこでオーナーのボイルの姿を目にして激しく心をときめかせる…。緑豊かな大自然を舞台に繰り広げられる恋と魔術の三部作が幕を開ける。
人気クイズ番組のプロデューサー神田達也。テレビ局員ながらも、40歳過ぎてようやく「クイズ!ミステリースパイ」でヒットを飛ばす。多忙なある日、自宅リビングの壁に高校生の息子・和也が磔にされ、玉虫色のスカーフを巻いた謎の男が立っていた。そして、和也を人質にゲームを挑んできた。謎の男は6枚の名刺を取り出し、5人の男女を招き入れて、持ち主に名刺を返すように指示した。が、一度でも間違えば、和也の首に取り付けた爆弾のスイッチを押す、と。このゲームの裏には何があるのかー。“独裁者”を自認するテレビプロデューサーの栄光と狂気と闇が招く、驚愕のエンディングー。
ヒマラヤ山地のとある王国に潜入していた諜報員が、エボラ出血熱にも似た恐るべき症状を示して死を遂げた。兵器化されたウィルスによるバイオテロが計画中との情報を得たCIAは、その国の王宮で少女時代を過ごした古文書学者のルーシーにテロ計画の全貌を探らせる役目を依頼、陸軍山岳部隊のエリート戦士を護衛につける。婚約中のカップルをよそおった二人は、やがて真の信頼関係で結ばれていくが、世界規模のテロ計画は、二人の命も脅かし…大人気作家が贈る本格派ラブ・サスペンス!
十一月の深夜、歴史教師のキャロラスはミンコット荘のレディー・マーガレット・ピップフォードから電話を受ける。娘婿のダリルが銃で自殺したらしい、至急来てくれないかというのだ。早速かけつけたキャロラスは、ベッドの上に血まみれで横たわるダリルの遺体と対面する。警察は自殺と判断するが、そう考えるにはいくつか不可解な点があることにキャロラスは気づいていた…。名探偵キャロラス・ディーン再び登場。緻密な細部と大胆なトリック。これぞ英国本格の真骨頂!
不朽の名作が現代に蘇る。夢、仕事、結婚、お金、幸せ、生命…幼い頃に両親を亡くし、兄弟たちで懸命に生きてきた旭、暁、ひかり、陽、旦。佐藤家の5人兄弟はさまざまにのしかかってくる現実をどう乗り越え、成長していくのか…互いを信じ、支え合う家族の生きざまを描いた熱き青春ドラマ。
男気あふれる昔ながらのヤンキー・尚弥が、上昇志向もなくダラダラ生きるマイルドヤンキーたちが通う高校に転校し、ひょんなことから水球を行うように。ライバルの強豪校を倒し、仲間とともに“ミズタマ”でてっぺんを取ろうと誓う…。アツイ男・尚弥&クールな龍二…ミズタマで結ばれた絆!友情、恋、そして水球!青春群像ストーリー。日本初、水球をモチーフにしたフジテレビ系大人気ドラマが青春小説として蘇る!
平凡な日常からほんの一歩踏み出すと、そこには世にも不思議な世界が待っている。どこまでもまとわりつく幻覚、憑依する悪霊、女教師と自動筆記、少女を翻弄する千里眼、運命を狂わす予知夢、戦場を照らす謎の光、そして行方不明のグライダー…。60年代のアメリカTV界で人気を博した超常現象再現番組“世にも不思議な物語”。本書は、この番組で扱われた怪奇実話&都市伝説のなかから選りすぐりの話を集めたファンタスティックな傑作短編集である。
18歳のエレンは兄ゴードンのようにオックスフォードで勉強する夢があった。しかし女性は入学できない時代。なんとか叔母の助力で、オックスフォード大学近くにある女学校に入ることになった。街に着いた日、エレンは苦学生らしい親切な青年ジムに出会い、この後の生活に期待を抱く。だが、女学校は単なる花嫁学校でしかなく、失望した彼女は学校に馴染めずにいた。ある日、兄の頼みで大学の授業を受けることになり、エレンは嫌々ながら男装をする…。リージェンシー・ロマンスの女王が贈る青春物語。
考古学者ジャック率いるチームが、イスタンブール(コンスタンティノープル)沖で中世に造られた鎖を発見する。その頃、ジャックの旧友マリアがヘレフォード大聖堂で秘匿されていた中世の文書を見つけ出していた。この2つの発見がある推測を促す。「ヴァイキングがコンスタンティノープルからメノラー(燭台)を奪ったのではないか?」-メノラーはユダヤ戦争時にローマ軍が奪ったユダヤの至宝であり、現イスラエルのシンボルだ。そして、ナチスが探し求めた秘宝でもあった。歴史の闇に光を当てる冒険が始まる!
気だるい平日の午後。職場でいつもと変わらない時間を過ごす女性。だが、そんな彼女たちのもとに、銃を手にした暴漢がいきなり襲ってきた…。この冒頭部分を踏襲して三人の奇才がそれぞれ物語をつくりあげた。若い頃の自分の不遇な経験への憤怒を作品にぶつけるケッチャム、映画級の大アクションを見せるレイモン、そして数々のパロディをストーリーに織り込むリー。アメリカの三大バイオレンス作家がその持ち味を発揮して描き上げたスプラッター・ホラーの傑作アンソロジー、ついに登場!
南北戦争終結から十年後のミシシッピー州の小さな町。マチルダは町外れの森の中でひとり暮しをしていた。彼女を“魔女”呼ばわりする人もいたが気にはならなかった。栽培した花や薬草、自ら焼いたパンなどを町で売り生計を立てる気ままな日々。そんなある日、逞しい身体をしたハンサムな実業家デクランが彼女を訪ねて来る。彼は遠回しに“惚れ薬”を作って欲しいと言ってきた。マチルダは一旦断るのだが…。RITA賞受賞のベテラン作家が贈るユーモラスで官能的なお伽話風ヒストリカルの傑作!